帝国データバンクはこのほど、小林製薬の「紅麹」問題の影響についての調査結果を発表した。
厚生労働省が公表した、小林製薬が直接紅麹原料を卸している企業、小林製薬製の紅麹原料が供給された延べ225事業者(企業、重複など含む)から仕入・販売などをした国内企業について、二次販売先までを対象に調査した。
小林製薬製の紅麹原料が供給された225事業者から、直接仕入・販売などの取引関係を有する「一次販売企業」は873社。原料などとして仕入といった取引関係があり、流通・加工を行う「中間流通・製造など(一次仕入加工)」の企業は3878社だった。
また、一次加工企業から商品の仕入・販売などといった取引関係がある「二次仕入・販売企業」は2万8775社に。「一次販売企業」に873社を合計した直接的・間接的に紅麹製品を消費者へ販売・提供している可能性のある取引企業は2万9648社に達した。
これに、一次仕入加工の中間流通・製造等の3878社を加えると、製造・販売を含めた企業の合計は3万3526社。小林製薬から直接紅麹原料を仕入れた225事業者(重複など含む)と合わせると3万3751社にのぼる。国内では最大約3万3000社において小林製薬製の紅麹原料を使用した製品が流通している可能性があるとしている。
一次加工・仕入・販売企業の業種別社数を見ると、一次加工企業では「製造業」が2423社で最も多く、全体の49.6%を占めた。このうち「飲食料品製造」は1778社に上り、製造業全体の約73.4%となっている。
飲食料品製造のうち、納豆などのほか調理パン・弁当などの製造(「その他食料品製造業」)が最も多く267社。塩辛や佃煮、削節などの製造(「その他水産食料品製造業」)が190社、かまぼこなどの「水産練り製品製造」は175社で、水産品に関連する業種が上位を占めた。和菓子など「生菓子製造」の128社のほか、「醤油・アミノ酸製造」の79社や「野菜漬物製造」の71社など、発酵食品に関連する業種も多い。
二次仕入・販売を含めた関連約3万3000社では、食品スーパーなどを含めた「飲食料品小売」が5582社で、全体の16.6%を占めた。「飲食店」の3115社や「飲食料品製造」の1778社など、食料品に関連する業種が上位となっている。
小林製薬は、製造した紅麹原料を他社に販売・供給しており、原料として生産・流通した食品メーカーは商品の回収を急いでいる。小林製薬以外の紅麹原料を用いた製品を製造販売する企業も風評被害を懸念した動きがみられるなど、紅麹製品をめぐり混乱が生じている。
帝国データバンクによると、紅麹は発酵食品の原材料以外に着色料などで使用されることも多く、二次加工・三次加工では使用有無の確認に時間を要すると想定。また、健康被害を生じさせた原因物質の特定にも時間がかかると予想しており、加工食品などの最終製品を含めると、流通先の特定は長期にわたり難航する可能性が高く、販売企業などでは事態の収拾まで対応の長期化が想定されるとしている。
オリジナル記事はこちら:小林製薬「紅麹」の影響、関連製品は全国3.3万社に流通した可能性(2024/04/01)
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オリジナル記事:小林製薬「紅麹」の影響、関連製品は全国3.3万社に流通した可能性
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