楽天グループは、2022年12月期の連結決算を2月14日発表した。売上高にあたる売上収益は前期比14.6%増の1兆9278億7800万円と過去最高を記録。インターネットサービス、フィンテック(金融技術)、モバイルの各事業分野で増収だった。一方、最終損益は3728億8400万円の赤字となった。赤字は前期の1338億2800万円から3倍近くに広がって過去最大。モバイルへの投資が影響した。
インターネットサービスは、ネット通販の「楽天市場」や旅行予約サイト「楽天トラベル」が好調で、売上収益は前期比8.7%増の1兆859億円だった。国内のEC流通総額は同12.3%増の5兆6000億円となり、特に楽天トラベルの国内宿泊流通総額は、新型コロナウイルスの感染が広がる前の2019年比で2桁の成長だった。楽天市場や楽天トラベルを中心に広告売り上げも大幅に伸びた。
国内広告業界の不調が続いている中、楽天の広告ビジネスの売り上げは、楽天市場や楽天トラベルなどオンライン広告の受注拡大から、前期比15.9%増の1830億円となった。広告売り上げは増加が続いていて堅調。今後も一層の拡大を見込んでいる。広告ビジネスの売上高は、インターネットサービス、フィンテック、モバイルに計上される内部取引含めた国内広告売り上げの合計値。
フィンテックの売上収益は前期比7.2%増の6634億円。クレジットカード「楽天カード」の発行枚数が2808万枚(2022年12月)になり、ショッピング取扱高は同25.8%増の年間18兆2000円に達した。3000万枚、30兆円の目標に近付いた。オンラインバンク「楽天銀行」の単体口座数は1339万を超え、オンライン証券「楽天証券」の総合証券口座数も864万に増加し、顧客基盤が拡大した。
モバイルは、携帯電話サービス「楽天モバイル」の売上収益が前年同期比62.0%増の3687億円と増収だった半面、4928億円の営業損失を計上して楽天グループ全体の足を引っ張った。増収は、通信料を1年間無料にするキャンペーンの終了や新プランへの移行で課金ユーザーが増え、1ユーザーの平均売り上げ(ARPU)が上昇したことが理由。一方、基地局整備への投資が膨らんでいる。
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オリジナル記事:楽天グループの2022年12月期決算で売上収益は前期比14.6%増の1兆9278億円と過去最高に
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