ひとりで頑張るSEO担当者さんの悩みに答える本連載。今回の質問は「制作会社から全面リニューアルの提案あり。何となく良さそうだけど受けいれるべき?」です。この回答は「課題になっている部分の特定と、その改善と検証を優先しましょう」です。
全面リニューアルは、やむを得ないときだけにすべき
今回の質問は「知らないウェブ制作会社から全面リニューアルの提案がありました。何となく良さそうだけど受けいれるべき?」というものです。すでに社長は乗り気になっているものの、現場としては予算をつけてほしいことは他にいくらでもある、という状況はよくありますよね。
結論から言うと、何としてでも社長を説得し、全面リニューアルは回避した方がいいです。全面リニューアルを実施するのは、何らかの避けられない事情でCMS(Contents Management System)やカートシステムを入れ替える場合のように、やむを得ないときだけにすべきだからです。以下、理由をお伝えします。
ウェブサイトは改善と検証が基本
ウェブ解析やサーチコンソール、またはMicrosoft Clarity(クラリティ)のようなヒートマップツールなどを見ていると、または実際のお客さまからいただいた問い合わせなどに答えていると、現状のウェブサイトが抱えている問題はいくらでも見つかるものです。それらをひとつひとつ改善し、検証していくことを優先しましょう。
全面リニューアルを実施してしまえば、これまで繰り返してきた改善と検証の結果に連続性がなくなり、課題を発見するところからやり直すことになります。現状がどこから手をつければいいかわからないほどひどい状態でもない限り、または何らかの事情でCMSやカートシステムを入れ替えざるを得なくなったような場合でもない限り、全面リニューアルは悪手です。
ウェブ制作会社には改善提案をもらおう
プロフェッショナルなウェブ制作会社なら、依頼すれば改善提案がもらえるはずです。例えば、以下のように項目を細分化して、どこにどんな課題がありそうか、またはどこにどんな改善ができそうかを提案してもらうわけです。なお、これは具体性や内容によって有料になることも考えられますが、外部のプロの視点を借りるのですから当然です。
- キービジュアル
- メインコピー
- ボディーコピー
- レイアウト(ページ内の要素の並び順)
- ボタンなどパーツのデザイン
- 文字サイズや書体や行間などタイポグラフィー
- カラーパレット
- ナビゲーション
- コアウェブバイタル
欲しい提案は、例えば「商品ページのキービジュアルとメインコピーが弱いのでもっとメリットを打ち出す(またはイメージを打ち出す)ようにする」ですとか、または「サービス案内ページの各要素の並び順を変更し、もっと説得的に(またはもっと共感的に)なるようにする」などのようなことです。スクロール深度をどれくらい改善するとか、バックボタンクリックをどれだけ減らすなどといった、具体的な数値目標があればなおいいです。
改善提案の内容が魅力的なら、実装を依頼するのもよいでしょう。そして実際の数値を見て、何がどれだけ改善したか、または改善しなかったかを検証します。もし結果として数値の改善が満足できるものではなかったとしても、その経験から得るものには大きな価値があり、まったくの無駄にはなりません。
まとめ
ほとんどのサイトがCMSを利用してモバイルファーストで作られている現在、全面リニューアルの必要性はほとんどありません。先に挙げた各項目の見直しだけでも、無限に改善や学習のチャンスがあり、やればやるほど成果を伸ばしていけるものです。外部のウェブ制作会社の協力を得る場合でも、現状をベースに改善を進めていく方向で提案をもらうようにすることで、その能力を引き出すことができるでしょう。
P.S.
本コーナーでは、読者の質問にお答えしています。判断に迷うこと、現場で感じるふとした疑問など、どしどし質問をお寄せくださいね。
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オリジナル記事:全面リニューアルの提案を受けいれるべき? まずは細かな改善と検証を | ひとりSEO担当者の疑問に答えます
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