日本アドバイタイザーズ協会(JAA)は4月14日に、2023年度の事業報告会を都内で開催した。3年ぶりのリアル開催となった。本報告会は、川村和夫 新理事長(明治ホールディングス 代表取締役社長 CEO)、中島聡 新専務理事の新体制で行われた。両名は、2023年2月に定時総会ならびに臨時理事会で承認された。
開会のあいさつで川村理事長は、「消費行動の変化」「原材料高騰による値上げ」「デジタル関連の技術革新」など昨今の現状について言及した後、「JAAとして、広告活動の健全な発展を深めていく」と述べた。
続いて、中島専務理事は、電通が発表した日本の広告費について言及。2022年、日本の総広告費は、過去最高の7兆1,021億円(前年比104.4%)を記録。インターネット広告費は、3兆912億円(前年比114.3%)となり、2兆円を超えた2019年からわずか3年で約1兆円増加した。
2022年4月からは、民放テレビの地上波リアルタイム配信がスタートし、テレビメディア関連動画広告費は350億円(前年比140.6%)と高い伸びを示していると説明。テレビや雑誌、新聞などのデジタル化によって、企業と消費者の関係にどのような変化が起こるのか。また、「環境への配慮」が企業・消費者における重要な指標となるなかで、広告主と消費者との適切なコミュニケーションのあり方を研究していくと述べた。
このような状況を踏まえ協会では、次の4つを今年度の運営の柱とすると説明。
- デジタル技術を活用した媒体に関する研究
- リアルタイム配信による視聴動向の変化の研究
- コネクティッドTVなどの新たな媒体に関する研究
- 雑誌コンテンツのデジタル化による基礎調査
- SDGsに対応したコミュニケーションの研究
- SDGsの理解促進のための勉強会の実施
- 広告コミュニケーションにおける手法・表現の研究
- Z世代の消費動向・行動に関する研究
- 人材育成プログラムの強化
- デジタル人材育成プログラムの浸透
- 各専門分野のプロフェッショナルを育成する講座の検討
- ネットワーキングの機会創出
- JICDAQ(ジックダック)
デジタルメディア委員会の委員長を務める山口有希子氏(パナソニック コネクト)は、中島理事長の発言を受け、JICDAQの現状を説明した。日本の広告関係3団体(JAA、JAAA、JIAA)で取り組むデジタル広告の品質を第三者認証する機構「JICDAQ」は2021年3月に設立し、3年目を迎える。品質認証事業者は138社、登録事業者174社。登録アドバイザーは、114社(2023年4月時点)となった。
一方で、日本のアドフラウド(広告詐欺や閲覧水増しの被害額)は、2022年は1,300億円に達し、さらなる対策が迫られていると説明した。
その他、各委員会の委員長が人材育成事業や調査研究事業、表彰事業、啓発普及事業、広報事業などについて報告し、閉会した。
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オリジナル記事:JAA、2023年度の方針「広告活動の健全な発展」などを発表
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