今回のテーマはローカルビジネスにおける「シェルフィー(店舗の棚を撮った写真)」だ。ローカルビジネスでこのシェルフィーを公開する3つの理由と、オススメの掲載場所5つを紹介しよう。
ローカルブランドのオーナーやマーケターにとって、カメラはビジネスに欠かせない重要な資産になっている。スマートフォンの登場初期には、自撮りが流行ったかもしれない。しかしローカルビジネスの観点で言うと、オーナーやスタッフが写真を撮影して、その信頼性や親しみやすさを証明できるのは素晴らしいアイデアだ。
そして、ビジネスの観点から言えば、店舗に何を置いているかを顧客と検索エンジンの両方にアピールする方法として「シェルフィー(shelfie)」が注目されつつあるようだ。
私はここ数年ほど、ローカルビジネスに対して、次のことを強く勧めてきた:
- 特に人気のある商品やサービスを撮影する
- それらの写真をGoogleビジネスプロフィールに追加する
これが「シェルフィー」だ。シェルフィーは商品やサービスだけの写真(いわゆる「物撮り」や「宣材画像」)とは異なる。シェルフィーは商品だけでなく、棚やディスプレイも含めて撮影することで、自社が扱っている商品の充実感や個性を感じてもらえるのだ。
たとえば次の写真を見てほしい。こうした写真がローカルビジネスのGoogleビジネスプロフィールにリストとして掲載されていれば、お客さんは誰が見ても、この店が近所で靴下を買いに行くのに最適な場所だとわかるだろう。
ほかにも、シェルフィーの良い例となる他のお店の写真をいくつか紹介しよう。
ローカルビジネスがシェルフィーを公開するべき理由
ローカルビジネスがシェルフィーを公開すべき理由は、以下の3つだ:
- 画像によって瞬時に潜在顧客へアピールできる
- Googleもシェルフィーを注視している
- サプライチェーンの品薄が続くなかで豊富な在庫をアピールできる
詳しく説明していこう。
まず、潜在顧客は、ローカルビジネスのリスティングカテゴリやビジネスの説明、投稿記事などをあえて読もうとはしないだろう。しかし、自分が探しているものに関する素晴らしい画像を目にすれば、瞬時につながりが生まれる(実際、画像はテキストで理解するより400%速い)。
次に、こうしたシェルフィーから情報を得ているのは、ユーザーだけではなく、Googleも同様だ。ローカルSEOを専門とするマイク・ブルメンタール氏は、Duct Tape Marketingのインタビューで次のように述べている:
プロダクトエキスパート向けのGoogleのウェビナーを聴いていたところ、Googleはシェルフィーと呼ぶものをとても気に入っていた。Googleや消費者がシェルフィーを通じて、それがどのような場所で、どのような商品を扱っているかを明確に把握できるからだ。
「シェルフィー」という言葉を作っていることからわかるように、彼らは明確に注力している。私も、そういう写真が求められていると思う。
Googleは画像の解析を改善し、認識されたクエリの意図と一致させられるようになった。Googleが1つの商品に対して何種類かの画像を用意していることはすでに知られている。たとえば、次に示すスクリーンショットは「engagement rings san francisco(婚約指輪 サンフランシスコ)」を検索したときのものだが、ローカルパック(左側)に表示されている画像に注目してほしい。
クエリを「diamond necklaces san francisco(ダイヤモンド ネックレス サンフランシスコ)」に変更してみると、検索順位1位の店舗の写真が変化する。同じ会社だが、クエリによってまったく別の画像が選ばれているのだ。
Googleのローカルビジネスリスティングの3パック内において、シェルフィー型クエリでこのような表示はまだ見たことがないが、GoogleのCloud Vision APIからわかるのは、1枚の画像に含まれる複数のオブジェクトを区別する能力が非常に高いということだ。
プロダクトエキスパート向けウェビナーを聴いたブルメンタール氏の報告や、Googleの画像解析能力の向上を考慮すると、特に人気のある商品棚の写真を撮ってみることを強く勧めたい。というのも、Googleは今オブジェクト単体の画像を処理しているのと同じようにシェルフィーを処理するようになると予想されるからだ。
最後に、店舗に商品の在庫が豊富にあることを証明するのは、サプライチェーンの品薄が続く2023年には単純に理にかなっている。
ローカルビジネスのシェルフィーを公開するべき5つの場所
ここでは、上質な棚の写真(シェルフィー)をアピールすべき場所を5つ紹介する。
Googleビジネスプロフィール
月に2~3回ほどは、新しいシェルフィーをビジネスリスティングに掲載するメイン写真としてアップロードしよう。一気に公開するよりも、少しずつ長期に公開する方が効果を感じられる。
また、New Merchant Experience(NMX)からリスティングの「Products(商品)」セクションにシェルフィーをアップロードして、商品単体ではなく商品ラインを表示するのもいい。
最後に、Google Updates(旧Google Posts)でシェルフィーを使って、理想の品揃えの幅、深さ、在庫の有無を宣伝する記事を書こう。
Apple マップ
Moz Localのユーザーは、ダッシュボードに最大100枚の写真を追加でき、MozからAppleマップに配信できることを知っておく必要がある。Appleが「Apple Business Connect(ABC)」を開始したことは、同社がローカルに本気で取り組もうとしていることを示すものであり、君もそうすべきだ。
ABCには「Showcase」というGoogle Updatesのような新機能もあり、こちらもシェルフィーをマイクロブログで紹介するのに適した場所だろう。
繰り返すが、リスティングの更新を続けていることを時間をかけて証明するには、少しずつ公開することが最適なアプローチだ。
その他の構造化されたサイテーション
シェルフィーは、写真に対応するローカルビジネスのリスティングに掲載できる。手作業で追加するか、Moz Localに配信を任せよう。
自社のウェブサイト
各拠点(店舗)のランディングページにシェルフィーを追加することで、各店舗に置いている商品を潜在顧客がすぐに把握できるようにしよう。
ソーシャルメディアのプロフィール
次のような最新のシェルフィーを投稿するのに、ソーシャルメディアのプロフィールは最適な場所だ:
- 品薄で入手困難な商品
- ホリデー関連のサービス
- コミュニティに紹介したい新しい商品ライン
幼い頃、さまざまな店できれいに飾られたホリデーシーズンのディスプレイに興奮したのを覚えている。たとえば次に示すようなもので、こうしたものを見ると、少なからず胸が躍った。そして店の棚は、私に近隣の文化について教えてくれた。
地域の文具店のショーウィンドウに飾られたバレンタインのディスプレイ
ハロウィンのとき食料品店の魔女の釜に盛られたコーン型のキャンディ
クリスマスのとき遠く英国から輸入されたキラキラのペーパークラッカー
そして自分のコミュニティの多様性や祝祭の伝統を理解する助けになったものもあった。次のようなものだ:
ユダヤ教の過越の祭りはManischewitz(マニッシュウィッツ)ブランドの特別なマッツァー(発酵させないクラッカー状のパン、マッツォとも言う)やKedem(ケデム)ブランドのぶどうジュース
旧正月は赤い封筒や紙製の提灯飾り
スペインでは、商品を美しく並べることが芸術の域に達しており、人々は日常的に市場の様子を写真に撮るだけでなく、絵に描くことさえある。
今後数か月で確実に達成できる小さな目標がある。
それは、写真に撮って自慢したくなるディスプレイを作ることだ。つまり、ディスプレイの写真が素晴らしければ、顧客もローカルビジネスのリスティングやレビュー、ソーシャルメディアに写真を撮って追加してくれるかもしれない。
ローカル検索マーケティングには、このように楽しい作業もある。それほど手をかけなくても、大きな効果を発揮してくれるのはうれしいことだ!
※このコンテンツはWebサイト「Web担当者Forum - 企業Webサイトとマーケティングの実践情報サイト - SEO・アクセス解析・SNS・UX・CMSなど」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:ローカルSEOの新施策「シェルフィー」。店の棚の写真をうまく使うべき理由とオススメの掲載場所 | Moz - SEOとインバウンドマーケティングの実践情報
Copyright (C) IMPRESS CORPORATION, an Impress Group company. All rights reserved.