みなさん、「振り返り」は好きですか? 私は好きです。あるきっかけから、毎月、業務での取り組みについて振り返りをするようになって、1年が経過しました。振り返りの極意とまではいきませんが、振り返りを行う際のポイントと、振り返りを続けることで得られることを紹介します。
振り返りを始めたきっかけ
弊社STORESでは、半期ごとに目標を設定し、それに沿って評価する仕組みがあります。会社の目標、部門の目標、チームの目標から個人目標を立て、それを達成できるように日々の業務に取り組んでいます。
評価では、半期を振り返り、どれくらい目標が達成できたのかを確認し、上長がそれを評価します。
1年前、この評価の時期に何も思い出せなくて困ったのが、私です。その頃はまだ四半期ごとの目標設定と評価だったのですが、3ヵ月間、何をやっていたのかがまったく思い出せない。半年間の育児休業から復帰した直後という言い訳もできるのですが、あまりにも思い出せない自分にびっくりしました。
このままでは評価のたびに苦しむだけでなく、アピールが足りず、評価を上げることも難しいだろうなと感じました。会社員として由々しき事態です。そこで、毎月の振り返りを始めることにしました。
業務時間を計測し、月次の振り返りを開始
1年前は育休から復帰後で、いかに業務の効率化をしていくかについて悩んでいた時期でした。少し前に読んでいた『内定者への手紙』(北野唯我著)を参考に、タスクを計測するためのスプレッドシートを作成。日々の業務を細分化し、それぞれにどれくらいの時間がかかりそうか見積もり、実際に計測し始めました。
それと同時に、月次での振り返りも開始しました。当初振り返っていた項目は下記です。
- 目標に対する進捗確認
- やったこと
- できなかったこと
- わかったこと
- 次月にやること
- 時間の使い方
時間の使い方は上述の計測をもとに作成しました。ミーティング(MTG)や資料作成にどれくらい時間を使っているのかを集計して、業務の中での割合を出していました。そして、この振り返りのドキュメントは、社内Wikiで公開し、誰でも見える状態にしました。
他の人の振り返りを参考に、自分の振り返りを改善
自分が振り返りを始めると、社内の他のメンバーが書いている毎月の振り返りも気になってたくさん読むようになりました。そこで良いと思った項目を随時自分の振り返りにも反映していきました。
ちょうど弊社では全社の行動指針(バリュー)が策定された時期だったので、振り返りにも行動指針に言及したものを追加しました。前述の振り返りに追加したのは下記の項目です。
- 行動指針に沿った行動ができていたか
- 気になるニュース
「気になるニュース」は、法務の方が業務に関連しそうな法律関連のニュースを毎月の振り返りに書いてあったので真似をしてみました。たしかに、書き留めておくことで役に立ちそうだと感じました。しかし、これが意外と書けないのです。
書けないということは、自分のアンテナ、情報収集力が足りていないということ。それを認識する上でも、この項目は有益です。
「ミーニング・ノート」で振り返りをさらにバージョンアップ
前述の項目で数ヵ月間振り返りを実施していたのですが、もっといい振り返りがあるのでは?と思い始めました。そんな折に出会ったのが『ミーニング・ノート 1日3つ、チャンスを書くと進む道が見えてくる』(山田智恵著)です。
毎日印象に残ったことを3つ書き、それらを意味づけすることで、自分の行動を変えていくことができるというものでした。さっそくやってみたところ、自分の考え方や行動の癖がわかり、どうしたら改善できるのかを考えられるようになりました。
ミーニング・ノートに書いたことを踏まえ、振り返りの項目もアップデートしました。他のメンバーが書いていたものを参考に、自分が書きたいことを追加し、下記になりました。
- 今月の目標進捗
- 注力していたこと・挑戦したこと・頑張ったこと
- 成長・変化・気づき・学び
- 苦しかったこと・困難だったこと
- 翌月の目標と抱負
- 今月やったこと
- 気になるニュース&トピックス
- 今月の福利厚生で買ったもの
- 出社時のお昼ごはん
振り返りを続けてきてわかったこと
さまざまな変遷がありながらも、1年以上振り返りを続けてきました。これまでの振り返りを振り返って、わかったことがあります。
できていないことに向き合い、改善できる
1年以上毎月振り返りをしていますが、振り返りを書かなければいけない月末〜月初の期間はポジティブな気持ちではありません。振り返って気づくのは、「できていない」という事実だからです。
日頃からなんとなく進捗してないという感覚はあるものの、それを認識してテキストにするのは苦しい作業で、思わず目を背けたくなります。が、目を背けずに進捗させるために、振り返りで「できていない」を認識して、どのように取り組むのかを翌月の目標と抱負に入れています。
成長している実感を得られる
毎月の振り返りが評価のときに役に立つのは言うまでもありません。加えて、自分が成長しているのか、できないことができるようになっているのか、それを自分で知ることができるのも振り返りのいい点です。成長実感を得られるとモチベーションも高まります。
上司や周りの人からフィードバックをもらえることもあるかもしれませんが、それだと他力本願ですし、環境に依ってしまいます。上司やチームに左右されず、自分でできるのは大きなメリットです。
また振り返りを公開することで上司への間接的なアピールにもなっています(たぶん)。上司もつぶさに私のことを見ているわけではないですし、かつリモートワークが中心なので、ドキュメントで残しておくことは重要になっていると感じています。
やりたい仕事をできる可能性が増える
振り返りを社内に公開することで、「こんなことをやっている人」「こんなことができる人」という認知を得られていると感じます。他部署の方にも「●●の仕事をやってるんですね。それなら〜」とヒントをもらえることもあります。
振り返りは社内向けの職務経歴書のようなものです。これまでの経験をアピールできるので、やりたい仕事があったときに手を挙げられたり、指名してもらえたりする可能性も大きくなるのではないでしょうか。これはブログやSNSで積極的に発信することで、仕事を得られたり、チャンスが舞い込んできたりすることと似ていますね(自分への戒めです)。
チームでの振り返りもオススメ
個人での振り返りを始めて数ヵ月した頃、チームでの月次の振り返りミーティングも始まりました。
それぞれが学んだことと、KPT(Keep・Problem・Try)を記入、ミーティングではそれを聞いた他メンバーから一言フィードバックをもらう形式で実施しました。
チームで振り返ることで、他の人の学びやKPTが役に立つこともありますし、何より月に1回チームメンバーからフィードバックをもらえることが励みになります。準備やミーティングにかかる時間と得られるものを考えると、効率のいい時間だと感じたので、チームでの振返りはとてもオススメです。
ということで、評価の時期に何も思い出せなくて困っている方にはもちろん、自分は成長しているのだろうかとモヤモヤする方にも、振り返りはとっても有益です!
また、私がやっている振り返りはまだまだ進化できると思うので、「私はこういう風に取り組んでいる」「こういう思考でやっている」などあれば、ぜひ教えていただきたいです!
- えんじぇる/加藤千穂のTwitter(@sweet_chiho)
余談ですが、プライベートの振り返りもやっています。私は今月食べた美味しかったもの、読んだ本、見た映画、イベントなどのできごと、できたこととできなかったことを手帳に書き留めています。これは毎月書くことで「あ〜今月も幸せだったな」と何気ない日常を噛みしめるためにやっています。
年末にはこの毎月の振り返りから、ベスト●●を決めたりしつつ、1年を振り返るのが楽しいです。こちらもオススメです。
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