オウンドメディアの「本質」を探り、「基本知識」「文章作りのテクニック」を学べる6冊! | Web担 オススメの課題図書

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yu-ta(ゆーた)26歳、会社員 PC.スマホ周辺機器やスマート家電など ガジェットを使って スマートな生活を送っています。 このサイトでは管理人おすすめの 最新の便利ガジェット情報や お得に買えるセール情報を中心に 発信しております。
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今回は、KIRIN公式noteの編集長であるキリンホールディングスの平山 高敏さんに、オウンドメディア初心者に読んでほしいオススメ書籍を紹介してもらった。平山さんは、KIRIN公式noteが評価され、第10回Webグランプリ Web人部門 Web人大賞を受賞している。

キリンホールディングス株式会社 コーポレートコミュニケーション部 平山 高敏さん。公益社団法人日本アドバタイザーズ協会 デジタルマーケティング研究機構の第10回WebグランプリでWeb人大賞を受賞している

インターネットメディアで情報発信することについて考える2冊

オウンドメディアを運営する企業が増えているが、メディア経験がなく手探りで進めているという方も多いのではないだろうか。平山さんは、まずインターネットメディアで情報発信することはどういうことか、について書かれた2冊を取り上げてくれた。

1冊目 『インターネット的』(糸井 重里:著 PHP研究所:刊)

1冊目のオススメは、もともと2007年に出版された同タイトルに、2014年に書き下ろしの「続・インターネット的」を加筆した書籍だ。

本書では、インターネット的なものとして「リンク」「フラット」「シェア」する生き方・考え方を紹介している。1998年にインターネット上のメディア「ほぼ日刊イトイ新聞」をスタートさせて以来、毎日更新をし続けてきた糸井重里さんの言葉には重みがあると平山さん。15年以上前に書かれた本だが、今読んでも変わらないインターネットの本質を感じられる1冊だ。

本来的なインターネットのポテンシャルが感じられるので、迷ったときなど、時折見返す本です。読みながら『インターネットで情報発信するとはどういうことなのか』『お客様とつながるとはどういうことなのか』『価値観が変化する中でインターネットを主戦場とする我々はどうすればいいのか』ということを考えています。

インターネットで仕事をする上での原理・原則・原点が書かれていると思います。これが20年近く前に書かれていることに驚きますよね(平山さん)

1冊目は『インターネット的』

2冊目 『情報の文明学』(梅棹 忠夫:著 中央公論新社:刊)

2冊目は1988年に出版された後、1999年に文庫化された1冊。インターネットが一般に普及する前に書かれた書籍だ。近代から現代にかけて情報が価値あるものとして、どういう風に世の中に広まっていったか、その変遷がわかる本だという。

本書には、放送人(放送に関わる人)は、聖職者であり、アマチュアでもある。放送人は倫理観をもちなさいということが書かれています。現在に通じるものがありますし、情報を発信する立場の人は読んでおいたほうがいいと思う内容が随所にあります。

企業がオウンドメディアを運営する上では、成果の数値だけではなく、メディアで発信することはどういうことなのか、を考え続けないといけないと思います(平山さん)

本書を読むと『インターネット的』に書かれている意味も、より深くわかると平山さんは話す。

2冊目は『情報の文明学』

なぜオウンドメディアなのかを抑え直せる1冊

3冊目 『ステークホルダーを巻き込みファンをつくる! オウンドメディア進化論』(平山 高敏:著 宣伝会議:刊)

3冊目は、平山さんが書いた書籍。なぜ今オウンドメディアが必要なのか、過去にどう必要とされてきたのかということから紐解き、発信のパターン、副次的な効果まで詳しく解説されている。

立ち上げからコンテンツ作りまでを9ステップで紹介しています。このステップに則って会社にオウンドメディアを提案したら決裁が通ったという方がいて、嬉しかったですね。

オウンドメディアが流行っている理由、noteが伸びている理由、共感を生む発信とはどんなものか、オウンドメディアの効果などを紹介しています。これらを自社に当てはめて考えれば、企業としてオウンドメディアを『やるのか / やらないのか』という判断がつけられると思います(平山さん)

3冊目は『ステークホルダーを巻き込みファンをつくる! オウンドメディア進化論』

伝わる文章を書くための知識とテクニック

4冊目 『井上ひさしと141人の仲間たちの作文教室』(井上 ひさし:著 新潮社:刊)

4冊目は、作家・劇作家の井上ひさしさんが作文教室を運営していた折の添削内容を、解説とともに紹介した本だ。

本書では、『文章とは自分にしか書けないことを誰にでもわかるように書くこと』だと定義されています。これは、私が書くときの拠り所としている基本中の基本になる言葉です。

また、文章には、『誠実さ』『明晰さ』『わかりやすさ』が必要とあります。誠実さとは自分の言葉で伝えることです。私もオウンドメディアでは誠実さを大事にしていますし、取材をするときも、取材対象者に自分の言葉で話してほしいと伝えています。作文のテクニックも書かれているので、同じチームのメンバーにも読んでもらいました(平山さん)

4冊目は『井上ひさしと141人の仲間たちの作文教室』

5冊目 『取材・執筆・推敲――書く人の教科書』(古賀 史健:著 ダイヤモンド社:刊)

5冊目は、書名通り、ライター・編集者の教科書といえる本。著名な編集者である古賀 史健さんが取材・執筆・推敲の3部に分けて、書く技術・伝える心得を具体的に説いている。あらゆる発信物に通ずる基本がすべて書かれていると平山さん。

書くことすべての工程でやるべきこと、テクニックがわかりやすく書かれているので、辞書のように手元に置いてほしい1冊です。考え方でも参考になることが多く、企画が弱いときにも読み返して再考しています。

実際に、『文章を書いた後に音読する』というのは私もやるようにしていることの1つです。編集者はロマンチスト、ライターはリアリストであるべきという言葉もおもしろいですよね。編集者はプロの読者、と書かれていることにも共感します(平山さん)

編集者は特定の技能がない分アマチュアだからこそ、文章について語れないといけないし、その技術を磨き続ける努力をしないといけないと話す。

5冊目は『取材・執筆・推敲――書く人の教科書』

文章のお手本になる1冊

6冊目 『忘れられる過去』(荒川 洋治:著 みすず書房:刊)

6冊目は、詩人である荒川 洋治さんのエッセイだ。平山さんは荒川さんの文章が好きで、お手本にしているという。

メディアをやる以上、お手本をもっておくべきだと思います。私の場合は荒川さんで、自分がなぜ荒川さんのように書けないのかをいつも考えています。人によってお手本になる人は違うので、それを見つけてほしいです。

オウンドメディアの運営は楽しい仕事で、好きな文章を見つけられる可能性もありますし、外のメディアもたくさん読むので、自分の好きなことを見つけられる仕事でもあると思います。その人の好みや経験がメディアの色や世界観にも影響します(平山さん)

6冊目は『忘れられる過去』​​​​​

レベルアップし続けるための情報源

レベルアップし続けるため、書籍以外に参考にしている情報源についても聞いてみたところ、「SNS」と「書店」をあげてくれた。

SNS

SNSにおいて、平山さんがフォローするジャンルは大きく分けて次の2つ。

  1. オウンドメディアやマーケティングに関する発信
  2. 人の生活や暮らしについての発信

2つ目は趣味の領域に近いが、そこで紹介されている書籍を購入することも多いそう。

書店

noteで商品を紹介するときには、CMやプレスリリースには表れないプラスアルファの価値を見せるようにしているという平山さん。そのために行っているのが書店巡り。なかでも、代官山 蔦屋書店によく行くそう。店頭に並べるものをキュレーションしているため、今推したいものが見えてくるところがおもしろいと話す。

書店を歩きながら、タイトルや中身を見ていると、今の時代の機運、これから来る価値観のようなものが言語化されているのを感じます。そこで見つけたアイデアを、noteでの次の企画のヒントにすることもあります。

最先端の情報に触れることは、自分の言葉選びにも影響しますし、我々の職業では、書店巡りはやらないといけないことだと思います(平山さん)

◇◇◇

平山さんは、「オウンドメディアでは、マーケティングメッセージとは違い、解釈を加えた新しい価値を吹き込んで情報を伝えることができます。オウンドメディアの運用は、はっきりした答えを出さずに、情報に対して貪欲でおもしろがることができる仕事です」と話していた。

KIRINのnoteにはそれを体現するかのように、さまざまな切り口から商品や商品を取り扱う店、会社で働く人たちのことが紹介されている。オウンドメディアを続けていくためには、特に前半で紹介したような書籍で情報発信するという行為の意義に向き合いつつ、日々いろいろな視点で周囲を観察し、わかりやすく伝えることが大切なのだと改めて感じた。

平山 高敏

キリンホールディングス株式会社 コーポレートコミュニケーション部

Web制作会社、出版社を経て2018年にキリンホールディングスに入社し、デジタルマーケティング部に所属。2019年からは、公式noteの運営、SNSチームの取りまとめを担当。好きな商品は『キリン ラガービール』。

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