アクセス解析でWeb改善をしようにも、どのデータを見たらいいかわからない。Google アナリティクスが難しい…。そんな声をよく聞きます。今日は、11/30(水)にWeb担の有料講座「ゼロから学ぶGoogleアナリティクスを使った『アクセス解析 実践講座』」の講師をしてもらう、「直帰率」の言葉の生みの親とも言われる石井研二さんにGAが難しいと言われる理由などを聞いて行きます。
Google アナリティクスが難しいと言われる理由
「Google アナリティクスが難しい」と言われる理由は、何なんでしょう?
大きく2つあると思います。1つ目は、専門用語を知らないからです。用語の意味がわからないのでは、正しく理解できるはずがありません。さらに、Google アナリティクス(GA)からGoogle アナリティクス 4(GA4)に変わることで、また違った用語が出てきます。
2つ目は、何が見たいのかわからないからです。特にGA4になることで、リンクをクリックしただけで見られる項目がGAに比べてグッと減ります。GA4の「探索」と呼ばれる機能を使う場合は、自分が見たいデータを自分で作っていく必要があります。「何が見たいのか」が明確になっていないと、そもそも使えないんです。だからこそ、「Webが良くなるとは、どういうことなのか」を理解する必要があるんです。もっと言ってしまうと、Webでやれることは2つしかないんです。
- 「何が足を引っ張っているのか」を知る→「取り除く」改善をする
- 「貢献しているものは何か」を知る→「もっと伸ばす」改善をする
Webで正しく成果を定義できていない理由
石井さんに整理してもらうとスッキリしますね。講座では、「アクセス解析で成果が出るとは?」から学び始めるのですが、これはどういう意図ですか?
まず、アクセス解析をすることで、ホームページ(Web)が良くなるとはどんな状態なのか、ゴールを共有してから講座をスタートしたいと思っています。多くの人が、ホームページを改善して良くなった状態を経験したことがないんです。
「アクセス解析をする=集客が増える」と勘違いしている人が多いんですが、ホームページの改善で得られる効果は「成果が増える」ことなんです。集客が増えることだけが成果ではないですよね。その「成果が増えることはどういうことなのか」を、BtoBとBtoCの事例でそれぞれ理解してもらいたいと思っています。
確かに、ホームページの成果を定義するってすごく難しいですよね。
ホームページの成果を正しく評価できている企業は少ないと思います。よくホームページの成果として、PV(ページビュー)を設定しているところがありますが、本来はホームページの成果が上がるとは、売上が上がることです。成果につながりにくいPVが増えても、それが成果とは言いづらいです。売上増に、Webがどう貢献しているのか、アクセス解析がどう貢献しているのか、講座でしっかりと考えていきたいと思います。
確かに、Webの成果が示せると、社内でWebの価値が上がって、やりたいことに予算を回してもらえる可能性も高まりますよね。
はい、そうですね。よく、Web担当者は忙しくて、手が回らないと言いますよね。でも、残念ながら売上が上がらないと、人を増やせないです。たとえば、Web担当者のあなたの給料が50万円だとすると、最低でもホームページで50万円以上稼げないと、人を増やすどころか、存続さえ危ぶまれますよね。
それに、Webの価値を示すことは何も難しいことではありません。考えてみてください。
たとえば採用の場合、一人採用するためのコストは〇〇円で、一人採用したことによって、どれくらい業務効率がなされて、売上が上がったか、という計算をしますよね。
確かに、そうですね。
その計算をWebでも同じようにするだけです。「Webで利益を生み出すポイントがない」という定義をしている時点でダメです。Webが事業に貢献する価値を生んでないならば、Webはやめた方がいいですよね。
たとえば、会社のことを今まで知らなかった人が訪れてくれたら、それはWebの価値になります。ページの90%をスクロールしてよく読み込んでくれたら、それもWebの価値です。こういったWebの価値、すなわちWeb担当者の価値を、きちんと金額換算して評価できるようにしていきましょう。
Webでやれることは2つしかない?! その理由
冒頭で、「Webでやれることは2つしかない」ということですが、具体的にGoogleアナリティクスのデータを見ながらどのように改善ポイントを見つけて行くのでしょうか。
パッと見て誰でもわかるように、2軸の散布図を作ります。横軸は「集客数」、縦軸はお申し込みなどの「成果数」にします。4象限の右上はたくさん集客して、成果に貢献しているページです。問題は右下です。集客はしてるのに、成果に貢献してないページです。これが真っ先に見直して、改善していかなければいけないページです。4象限の図にすると、貢献しているページ、改善すべきページが見えますので、どこを改善したらいいか悩むことはありません。
Webサイトはゴールを明確にして改善していけば必ず成果が出るんです。ただデータを眺めているだけでは、数値は変わらないうえに、なにもしなければ悪くなる一方です。
あるページにリンクを追加したとすると、リンク先のページ数が増えているはずです。この改善によって3PV増えたとします。この成果自体はとても地味ですが、この取り組みを20ページで実践したら、60PV増えるわけです。このように小さな成果の積み重ねで、大きな成果が生まれるようになります。
目標管理シートを作る理由
講座では「目標管理シートを作る」というワークがありますが、どんな目的で、どんなものを作るんでしょうか?
会社の成果は一つではありませんよね。たとえば、製品が複数ある場合は、製品ごとに解決したい課題はそれぞれ違います。それぞれの課題を管理するためのシートが「目標管理シート」です。
たとえば、製品1があるとして、これが新商品だったとします。新商品の製品1は、お問い合わせはもちろんほしいですが、まずは知ってもらうことが達成したい目標になるわけです。そうなると、ユニークユーザーを集めていくことが目標になります。
次に、製品2はロングセラー商品だとします。すでに買ってくれている人がたくさんいるわけですから、継続的にもう一つ買ってもらうことが目標になります。また、あまり営業が手をかけて売りたくない商品は、Webで買ってもらえるようにしたいですよね。このように、一つの会社でも成果が複数あるんです。
確かに、それぞれの目標を一つのシートにまとめておくととてもわかりやすいですね。
また、リニューアルをする場合はこのシートを制作会社に渡しておけば、これが評価できるように作ってくれますので、良いこと尽くめです。
最後に
今回の講座は、GAを中心に学んで行きますよね?
実際に自社の数値をGAで確認することはありますが、操作を学ぶ講座ではありません。必要な数字を見て、「どう改善していくか」という基本を学びます。会社によってはGA4をすでに導入されている場合もあるでしょうから、違和感がないように進めていくつもりです。
「Webは改善をしたら良くなっていくものだ」ということを信じて、それを実践してみる講座です。自社のサイトが良くなる、改善できる、そんなことを実感してください。
石井さん、ありがとうございます!
この記事をここまで読んでくださったということは、Google アナリティクスに対する課題を何かしら持っているはず。講座は石井さんから一方的に学ぶ座学だけでなく、自分で頭を使って考えるような内容も含まれています。また、石井さんに直接自社における課題点を相談することも可能です。気になった方はぜひ、リンクから講座概要をチェックしてみてください。講座は11/30(水)10:00~17:00です。
※このコンテンツはWebサイト「Web担当者Forum - 企業Webサイトとマーケティングの実践情報サイト - SEO・アクセス解析・SNS・UX・CMSなど」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:アクセス解析、どのデータを見たら改善できるのかわからない! 「Google アナリティクス」が難しい理由 | インタビュー
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