効率化の罠!B2Bマーケティングにおける「面倒なこと」の本当の価値 | [マーケターコラム] Half Empty? Half Full?

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yu-ta(ゆーた)26歳、会社員 PC.スマホ周辺機器やスマート家電など ガジェットを使って スマートな生活を送っています。 このサイトでは管理人おすすめの 最新の便利ガジェット情報や お得に買えるセール情報を中心に 発信しております。
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みなさん、こんにちは。
予実管理のスタートアップでマーケティングに関わる瀬川(@motoy0shi)です。

先日、とあるDX系の展示会に行ってきました。驚いたのは、少し前までの展示会と異なり、生成AIを使った効率化を謳うサービスを紹介するブースが溢れていたことです。

業務効率化による生産性の向上は、もはや社会課題とも言えます。B2Bマーケティングの世界も例外ではありません。いかに効率よく成果を出すかが重要視され、効率性を上げるサービスが数多く登場しています。

一方で危惧しているのは、効率化という大義名分のもと、本来効率化すべきでないことまで効率化してしまう、「効率化の罠」にハマりやすくなっているのではないかということです。

そしてそういった中で、逆に、一見避けられがちな「面倒なこと」の価値がより増しているのではないでしょうか

そこで今回の記事では、B2Bマーケティングにおける効率化の罠と、面倒なことの本当の価値について考えてみたいと思います。マーケティングに携わる方は、ぜひお読みください。

LP制作での失敗を通して気づいたこと

以前、私が自社サービスの問い合わせを獲得するために、LP(ランディングページ)を作成したときのことです。

当時の私は「できるだけ早くLPを作って結果を出さなければ……」と焦っていました。そこで、サービス理解については営業資料をざっと読み、よくありそうな訴求パターンをまとめて、LPに落とし込んでいきました。

いざLPを公開し、広告を使って集客を始めたところ、どうなったと思いますか?

ご想像のとおり、数十万円を使ったにもかかわらず、まったくコンバージョンが獲得できなかったのです。結果として、一生懸命作ったLPはボツとなってしまいました。

その後、しばらく経って、お客様の何名かにインタビューする機会を得ました。インタビューをする中で、ふと気づいたことがありました。それは「自分が考えていたお客様の悩みがいかに表面的であったか」でした。

インタビューはたった1時間弱でしたが、お客様の悩みがとてもリアルに感じられるようになり、どのような言葉を使えばお客様が興味を持ってくださるか、クリアになったのです。

そして改めてLPを作り直してみたところ、以前とはまったく異なり、離脱率が大幅に改善されて、コンバージョンも取れるようになりました。

行き過ぎた効率化がかえって遠回りになる? 効率化の罠

この体験を通して気づいたのは、間違った“効率化”は逆に成果を遠ざけてしまうことでした。

本来ならLP制作においては、コピーやデザインを考える前に、お客様について深く理解することが不可欠です。

なぜなら、お客様がどんな人で、どんな課題を抱えていて、どんなインサイトを持っているかを正しく理解できなければ、お客様にどういったメッセージを届ければよいかが定まらないからです。お客様に響くメッセージが作れなければ、当然成果も望めません。

 

しかし、私の場合、早く成果を出したいからと、そういった顧客理解のプロセスを適当に済ませて、LPの完成を優先させてしまいました。それゆえ成果も得られなかったのです。

効率化そのものは悪いことではありません。しかし、本当は効率化すべきでないことを効率化という名目で削ってしまうと、罠にはまってしまうのです。

「面倒なこと」の本質的な価値

ここからは、効率化の対極にある「面倒なこと」の価値について考えてみましょう。

ほとんどの人は、面倒なことを嫌がります。しかし、ときには「面倒なこと」が大きな価値を持つと考えています。

では、なぜ「面倒なこと」が価値を持つのでしょうか。その理由は、当たり前かもしれませんが、誰もやりたがらないので、差が付くからです。

 

面倒なことは、大きく4つの問題で実行のハードルが高くなります。

  1. 知識やスキルの問題
  2. 人的リソースの問題
  3. 費用の問題
  4. 時間の問題

1つの問題でも大変なのに、複数の問題が組み合わされると、たちまちハードルは高くなります。

ただ自社にとってハードルが高いということは、他社にとってもハードルが高いはずです。そのハードルを越えられれば、そのまま競合優位性となりうるのです。

一方で自社にとって取り組みやすいことは、他社にとっても取り組みやすく、同質化されてしまう可能性が高いです。

たとえば、検索連動型広告が良い例です。今から15年ほど前、検索連動型広告はまだ黎明期で、運用に専門知識が必要だったため、出稿するハードルは非常に高い状態でした。それゆえ出稿できた企業は、大きな利益を手にすることができました。

しかし、今はAIの進化もあって、ほとんど知識がなくても広告を出稿することが可能になりました。まさに面倒なことではなくなったのです。誰でもできるということは、すなわち、広告出稿自体で競合優位性を出しづらくなっているのです。

では、現在はどういった点で差が付くかといえば、広告の訴求内容です。どういった人が、どういうシチュエーションで、どういったことを考えてこのキーワードを調べているのか。顧客の理解がより重要になっています。

顧客理解を深めるためには、実際に顧客から話を聞いたり、定量調査をしたりといった面倒な作業が不可欠です。まさに面倒なことが価値を生むようになっているのです。

面倒なことから逃げない

私自身、B2Bマーケティングに携わっていて思うのは、本当に成果を出すためには「泥臭くて面倒なことを積極的にやらなくてはいけない」ということです。

効率化だけをしたいなら、費用対効果が見えやすいWeb広告だけやればよいでしょう。しかし、そういったわかりやすく効果が出る施策だけだと、先細りになってしまい、短期的にはよくても、中長期的には大きな成果は得られません。

だからこそ、あえて一見効率が悪そうな、面倒なことにも取り組まなくてはいけません。たとえば、以下のようなことです。

  • 顧客にデプスインタビューをする
  • 営業の商談に同席する
  • 市場調査をして、課題を把握する
  • SEOのための記事をコツコツ制作する
  • 展示会へに出展する
  • ウェビナーやイベントを実施する

お恥ずかしい話ですが、かつての私は、Web集客こそが最強の集客方法だと感じていました。しかし、現職で展示会に出展するようになってから、その認識が変わりました。

展示会は、準備や運営にとても手間がかかり面倒なのですが、そのインパクトは想像以上に大きかったからです。Webではとうてい出会えなさそうな会社の方と接触できたり、たった数日でかなりの数の見込み顧客を獲得できたりしています。

こういった面倒なことを通して、得られる成果はかなり多くあります。そしてその成果は他社との差別化となり、中長期的な価値を創造してくれるのです。

ときには「効率化したい」「楽をしたい」という誘惑に駆られるでしょう。しかし、面倒なことから逃げないことが、仕事の成果にも、自分自身の成長にもつながるのではないかと思っています。

おわりに

この記事では、効率化の罠と面倒なことの本当の価値について紹介しました。

業務の無駄を省いていくという意味での効率化は、非常に重要な考えです。逆に、「面倒なこと」にリソースを費やしすぎると、いくら時間やお金があっても足りません。

マーケターとしては、事業成果を見据えて、この効率化と面倒なことのバランスをうまく取ることが重要なのではないでしょうか。

まずはぜひ小さくてもいいので「面倒なこと」に取り組んでみてください。その小さなアクションが、次の道を開いてくれるかもしれません。

この記事に関連して、みなさまの経験や成功、失敗談などあれば、ぜひX(旧Twitter)でお聞かせください。最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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