SNS炎上の理由は、モラル・リテラシーの欠如や思想、差別など様々ありますが、事前に防げるものもあります。防げる炎上のひとつが「投稿ミス」に関するもの。
投稿前にチェックしていれば防げたような些細な投稿ミスからSNS炎上してしまった事例も多く、企業アカウントの場合は特に気をつけたい部分です。
この記事では、企業が気をつけたい炎上パターンの中から、よくある投稿ミスを炎上事例とともに解説します。
誤字脱字・日付の間違いによる投稿ミスや、投稿による炎上リスクを最小限に抑えるためのチェックリストを作成しました。ぜひダウンロードしてご活用ください。
>>投稿ミスからの炎上を未然に防ぐ!投稿チェックリストはこちら
企業が気をつけたい炎上パターン
炎上とは、好意的ではない内容がインターネット上で拡散されること。
SNSの特徴として、拡散性が挙げられます。TwitterのRT(リツイート)、Facebookのシェアといった形で情報が拡散されていくのがSNSの強みです。ポジティブな情報が拡散されていくことが好ましいですが、時にネガティブな内容が拡散されてしまうことも。SNSでの情報収集が盛んに行われる昨今では、炎上が原因で株価の急落や製品の不買活動が行われるといった企業活動へも影響を与えるようになりました。
まずは、SNSエキスパート協会がまとめた、企業が気をつけたい炎上パターンを確認しておきましょう。
■企業が炎上するパターン
未然に防げる炎上 | 防げない炎上 | |
企業 | 公式アカウントの誤投稿(誤爆) | 不祥事、商品/サービスの欠陥など |
公式アカウントの不謹慎な内容や モラル・リテラシーに欠ける内容の投稿 | ||
センシティブ(デリケート)なテーマを扱った広告/宣伝 ※SNS外含む | ||
従業員 | 公序良俗に反する投稿 | |
機密情報や他人の個人情報の投稿 | ||
第三者 |
| デマ・フェイクニュース |
誤解・憶測・悪意の拡散 |
企業が炎上するパターンには、「未然に防げる炎上」と「防げない炎上」があります。
「未然に防げる炎上」とは、事前にリスクマネジメント教育を行うことが出来る従業員に関連する投稿や、公式アカウントの誤投稿や不謹慎な内容の投稿などが挙げられます。SNS外の不祥事や第三者による拡散などの巻き込まれ炎上では、防ぐことが難しいものですが、事前に炎上しやすい事柄や誤投稿を学んでおくことでリスクを最小限に抑えることができます。
参考:「防げる炎上」はある! 炎上を未然に防ぎたいときの行動指針&チェックリスト(前編)
参考:リスクマネジメント検定
■よくある誤投稿のパターン
この記事では、「未然に防げる炎上」の中から、誤投稿・投稿ミスに関わる内容をピックアップし、投稿前チェックリストとしてまとめています。よくある誤投稿・投稿ミスのパターンは大きく5つ。
- アカウント選択のミス
- 画像・動画・リンクの選択ミス
- 不適切な投稿内容・誤字脱字
- 返信に関するミス
- 投稿タイミングのミス
ミスを防ぐために起こりやすいミスを学び、ミスを減らすための対応策を考えていきましょう。人為的なミスを減らすために、ツール(コムニコ マーケティングスイート)を使った対応策についても解説しています。
1.アカウント選択のミス
SNSの企業利用が始まった当初から、投稿するアカウントを間違えてしまうミスはよくありました。中でも多いミスが、自分の個人アカウントと公式アカウントを間違えてしまい、公式アカウントで不適切な内容を投稿してしまうというもの。特にTwitterでアカウントを間違えて投稿しやすい傾向があり「誤爆」というネットスラング(ネット用語)でも知られています。
過去には、アウトドア用品ブランドが政権への批判をする誤投稿行い、その日のうちに投稿を削除。「担当者の個人的な見解であり、会社とは関係ない」として謝罪した事例がありました。
もちろん、アカウント選択によるミスはTwitter以外のSNSでも起こる可能性があります。
Facebookでは、複数のFacebookページを運用している人が、別のFacebookページで投稿してしまうミスも考えられます。Instagramでは投稿のほか、DMのやりとりでもアカウント選択に注意したいところです。
解決策
- 企業のSNS投稿は担当者一人で行わなず、ダブルチェックを必須とする
- 投稿前にログイン中のアカウントを確認してから投稿する
- アカウントを確認したあとは必ずログアウトする
- 複数のアカウントを管理できるツールを導入して承認フローを使う
誤投稿を防ぐために一番大切なことは、担当者一人で行わないこと。
ログイン中のアカウントを確認して投稿する場合は、アカウントを声に出して読み上げるのもいいでしょう。
複数アカウントを扱う場合はツールを導入することも検討しましょう。承認フローを経て投稿予約を行うことができる「コムニコ マーケティングスイート」などを使うと、アカウント選択による誤投稿を防ぐことができます。
2.画像・動画・リンクの選択のミス
SNS投稿では自社の商品やサービス、オウンドメディアの記事をシェアすることが多いと思います。その際に多いのが、画像・動画やリンク選択のミス。
過去には、ウォーターマークが入ったままの仮画像で投稿してしまい、炎上してしまった企業投稿がありました。ウォーターマークとは、ストックフォトや画像素材サイト(レンポジ)のサンプル画像や動画に使われることが多い電子的な透かしのことです。この炎上事例では、有料で画像を購入せずサンプル画像のまま使用するためにウォーターマークの上に文字を配置したことでユーザーが違和感に気づき、「意図的な著作権侵害である」としてSNSを中心に批判の声が集まりました。
画像や動画の場合は、投稿先SNSの推奨サイズになっているかどうかも事前に確認しておきましょう。サイズが大きい場合は自動トリミングされ、サムネイル表示で会社名などの見せたい情報が隠れてしまうこともあります。
リンク投稿では、リンク先のコピー&ペーストミスに気をつけたいところです。不適切な遷移先を設定してしまったり、OGP(Open Graph Protocol:タイトル、画像、ディスクリプションのHTMLデータ)が反映されていなかったりすると、炎上とまではいかないにせよ、投稿効果が薄い投稿となってしまいます。
解決策
- 非公開のアカウントを作成し、テスト投稿後に本投稿を行う
- 最適な画像・動画サイズを事前に確認しておく
- 投稿プレビューが出来るツールから予約投稿する
- シェアデバッガーやカードバリデーターを利用してOGPの設定を確認する
Facebookシェアデバッガー ※Facebookへのログインが必要
https://developers.facebook.com/tools/debug/
Twitterカードバリデーター ※Twitterへのログインが必要
https://cards-dev.twitter.com/validator
画像の見え方を確認する最も安全な方法は、テスト投稿を行うことです。企業の場合は、新商品・新サービスのリリースなど公開の解禁日が決まった内容もあると思います。そのため、非公開アカウントを作成し、非公開アカウントでテスト投稿を行うようにしましょう。このとき注意したいことは、テスト投稿は必ず本番素材を使って行うことです。
また、最適な画像や動画サイズを事前に確認しておき、自社のSNS投稿画像サイズをルールとして決めておきましょう。社内共有しておけば、各部署から届くSNS用の画像サイズ統一がしやすくなります。動画の場合はアスペクト比も確認しておくことで、画面占有率を高めるようにするのがおすすめです。
参考:Twitter・Instagram・Facebookの最適な画像サイズまとめ
テスト投稿を行ってから投稿をすることは時間的に難しい、という場合は、投稿の作成時にプレビューで見た目を確認できるツール使用もおすすめです。パソコン上から、スマートフォンでの見え方も確認できますし、ツール上で写真をレイアウトして投稿予約を行うこともできます。
3.不適切な投稿内容・誤字脱字
SNS炎上と聞いて、多くの人がイメージするのは不適切な投稿テキストではないでしょうか。
例えば、子ども向けである玩具メーカーが「とある筋から入手した、某小学5年生の女の子の個人情報を暴露」と投稿したことで炎上した事例がありました。常日頃子どもの安全を考えている親御さんは複雑な心境になってしまいますよね。
特にTwitterの場合は140字に収めるため、キャッチーな言葉遣いで短文にすることが多く、伝わらない内容になってしまったことで炎上する事例が多くみられます。速報性が高い媒体のため、担当者一人で投稿する場合が多いことも炎上事例が多い原因になっているのかもしれません。
炎上まで至らなくとも、自社名や商品名をタイピングミスしてしまったり、誤字脱字があったせいでアカウントの信頼が損なわれることもありますから、十分注意しましょう。Facebookの場合は、「もっと見る」の下に必要な情報が隠されてしまうこともあります。
解決策
- 投稿内容が「炎上さしすせそ」に該当しないか確認する
- 投稿時は複数名でダブルチェックを行うようにする
- テスト投稿を行い、PC環境とスマートフォン環境両方での見え方を確認する
- 社名や商品名などの固有名詞は手打ちせず、ユーザー登録しておく
「炎上さしすせそ」とは、炎上しやすいトピックをSNSエキスパート協会がまとめたものです。これらに関するSNS投稿は避けるか、投稿内容や文言に気を付ける必要があります。
<炎上さしすせそ>
さ:災害・差別
し:思想・宗教
す:スパム・スポーツ・スキャンダル
せ:政治・セクシャル(含LGBT)
そ:操作ミス(誤投稿)
誤字脱字は、自分ひとりで見ていてもつい見逃してしまうもの。ダブルチェックをすることで、テキストのミスを減らすことができます。以下の記事を参考に、投稿前チェックリストを作成し、2人以上のチェック体制を整えるといいでしょう。Twitterのように、文字数に制限がある場合は意図が思うように伝わらないことで炎上の火種となることもあります。そうした場合にも複数人の目で確認することで誤解を避けることができるようになります。
参考:投稿前に見ておきたい!SNSコンテンツ作成時のチェックリスト
社名や商品名、人名といった固有名詞の誤りは致命的です。声に出して読むといったアナログでのミス回避方法もありますが、よく使う言葉の場合は変換ツールにユーザー登録してしまうこともおすすめです。ただ、ユーザー登録していても変換ミスしてしまうことも考えられますので、それだけで安心してしまわないように注意しましょう。
「コムニコ マーケティングスイート」の場合は事前に登録しておくことでハイライト表示を行うことが可能です。
固有名詞の他に、見逃しやすい半角スペースなどもハイライト表示可能です。
4.返信に関するミス
「すべてのコメントに返信する」というポリシーでアカウントを運営していた場合、コメントを見落として返信ができないときがあります。Twitterの場合は1つの投稿に100件以上リプライされていると、全て表示できないこともあります。
また、リプライをしてくれたユーザーを別の利用者と勘違いして返信を行い、炎上してしまったケースもありますので、返信時には十分注意しましょう。DMでの返信の場合は、アカウント選択にも注意したいところです。
解決策
- Facebookの場合は「新着順」に切り替えて新しいコメントを見つける
- 投稿管理ツールでコメント管理機能を使う
Facebookのコメント表示順は「新着順」と「全てのコメント」「関連度の高い順」に切り替えができるため、「新着順」で表示してみると、新しいコメントの見逃しが少なくなります。
参考:コメントの表示順を変更する
投稿管理ツール「コムニコ マーケティングスイート」にはコメント管理機能があり、TwitterやInstagram、Facebookの投稿を確認できます。新しいコメントは「未読」として表示され、ツール上で返信をすることができるため見落としが少なくなります。
コメントが入るとメールが来るように設定することもでき、炎上の火種を見つけることも可能となります。炎上は初動が肝心ですので、チェック体制をとれるようにしておくとよいでしょう。
5.投稿タイミングのミス
いつでもすぐに投稿できるのところがSNSの強みでもありますが、予約投稿を行っている場合は不謹慎な投稿内容や時期でないか確認することが重要です。過去には、8月9日長崎原爆投下の日に「なんでもない日おめでとう」と投稿したことで炎上した事例がありました。戦争や災害など、センシティブな日の投稿は特に内容に注意しましょう。
台風や水害、地震といった天災が起きた時は、予約投稿を延期したり内容を変更して投稿するような配慮が必要です。平時であれば問題のない「川遊び」といった投稿も、川の氾濫で被害が出ている状況であれば不適切となることはおわかりいただけると思います。タイミングによってはSNS炎上を引き起こす可能性もあるため、十分に気をつけましょう。
解決策
- 災害カレンダーや重要ニュース年表を事前にチェックする
- 災害・事件カレンダー機能(コムニコ マーケティングスイート)を活用する
急な天災の場合は起きてからの対応が必須ですが、投稿予約を行う場合は、投稿日が問題ないかチェックしておくことが必要です。
「コムニコ マーケティングスイート」では投稿予約をする際に災害・事件が発生した日を公開日時に指定すると、アラートが表示されます。2008年からSNS運用支援を行ってきた株式会社コムニコが投稿自粛(延期・中止等)の判断を推奨する過去に災害や事件が起こった日をピックアップしています。
災害・事件カレンダーに指定された日に投稿作成を行うと、投稿作成画面上部に情報が表示されます。
まとめ:まずはミスを知ることから始めよう
企業が気をつけたい炎上のパターンには、事前に防げないものと事前に防げるものがあります。
SNS投稿を行う場合には、投稿ミスを最小限に抑えることで炎上予防とすることができます。ただ、どんなに慎重に運営していたとしても、人為的なミスは100%防ぐのは困難です。複数名でSNS投稿チームをつくるなど、ミスを起こさない仕組みを投稿フローに組み込むようにしましょう。
児童雑誌・書籍をメインに4年間の編集執筆活動した後、コムニコ入社。SNS企画運用・コンテンツ制作を行う。趣味はドラムとよさこい。
「We Love Social」掲載のオリジナル版はこちら投稿ミスからの炎上を未然に防ぐ!投稿チェックリスト2022/12/14
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