休日は仕事の視点を持ち込まない。ゴディバのマーケ担当が語る「消費者視点を忘れないための習慣」 | デジマ4つのマイルール

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yu-ta(ゆーた)26歳、会社員 PC.スマホ周辺機器やスマート家電など ガジェットを使って スマートな生活を送っています。 このサイトでは管理人おすすめの 最新の便利ガジェット情報や お得に買えるセール情報を中心に 発信しております。
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「休日も仕事のことを考えてしまう」
仕事が忙しいときや、仕事に情熱を感じているときは、多くの人は休日でも仕事のことを考えてしまうのではないだろうか。特に、BtoCのマーケターは、消費者のニーズを考慮するため休日も仕事モードになりがちだ。

ゴディバ ジャパン株式会社のデジタルマーケティング担当者である今井氏は、以前は休日も他社の製品を試したり、ゴディバの店舗を訪れたりして、常に仕事のことを考えていたという。

しかし、育児休暇を経て、彼女の考え方は大きく変わった。今井氏は「意識的に休日を仕事から切り離し、プライベートな時間を大切にするようになり、より消費者の気持ちが分かるようになった」と語る。そんな今井氏のキャリアや仕事に関する4つのマイルールについて聞いた。

ゴディバ ジャパン株式会社 Customer Experience本部 Digital Transformation Team所属今井里菜氏

「売り場で起きていることが伝わらない」ジレンマを抱えていた営業時代

今井氏の4つのマイルール

ルール1働く人には、それぞれの「正義」がある

今井氏のファーストキャリアは、老舗総合アパレルメーカーのブランド営業だった。数店舗を担当し、販売員のマネジメントを行う。彼女のメンターである先輩は、店舗からの信頼が厚く、仕事に対して非常に情熱的だったという。

先輩は店舗のためであれば、休日を返上して店舗に顔を出し、自身も販売する。『現場が正義』という先輩の情熱に対し、当時の自分なりに感じていた営業としてすべきことの差異を感じ反発してしまったこともあり……今振り返ると、社会人数か月の私が何を知っているんだという話なのですが(今井氏)

一方、今井氏は営業経験を通じて、営業部の発信力の弱さに疑問を感じ、お客様のデータに関心を持ちはじめたのだ。

私は営業担当として、現場から見た店舗の客層や売れ行き、他ブランドの状況などを報告していました。しかし、その意見は商品開発や販促に反映されていないように思えました。

注目されていたのは、アイテムの販売数や在庫数など数値でわかるものでした。ジレンマを感じるようになり、お客様のデータを数値で出せるようにならないかと考えるようになりました(今井氏)

当時は、顧客情報は店舗がそれぞれアナログで保有していたため、全体のデータを集計することが困難だったという。

現場の情報を数値化できれば、もっと納得性の高い販売戦略が立てられるはずなのにと歯がゆく感じていました。年に一度書くキャリアシートに生意気にも、『これからはお客様のデータを分析して販売戦略を練るべき。私はそういうマーケターになりたい』と記入したほどです(今井氏)

実はその頃、会社側もCRMに着手しなければと考えていた。今井氏の意思が上司に伝わり、CRM部署の立ち上げメンバーとして異動することになり、今井氏のマーケターとしてのキャリアがスタートした。

CRM部は自社アプリで取り扱う10のブランドの担当者と週次で打ち合わせを行う。今井氏は新たな部署で自分のやってみたかった仕事をしながら、メンターの先輩を思い出す機会が増えたのだという。

『こんな時、先輩ならどうするかな』と考えるようになりました。CRM部はさまざまな部署や立場の人と調整しながら仕事を進めていきます。新しい部署なので、何を目指しているのか伝えていく必要がありましたが、いろんな人の視点や正義があります。

自分だけの考え方に凝り固まらないように、自分とは違う視点や考え方を持つ人の意見を大切にすることを学んだ機会でした。先輩は個性豊かな店長たちを上手くまとめていたので、今更ながら真似ることも多かったです(今井氏)

Googleポリシーが急な変更! 仕様を変えなくてはリリースできないピンチ

ルール2制約の中で何ができるか。0か100ではない決断

今井氏の勤めていたアパレルメーカーは、コロナ禍のあおりを受け急激に状況が悪化してしまう。転職活動をはじめた今井氏は、公式アプリの立ち上げをリードする人材を求めていたゴディバ ジャパンの求人と出会い、応募して10日というスピードで入社を決断した。何が決め手になったのだろうか。

まだ誰もいない部署で、はじめの1人だという話に興味をもちました。アパレル企業のCRM部署立ち上げは、課長がある程度のレールを敷いていて、完全なゼロからのスタートではありませんでした。よりチャレンジングな経験をしたかった私は、一人でゴディバアプリを作ってみたいと思ったんです(今井氏)

今井氏は入社し、一人でアプリ立ち上げの準備を進めることになった。リリース日も決まり、着々と準備を進めているタイミングで、Googleのポリシーが急に変更になるというハプニングが起きたのだ。ある機能を搭載するなら、アプリの仕様をかなり変えなくてはリリースできない状況だった。

そこで今井氏は、「リリース日に間に合わせるならこの機能の搭載をやめるか、この機能を搭載するならリリース日を遅らせてほしい」と当時の上司に伝えた。しかし、返ってきたのは意外な答えだった。

『この機能を搭載した上で、リリース日も変えない。ネガティブな姿勢は良くない。』と言われたんです。私は機能を削って軌道修正することが近道だと思っていました。でも、上司の言葉を受けて、自分はネガティブなことを言っていたのかと初めて気が付きましたし、制作会社に相談するなど動いてみたら、自分では描けなかった道筋が見えてきました。結果として予定していた日にアプリをリリースできたんです(今井氏)

ゴディバには、「絶対的ではなくても、ある程度確信があるなら、まずはチャレンジしてみる」という考え方がある。アプリの立ち上げ時、リリースができるか100%の確信はなかったが、ベターを尽くしてうまくいった経験が、今井氏にとって大きな気づきになった。

これまでのキャリア

ルール3未来の私のために、考えやアイデアを書き出す

今井氏はよくメモを取るという。気づきや想いを残しておくと、時間が経ってから「あの時こんなことを考えていたのか」と思ったり、現状との差がわかったりするからだ。他には、今後予定しているメルマガのラフ案なども、思いついたらすぐにネタ帳に書き出している。

ゴディバのメルマガは凝っていて、ランディングページのように作りこんでいます。どの商品を載せようか、コピーはどうしようかなど、紙面を作っている感覚です。だから紙に書き出す方がアイデアがわきます。思いついた時にネタ帳に書いておくようにしています。息詰まった時にネタ帳をめくると、過去の私がいい仕事をしてくれています(笑)(今井氏)

忙しさのあまり、「自分が眠っている間に小人が仕事をしてくれたら」と童話のような妄想をしたことはないだろうか。今井氏にとっては過去の自分が、仕事を手伝ってくれる小人のような存在なのかもしれない。

今井氏の仕事のネタ帳

産休に入って、仕事から離れて気付いたこと

ルール4プライベートな時間に、あえて仕事の視点をもちこまない

産休に入る前後で大きく変わったのは、プライベートの時間に仕事の視点をもちこまなくなったことだ。産休に入るまでは、休日に他社製品を食べたり、ゴディバの売り場に行ったりするときは、常に仕事の視点を持っていた。

産休に入って仕事からいったん離れたら、一人の消費者、つまりお客様と同じ視点をもてた気がしました。普通のお客様はリサーチの視点でチョコレートを買わないですし、ずっとゴディバのことを考えているわけではないですから(今井氏)

今井氏は本当に欲しいものを買う購買体験を大事にするようになった。そして、仕事の時間に「私は休日になんでこれを買ったんだろう?」「最初にこの商品を何で見かけたんだろう」と振り返る。

今を生きている人が普段目にするSNSや街中で見かけるものと比べて、自分たちの発信内容やデザインのベクトルがずれていないかを気にするようになりました。その中で『長いメルマガでもコンテンツとして魅力的であれば読まれる』など、マーケティングの一般的なセオリーに囚われず、フラットに評価するようになった気がします(今井氏)

また、今井氏は過去の成功例にこだわりすぎないことも大事にしている。「以前はこれが当たった」と思って同じ施策を打っても、反応が思わしくないことは往々にしてある。

私が産休に入って変わったように、お客様も外的な要因や事情によって、考えが変わっていきます。だからこそ、私が一消費者として『これはいい!』と思ったことを大切にしています(今井氏)

今井氏の4つのマイルール(再掲)
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