キリン、スマイルズ、トライバルメディアハウスから学ぶ 「オウンドメディアの運用のコツ」 | note #等身大の企業広報レポート

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yu-ta(ゆーた)26歳、会社員 PC.スマホ周辺機器やスマート家電など ガジェットを使って スマートな生活を送っています。 このサイトでは管理人おすすめの 最新の便利ガジェット情報や お得に買えるセール情報を中心に 発信しております。
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10月27日に開催された「オウンドメディアカンファレンスセッション2のまとめをお届けします。

登壇者は、キリンホールディングス株式会社の平山高敏さん、株式会社スマイルズの花摘百江さん、株式会社トライバルメディアハウスの亀井大樹さんの3人。

オウンドメディアの「立ち上げ」「運用」「振り返り」の3つのタイミングごとに、気をつけるべきチェックポイントについてお話をうかがいました。まとめたチェックリストは以下ボタンよりダウンロードしていただけますので、ぜひご活用ください。

noteの許諾を得て、Web担で掲載しています。オリジナル記事はこちら →https://note.com/events/n/n36c55748937d

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立ち上げタイミングのチェックポイント

「何を・だれに伝えたいのか」を言語化する

まずは、オウンドメディアを立ち上げるタイミングで必要なことをチェックしましょう。

平山さんは、KIRIN公式noteを立ち上げる際、オウンドメディアを立ち上げてまで伝える必要があるのか、社内に伝えられるだけのコンテンツや熱源があるのかを気にしたといいます。「CMやリリース以外でも伝えたいものがあるかどうかということと、1回こっきりではなく何年も先までコンテンツを出し続けることができるかどうかがポイントです」

平山 高敏さん
キリンホールディングス株式会社 コーポレートコミュニケーション部

亀井さんも「何を目指してオウンドメディアをやるのかは重要」と言います。「オウンドメディアでコンテンツマーケティングをやるといいらしい」などと、オウンドメディアを運営することそのものが目的になってしまうと、うまくいかないでしょう。

花摘さんは、「まず『何を・だれに伝えたいのか』を言語化することが大事」と強調しました。Soup Stock Tokyo公式noteを立ち上げる際も、リアルな店舗がある上で、さらにオンラインで伝えたいことは何かを考えたそう。

オウンドメディアに取り組む目的を明確にするのは大事ですが、その前に「これを伝えたい」という想いがあることが一番大切。その上で、それを伝えるメディアの種類は何がいいのか、ターゲットのいる場所はどこかという議論になるのです。

オウンドメディアの役割は変わっていく

目的の設定はどのようにすればよいのでしょうか。

花摘さんは、「伝えたい相手に合わせて目的設定を変えていく」と言います。「Soup Stock Tokyoの公式noteは、店舗では伝えきれないことを伝えていくのが目的。一方、『Smiles:PROJECT & COMPANY』は、スマイルズのプロジェクトの内容や着眼点をじっくり味わってもらうことを目的としています」

花摘 百江さん
株式会社スマイルズ クリエイティブ本部 広報
兼 スマイルズ生活価値拡充研究所所長 兼 研究員

「オウンドメディアはできることが多いです。実際にやりはじめると、当初の目的以外のところにも、漢方薬のようにじわじわと効いてくることもあります」と亀井さん。

平山さんも、「オウンドメディアの役割は変わっていきます。KIRINのnoteも、もともとは従業員の声を通じてKIRINのビジョンなどを丁寧に伝えていくという目的だったのですが、いまは採用や営業のツールにも役割がひろがっています」と言います。

はじめるときに目的を明確にすることは大切ですが、役割が変わっていくということを頭に入れて、やりながらどこに効くのか探っていくのがいいのかもしれません。

仲間を集めることが大事

「『味方がいるかどうか』は重要。とくに経営に近い方や決裁権のある方が仲間になってくれると、背中を押してもらえると思います」と亀井さん。

平山さんもうなずきながら、「オウンドメディアは成果が出るまでに時間がかかるもの。だから、コンテンツを出すこと自体にワクワクしてくれたり、意義があると思ってくれる方が身近にいることが、続ける上では一番大事かもしれません」と話します。

運用体制をがっちり固めるというよりも、仲間をつくること、集めることが大事。かつ、目的や役割が変わっていくことも含めてオウンドメディアのおもしろさがあるので、読者の反応ありきで変わっていくことをたのしむ前提ではじめるのがいいかもしれません。

花摘さんは、「担当者が”個人的”にやりたいことを自分のなかで持っておくのも大事ですね」と提言。やらなければならないことだけではなく、自分がたのしめるポイントを持っておくと、読者にもワクワク感が届くのではないでしょうか。

運用タイミングのチェックポイント

社外のリアクションを集め、社内にフィードバックする

次に、オウンドメディアを運用するタイミングで必要なことをチェックしてみましょう。

平山さんは「社内と社外両方の認知を獲得することが必要」と言います。

社内と社外の両軸で価値が可視化できないと、オウンドメディアは続けられません。社内に対しては、定量的・定性的な観点から反響を共有するといいでしょう。

亀井さんは「社内外からのリアクションを集めることも大事です。読んだひとにおもしろいと思ってもらえるかどうかが第一義になくてはならないので」と話します。たとえば関連するツイートを拾ってそれを社内にフィードバックするなどして、社内のひとを巻き込んでいくのも重要です。

亀井 大樹さん
株式会社トライバルメディアハウス マーケティングチームリーダー
トライバルメディアハウスのオウンドメディア:https://www.tribalmedia.co.jp/note/

「インタビューなどを通じて社外の方とつながるきっかけになるのもオウンドメディア。せっかくなので社外の方の視点も得たり、共創することで輪が広がっていくのでは」と花摘さん。

たとえば、コンテンツの制作をライターやカメラマンに依頼するという形で関係者を増やしていき、コミュニティとしてゆるやかに育てていくことができるのも、オウンドメディアのいいところです。

KIRIN公式noteでは、記事の制作に協力してくれたライターやカメラマンのクレジットを必ず記載しているほか、クリエイターを紹介する記事も公開しているそう。「社外の方と同心円状でつながって味方をつくっていくのは大事です。そうした関係値が見えるメディアは長続きします」と平山さんは言います。

ネタのストックをつくるには?

オウンドメディアを続ける上では、ネタのストックをつくっておくことが大事です。

平山さんは「はじめにストックはつくっておきますが、それに乗っかって『僕も』『私も』とインナーからネタが集まってくるのが理想です」と語ります。

「社内で『これを言いたかったけれど言えてなかった…!』ということがないかどうかを聞いています。また、ライターさんやカメラマンさんの声を拾うことで、記事の内容がさらに膨らむこともあります」と花摘さん。

一方、亀井さんはtoBの場合について、「toBの場合は、実際にお客様に接している営業の方が一番お客様のことを知っています」と教えてくれました。toBでオウンドメディアをやっている方は、営業担当の方に話を聞きにいってみると、思わぬネタに出会えるかもしれません。

 

振り返りタイミングのチェックポイント

オウンドメディアは資産的側面がある

最後に、振り返りのタイミングでチェックすることを確認しましょう。振り返りというと「目標の数値を達成できたか」に目がいきがちですが、亀井さんは「オウンドメディアはPVなどの数値だけで判断するのが難しい」と言います。

オウンドメディアは、公開してすぐにはPVが伸びなくても、数年後に何かのきっかけで突然記事が読まれることもあります。また、一度つくった記事を営業や採用で二次利用することも可能です。このように資産的な側面があるため、短期間の数字だけで判断するのはもったいないといえます。

花摘さんも、「記事は熟成することもあります。そのときは読まれなくても、いつ読まれるかわからない。先見性がある内容ほど、公開直後には反響が薄くなってしまう場合がある」と話します。

「フェーズによっても、振り返りでチェックすることが変わってくる」と平山さん。KIRIN公式noteを立ち上げたばかりのころは、PVよりもTwitterのシェアやリーチ数を見ていたといいます。

「noteはTwitterと相性がいいので、まずは知ってもらうためにもシェアしてもらうことが大事だと考えていました。シェアされるようなコンテンツは何かなと探りながらつくり続けるうちに、PVが上がってきたんです」(平山さん)

 

ブランドの人格を意識して運営する

花摘さんからは、「振り返りのタイミングでティーパーティをするといいのでは!」というアイデアが飛び出しました。振り返りというと、どうしてもシビアな話になりがち。だからこそ、振り返りのタイミングでメンバーをねぎらうことも大事です。

「振り返りで『もっと数字取らなきゃ』とか『もっと刺さる記事を』という話ばかりしていると、息の苦しいメディアになってしまう気がして。ティーパーティのような場を設けてこれまでの自分たちを労いながら、このオウンドメディアがどんな人格なのか、これからどうやってより良くしていくかということを、ワクワク感を持って話し合うのも大事だと思います」(花摘さん)

亀井さんも花摘さんの言葉を受けて、「ブランドの人格について話し合うのはとてもいいですね。人格を意識した上でメディアをやると、そのメディアがブランドを伝えてくれますから」と続けました。

「一つひとつの記事を読んでもらうためにどうするか」というブラッシュアップはしやすいですが、メディア全体のブラッシュアップをするのは難しいもの。「人格」を意識しながらオウンドメディアを運営すれば、記事のバランスが適切か、届けている内容が目的とずれていないかといったことが確認しやすくなるでしょう。

オウンドメディアには、「こうすれば成功する」というルールはありません。しかし、立ち上げ、運用、振り返りの3つのタイミングでしっかり確認することで、失敗を防ぐことはできます。まずはこの記事を参考に、それぞれのタイミングでチェックするポイントを洗い出すことからはじめてみてはいかがでしょうか。

まとめたチェックリストは以下ボタンよりダウンロードしていただけますので、ぜひご活用ください。

 

登壇者プロフィール

平山 高敏さん
キリンホールディングス株式会社 コーポレートコミュニケーション部

 

広告会社を経て、2012年より昭文社にて『ことりっぷweb』のプロデューサーとしてコンテンツ企画、SNS戦略、コミュニティ戦略など全般を担う。
2018年キリンホールディングス入社。2019年「キリンビール公式note(現KIRIN公式note)」を立ち上げ、オウンドメディアを軸にした企業コミュニケーションの戦略を担う。
Twitter / note 

花摘 百江さん
株式会社スマイルズ クリエイティブ本部 広報 
兼 スマイルズ生活価値拡充研究所所長 兼 研究員

 

2014年、スマイルズ新卒入社。Soup Stock Tokyo店舗勤務を経て採用担当に。人材開発部にて人事制度刷新・インナーブランディングを担当する傍ら、コミュニケーション設計・編集・ライティング・SNSなどを担当。 2019年4月より現職、自社コーポレート/ブランド広報、クライアント企業のプロデュース・ディレクションも担当。複業で音楽レーベル、建築設計事務所などにも携わる。
Twitter

亀井 大樹さん
株式会社トライバルメディアハウス マーケティングチームリーダー

 

ITベンダーのソリューション営業、インターネット広告会社のインサイドセールスを経て2015年にトライバルメディアハウス入社。ソーシャルメディアマーケティング関連サービスの営業担当を務めた後、2018年からマーケティング部門を立ち上げ。現在はチームリーダーを務めながら、全社のマーケティング戦略の立案から実行を担っている。営業機会創出のための営業部門との連携やSFAの運用・改善、自社Webサイトの運用、自社メディアのコンテンツ企画、執筆など。
Twitter / note

聞き手

高越 温子
note 法人マーケティングチーム リーダー

note

 

 

text by 渡邊敏恵

 

 

「note」掲載のオリジナル版はこちら オウンドメディアの立ち上げ、運用、振り返りのタイミングでここをチェック!━━キリン、スマイルズ、トライバルメディアハウスから学ぶ

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