ひとりで頑張るSEO担当者さんの悩みに答える本連載。今回の質問は「社内のノウハウを記事化して公開したい。社内を説得する方法は?」です。この回答は「ノウハウ公開が信頼獲得につながることを強く訴えましょう」です。
信頼獲得のための情報提供を!
今回の相談内容は、社内のノウハウを記事化して公開することで、検索流入や知名度を向上させたいが、そのために社内をどう説得すればいいか、というものです。今回の質問はペンネーム「igs」さんが寄せてくださいました。いつもありがとうございます。
おっしゃる社内のノウハウの希少性や秘密性がどの程度のものなのかがわからないので、一般論での回答になります。結論としては、「買い手側との情報の非対称性を解消することによる信頼の獲得」が鍵になるものと思います。
売り手の知識よりも買い手の知識が少ない状態での取引は、買い手側に疑念や不信感をつのらせます。買い手側へのノウハウの提供はそうした状態を減衰させ、信頼の獲得につながります。信頼できる売り手であると市場から認識されたければ、情報提供は欠かせません。おっしゃる検索流入の増大や知名度の向上は、信頼獲得のための情報提供の副次的な効果です。
社内を説得する方法は?
質問者の「igs」さんは、社内から「記事にして公開するよりも、そのまま私たちのサービスを利用してもらった方がよいのではないか」と反論されるだろうと懸念されています。ありそうな反論ですね。この反論への対応は、次の2つの観点から考えるとよいでしょう。
競合他社の情報提供の状況 — もし競合他社が積極的なノウハウ提供を実施しているなら、その競合他社が買い手からの信頼を独占してしまうため、すぐにでも追随する必要があるでしょう。すぐに追随しても二番煎じの感は否めないため、ノウハウの質と量の両面で追い越す目標を立てる必要があるかもしれません。
ノウハウの実行の難易度 — ノウハウを入手した買い手が自分で実行する場合の難易度が高いなら、ノウハウを秘匿する理由はありません。どんどん公開して信頼を得る方が得策です。難易度が低い場合なら、ノウハウを提供して情報の非対称性を解消した上で選んでもらえる工夫をするのがおすすめです。
競合他社やその他のサイトがすでに発信している、またはこれから発信する可能性のあるノウハウを秘匿しても、まったく意味がないどころかマイナスです。買い手側としては、他でノウハウを取得できるのであれば他に行くだけですし、御社が保有するノウハウの質や量に対する疑念をもつ可能性もあるからです。社内でこのように説明すれば、ノウハウの発信に前向きになってもらえるでしょう。
まとめ
「業務を遂行するうえで知り得た顧客の秘密」のように公開できない情報はありますし、こうした情報は完全に秘匿することで信頼を得られます。一方、それ以外のほとんどのノウハウは、公開すればするほど信頼が得られます。
買い手との間の情報の非対称性を解消し、正直にサービスを提供することで信頼が得られ、営業活動にもプラスの影響が出ます。もちろんもっと直接的に、検索流入の増大や知名度の向上も狙えます。うまく社内を説得してみてください。
P.S.
本コーナーでは、読者の質問にお答えしています。誰にも聞けずに困っていること、現場で感じるふとした疑問など、どしどし質問をお寄せください。
※このコンテンツはWebサイト「Web担当者Forum - 企業Webサイトとマーケティングの実践情報サイト - SEO・アクセス解析・SNS・UX・CMSなど」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:社内のノウハウを記事化して公開したい。社内を説得する方法は? | ひとりSEO担当者の疑問に答えます
Copyright (C) IMPRESS CORPORATION, an Impress Group company. All rights reserved.