読者から寄せられた仕事の悩みをウェブパンが代わって解決するパン! 今回は、「社内でWeb担当者が自分ひとり」という環境に置かれた“ひとりマーケター”のキャリアの悩みを解決するパン!
読者からのお悩みを解決するパン!
読者のお悩み
私はマーケ部署に異動してきて、現在Web担当として1年半ほど働いていますが、今後のキャリアについて悩んでいます。
部署は「Web担当は私一人」「周りも知識がなく自身も独学」「予算は少ない」という状態です。一人担当なのである意味Webでは幅広いジャンルの業務ができていると言えそうですが、ロールモデルや予算がないので井の中の蛙なのでは?と最近では焦っています。
転職を考えているのですが「どこまでWebマーケ業務を突き詰めれば評価してもらいやすいか」「マーケターにとって良い環境の見極め方」を教えてほしいです。(ペンネーム: パゴス)
パゴスさん、お便りありがとうパン! マーケティング支援会社のトライバルメディアハウス 代表取締役社長・池田紀行さんに相談してみるパン!
ウェブパン、いらっしゃい! 私がそのお悩みを解決しましょう!
ひとりWeb担当は成長の大きなチャンス
Web担当が自分ひとりだと、マーケターとして「井の中の蛙」にならないか心配パン……。
その環境は、前向きに捉えることもできます。たったひとりで試行錯誤をしながら成果を出せば、希少な存在になれますよ。
でも、漫然と仕事をしてはいけません。受動的・他律的な人だったら、転職につながる有利な材料もあまり作れないでしょう。
自分の努力次第で、成長機会として活かせるパンね!
転職はどのタイミングでしたらいいと思うパン?
30代以上なら、すぐにでもマーケティングの支援会社側に転職したほうがいいかもしれません。そのほうが最短で専門性が身に付くことも事実です。
でもまだ20代前半なら、あと数年は今の環境にいるのも一つの手だと思いますよ。なぜなら、その環境は貴重だからです。
池田さんの会社に、ひとりWeb担当の出身者が採用面接に来たら、どんなポイントをチェックするパン?
私は「自助努力できるか」を見ます。自分で学べる人なら、1~2年で最低限のWebマーケティングの仕事はできるようになります。というのも、Webマーケティングの仕事はマス施策と違い、施策を始めてからの運用力で差がつくんです。
なので、ただ単にWebマーケティングの業務経験がある方よりも、「自分の頭」で自律的・主体的に考えて創意工夫しながらPDCAを回せる方を採用します。
現にうちでも、元々ひとりでWebマーケティングをやっていた社員が活躍していますよ。
どんな環境でも、創意工夫をして頑張ることが次につながるパンね!
そうです。この世に完璧な会社や完璧な環境なんて存在しないので、文句を言いだしたらキリがないわけです。どんな環境でも「じゃあどうするか?」と自律的に考えないといけません。
転職を見据えて、ひとりWeb担当者がすべきこと
社外でも評価される力を付けるには、どんな風に仕事をして、腕を磨いたらいいパン?
猪突猛進で業務を始めるのではなく、まずは業務の範囲と優先順位、スケジュール、KPIを設定してみましょう。おおまかな流れは次の通りです。
ステップ1要素分解
自社のマーケティング機能を「SNS・検索広告・オウンドメディア…」などに要素分解して、範囲を特定する。
ステップ2 優先順位付け
限られた資源を、各要素にどのような優先順位・スケジュールで配分するか決める。
ステップ3KPI設計
自分でKPIを設計して、上司からの承認を得る。KPIを達成したことが、社内でも転職活動でも成果として認められます。
計画から実行まで、自分でやりきる覚悟が必要パンね!
でもロールモデルがないと、自分のやり方が合っているのか自信が持てないパン……。
ロールモデルは必ずしも社内で見つけないといけない、というわけではないと思いますよ。ネットで探すこともできますし、ひとりマーケター向けの本も売っています。それらを読んで、勇気をもらったり、おおまかな仕事の進め方やスコープを把握したり、自信を持つためにできることはたくさんあります。
転職に向けて、何か取得しておいたほうがいいスキルや資格はあるパン?
私は採用で、専門スキルや資格だけで評価することはあまりないですね。
もちろん専門領域の知識や経験は重要ですが、マーケターの仕事は目的と目標を達成するために、その道のプロを束ねてプロジェクトを成功に導く指揮者としてのスキルもとても重要です。だからリーダーシップや「人たらし力」も意外と重要なんですよ。
ひとりWeb担当者は月10冊の本を読もう
とはいえ、池田さんが大切にする「自助努力」とは、具体的には何をすればいいのかわからないパン……。
そんな方は、まずは本を読むことから始めてみましょう。知識がなければ何も実行できませんから。
たとえば「デジタルマーケティング」に関する本を1か月で10冊ほど読んでみましょう。大事なのは同テーマの本を同時期に10冊併読すること。これだけ読めば、だいたいの本に書いてある共通項=重要なことを正しく把握できます。それさえわかれば、あとは実行あるのみです。
本すら読まないで「何をやったらいいかわかりません」と言う人も少なくないですが、まずは最低限本を読むことから始めてください。
(すぐに本を買いにいかなきゃパン……。)
私は20代の頃、年間100万円分の本を自腹で買って読んでいました。そのおかげでいまの私があります。こんなに自己投資として最高のレバレッジが効く投資先はありません。しかも誰もが平等に、すぐに始められます。
たしかにネット記事やYouTubeにもたくさんの情報はありますが、情報パッケージとしての完成度はやはり本が一番です。
1冊2,000円くらいで、10冊でも2万円程度。私からしたら、プロの英知の結晶がその金額で手に入るのなら“めちゃ安”です。
良い本を選ぶコツは何かあるパン?
とにかく、大量の本を読むことです。すべてにおいて質は量からしか生まれません。大量の本を読めば本の目利き力が上がります。人におすすめの本を聞いているうちは、目利き力がゼロのまま。
それに読書、特にビジネス書は、自分自身の渇望、つまり仕事の課題を解決するために読むものです。自分と他人では課題が違うので、他人のおすすめ本を読んでもあまりピンと来ないでしょう。人からおすすめされた本を読み、「あれ、イマイチだな…」と感じるのは読むべきタイミングが違うからです。人も本も最適なタイミングで出会うからかけがえのない存在になる。タイミングは人それぞれなんです。
何が課題かわからない場合は、とりあえず大型書店に行ってください。ネット書店ではダメです。大型書店に行き、棚の前で大量の本を眺める。そこで目に留まったり思わず手が伸びたりする本が「いまの課題」です。直感に従ってください。
ひとりWeb担当者のキャリアパス
マーケターとして成長するなら、どんな会社に転職した方がいいパン?
スキルを高めるなら、マーケティング支援会社に転職するのがいいと思いますよ。
支援会社にはそれぞれ得意分野があるので、自分がやりたい分野に合わせて会社を選ぶと良いでしょう。「インフルエンサーマーケティングをやりたいならインフルエンサーマーケティングが強い会社に入る」「Web広告をやりたいならWeb広告に強い会社に入る」といったように。
そうすれば狭く深く学べますし、2~3年頑張れば一通りのことはできるようになると思います。
専門知識を身に付けたら、その先はどうキャリアアップすればいいパン?
リーダーやマネージャーなどマネジメント(管理職)としてキャリアアップするもよし、他の支援会社に転職して専門領域をもう1個増やすもよし、専門会社で10年ほど経験を積み事業会社に転職するもよし、です。ちなみに生涯所得を上げるなら、どこかの会社で腰を据えてマネジメント人材になった方が良いですよ。
フリーランスはどう思うパン?
Webマーケティングに関連する仕事、特にライターやデザイナーなどでフリーランスを目指すのはアリだと思います。
一方でフリーランスは、報酬に見合ったアウトプットをすぐに求められる分、スキルの切り売りになりがちです。スキルを換金するのがフリーランスという仕事ですから、それは仕方がありません。しかし忙しく仕事ばかりをしているとアウトプット先行になり、数年で枯れてしまう人も少なくありません。
アウトプットとして換金しながらも、自助努力としてインプットも欠かさない。そんな自律・自責志向で努力ができる人がフリーランスに向いていると思います。
パゴスさん、お悩み解決できたかな?
「Web担当者Forum」では今後も読者のお悩みを解決するために頑張るパン!
※このコンテンツはWebサイト「Web担当者Forum - 企業Webサイトとマーケティングの実践情報サイト - SEO・アクセス解析・SNS・UX・CMSなど」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:ロールモデル不在で不安…。ひとりWeb担当者が実績を作り、転職を成功させるには? | Web担お悩み相談室
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