この記事は、前後編の2回に分けてお届けしている。18の最新トレンドのうち10個を紹介した前回に引き続き、後編となる次回は、残る8個のトレンドを見ていこう。→まず前編を読んでおく
今回取りあげているGoogleローカル検索の最新トレンドは次の18件だ:
- Googleビジネスプロフィール機能の廃止と、代替機能の可能性
- チャットとメッセージの終了
- 通話履歴機能の終了
- レビュー関連のニュース
- Local Services AdsからGoogleビジネスプロフィールへレビューを切り替え
- レビューの要約
- レビュー機能のレイアウト刷新
- Googleビジネスプロフィールとマップの変更
- 競合他社の情報が表示される新しい機能
- 米国におけるEU式のカルーセル
- 「QRコードは死んだ」などと誰が言ったのか
- 新しいアクセシビリティアイコン
- オーナーの特定
- Googleビジネスプロフィールとマップの変更(続き)
- Googleビジネスプロフィール確認用の動画
- Googleビジネスプロフィールの「AIによる概要」
- SERP表示
- リスティング5件(または4件)の表示
- 常に、すべてローカル
- Googleマップのスパム
- 史上最悪のスパム手法の1つ
- その他のローカル関連
- Appleマップ上でリスティングが「閉業」と表示される可能性がある理由
- プライバシーの向上
- それから、グーグルの流出文書について
Googleビジネスプロフィールとマップの変更(続き)
11. Googleビジネスプロフィール確認用の動画
エイミー・トーマン氏は、Googleビジネスプロフィールのオーナー確認に必要な動画という面倒な作業について、グーグルがこれを支援するコンテンツを公開していることを教えてくれた。
確認用の動画撮影は、聖人並みの忍耐力が試されるようなプロセスであり、これらの新しいチュートリアル動画はかなり役立つと思えるかもしれない。
グーグルの名誉のために言っておくと、こうした厳格な確認プログラムを採用しているのも、スパムのようなリスティングを減らすためであるのは明らかだ。しかし、その手順をまとめるのは依然として難しい。
12. Googleビジネスプロフィールの「AIによる概要」
四半期が終わろうとするなか、Googleビジネスプロフィールに「人工知能(AI)による概要」が表示されたことをいち早く報告してくれたホーキンス氏に改めて感謝したい。この場所は、これまでビジネスの概要が表示されていたスペースだ。これは間違いなく、ローカルビジネスにとって問題となる。
この機能のリリースについて私が最初に目にしたスレッドにも、マット・デイ氏による次のような見解が含まれていた。
Local SEO Proも次のようにコメントしている。
何度でも思い出してほしいのだが、Googleビジネスプロフィールの目的は君のビジネスの情報を正しく伝えることだ。しかし、Googleビジネスプロフィールはグーグルが所有するサービスであるため、グーグルは好きな情報を自由に表示できる。
ローカルビジネス情報の説明として生成AIを使うアプローチに関する不満は、その多くが至極もっともであり、実際のビジネスリスティングにAIで生成された情報が表示されるのは確かに懸念を招く。こうした懸念は、グーグルの奇妙なアプローチを受けたものだ。
これまでは常にビジネスの説明欄を用意し、事業内容について当然ながら一番よく知っているオーナーが入力できるようにしてきた。しかし、この欄の扱いはここ何年かの間に変化してきた。以前は目立つように表示されていたのが、その後はそもそも表示されなくなったり、多くのリスティングで下部に追いやられたりしていた。
そうこうしているうちに、グーグルは非常に目立つビジネス概要欄を用意したが、その経緯と管理は透明性に欠ける。企業はしばしばこの概要が自社のビジネスの核心部分を表していないと感じ、変更してもらうために面倒な手続きを踏まなければならなかった。
このほど「AIによる概要」が公開されたが、実際のビジネスリスティングでは、潜在顧客に「ピザからチーズが落ちないように接着剤でくっつける」ことや「腎臓結石を輩出するには体液を飲む」ことなどを教えるおそれがある。グーグルによるこうしたAI機能の大部分と同様、一般ユーザーはこれらの機能を求めているわけではなく、オーソリティのある一次情報に意味のある改善が施されたわけでもない。
とはいえ、主要なオンラインプラットフォーム各社はこの問題のある技術の実験を自主的に続けているため、すべてのローカルビジネスオーナーは今後数か月にわたり、こうしたテストが数多く表示される事態に備える必要がある。
SERP表示
13. リスティング5件(または4件)の表示
リスティングが4つ以上含まれるパックを見つけた人がいても、私は喜び過ぎないようにしている。とても便利だった10パックをグーグルが廃止してしまって以降、まだ完全には立ち直れていないからだ。ホーキンス氏が5パックを発見したのは6月初めだ。グーグルはこの表示を常にテストしているが、個人的にはそのまま続けてほしいと思っている。
私が最も気に入っていたのは、10パック(電話番号やウェブサイトへのリンクといった詳細な情報を含むリスティングが10件並ぶ表示)だ。それ以降に表示されたパックのなかで、ユーザーがこれほど満足できたものはなかったと思う。
一方、マイク・ブルメンタル氏は以下の不思議な新機能を発見し、これを「クアッドパック」と呼ぶことを提案している。
このレイアウトは商品のグリッド表示に似ているが、ローカルパックの下にさらに4件のビジネスがリスト表示されている。これを見たことがある人はいるだろうか? あるという人は、ブルメンタル氏にXで教えてあげるといいかもしれない。
14. 常に、すべてローカル
これらの結果を動画にしてみた。他にも、記事で例を挙げている。
最上部に広告があり、すぐ下に「店舗(Stores)」、そしてローカル結果がたっぷりあり、少しのオーガニック検索結果をはさんで、さらにローカル検索結果が並んでいる。
グーグルは「周辺の情報を検索したユーザーがローカル情報を求めている」と理解しているのが、よくわかる。
5パックが3パックの改良版なら、周辺の情報を探しているクエリに対してSERPがほぼ100%ローカル情報の場合はどうだろうか。Near Mediaが発見したこの豪快なモバイル検索結果のテストについて、詳細な記事をチェックしてみてほしい。
実際、グーグルがこの表示に切り替えたらどうだろうか。ローカルビジネスの経済にどのような影響を与えるだろう?
Googleマップのスパム
15. 史上最悪のスパム手法の1つ
4月、Sterling Skyのチームは、スパマーがマップ上の企業のピンを本来の位置から同業他社が集まっている場所に移動するという、この卑劣な事例を報告した。Mozの読者であればご存知のように、類似のビジネスと住所やカテゴリが近いリスティングはフィルタリングで除外されてしまうことがあり、このスパム手法は特に忌み嫌われている。
これが1回限りのケースだったと報告できればよかったのだが、ホーキンス氏はこの手法を何度も取り上げている。
今でも、こんな馬鹿げた話をたくさん耳にする:
僕が話したマッサージセラピストの女性は、自分のピンが別の州に移動されたことに気づいたが、元の位置に戻したところ、プロフィールが停止された。
彼女は停止措置の再審査を求めたが、グーグルは当該プロフィールに「他者を欺く虚偽の内容」が含まれていたとして再審査を却下した。
グーグルはこれをきちんと修正する必要がある。
この投稿によると、「おかしな位置に動いてしまったピンを正しい位置に戻しただけで、リスティングが停止される可能性がある」ということだ。ピンの位置を自分で戻すといけないのならば、どうしたらいいのだろうか。対処法として、ティム・カッパー氏が有益なヒントを教えてくれている。
つまり、だれかにマップ上のピンを動かされた場合でも、自分で元に戻そうとしてはならない。家族や友人、あるいはビジネスとは関係のない他の人のアカウントで、リスティング情報の修正を提案しよう。
この対処法を別にすれば、私はホーキンス氏と同じ意見だ。実在するローカルビジネスのデータに対してオープンソースのアプローチが採られているために二次的被害を受けるのは容認できることではなく、グーグルはこれを修正する必要がある。この有害なスパム手法に関する詳細は、ダレン・ショウ氏のこの短い動画を見てほしい。
その他のローカル関連
16. Appleマップ上でリスティングが「閉業」と表示される可能性がある理由
Appleマップ上でビジネスが「閉業」と表示される理由について、Apple Business Connectのサポートから、私には初耳の情報。
(このApple Business Connectからのメールでは、住所と営業時間が抜けているためにユーザーのビジネスリスティングが閉業にされたことを伝えている)
Apple Business Connectサポートからのこのメールを共有してくれたエリザベス・ルール氏に心から感謝したい。このメールでは「住所と営業時間の情報が抜けていたためにリスティングが閉業扱いされた」ことについて説明している。
多くのローカルSEO担当者は、ローカルへの投資でアップルがグーグルに対抗することを期待しているが、多くのビジネスオーナーはグーグル以外にもう1つのローカル世界が存在することさえ認識していないというのが私の印象だ。Appleマップの詳細なリスティング作成を先延ばしにしている人は、Moz Localをチェックし、詳細情報が素早く簡単に表示されるようにすることで、閉業と表示されるリスクを回避しよう。
17. プライバシーの向上
グーグルはこれまで、ユーザーのプライベートな位置情報データをクラウドに保存していたが、2024年末より、ユーザー自身のデバイスに保存するようになる。
グーグルが実施するこの大きな変更の詳細については、The Vergeの記事に目を通してほしい。
The Vergeの記事では、この変更により失われる機能(タイムラインなど)について掘り下げ、それを回避するためのヒントを紹介している。私たちは皆、この変更が12月に実施されることを思い起こし、検索体験や検索行動に及ぼす影響(ある場合)を考える必要がある。
18. それから、グーグルの流出文書について
グーグルの流出文書について、私はこの記事の冒頭で簡単に触れた。ローカルSEOの観点から、さらに詳しい解説を聞きたい人は、次の素晴らしい対談2つをチェックしてみてほしい:
Sterling Sky提供 ―― グーグルのアルゴリズム文書流出が発覚: ランド・フィッシュキン氏とマイク・キング氏による考察をライブ配信
Near Media提供 ―― ランド・フィッシュキン氏インタビュー: グーグル検索に関する文書流出の重要性
流出がこれほど多くの憶測を呼んだだけでなく、「進行中のAI導入の失敗から注意をそらすために意図的に公開された」という陰謀論にまで発展したことを思うと興味深い。このような事態について、個人的には相反する感情を抱いている。
一方で、私はプライバシーを心から尊重しており、自分のミスで流出させてしまったエンジニアに心から同情する。これが自分の過失だったらどれほど恐ろしいか容易に想像できるが、最近では私もヒューマンエラーは起こり得るものとして肯定的に捉えているし、グーグルがこの事故を大目に見てくれることを願っている。
もう一方で、私は何十年も前から、自社の運用がグーグルの意向に振り回されているように感じているローカルブランドに同情を禁じ得ない。グーグルがブランドの評判や売上高に与える影響は甚大だ。
今回の文書流出に対する反応は、社会経済学の研究対象として価値がある。というのも、私たちの多くが、プライベートでも仕事でも大きな影響を受ける、この実体のつかみにくい存在について、いかに必死になって理解を深めようとしているかが明らかになったからだ。ウェブの透明性が高まれば歓迎されるだろう。
第2四半期のローカル検索については以上だ。また秋にはこのシリーズをお届けするので、待っていてほしい。
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オリジナル記事:ローカルSEOの凶悪スパム手法・GBPの「AIによる概要」など Googleローカル検索 最新18トレンドまとめ【後編】 | Moz - SEOとインバウンドマーケティングの実践情報
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