語形のゆれ、「翌年」の表記、「雨もよう」の放送での扱いを検討。
NHK放送文化研究所(NHK文研)は、「語形のゆれ・表記・意味の解釈が分かれる語の扱い」について、第1461回放送用語委員会(東京)での検討結果を発表した。全21語の語形(読み方)のゆれ、および「翌年」「雨もよう」の計23語について、放送での扱いを検討している。
NHK放送文化研究所は、放送局が運営する総合的な放送研究機関として1946年(昭和21年)に設立。放送にまつわるさまざまな調査を行っている。
21単語の読み方の現状を分析
語形のゆれとは、いわゆる語句の読み方や表記の揺れで、今回は「旅客」「湿気」「味気ない」「木の実・木の芽・木の葉」「羽毛布団」「奥深い」「過不足」「肌寒い」「ありたけ/ありったけ」「没交渉」「コンマ/カンマ」「リポート/レポート」といった21単語の読み方が、調査・検討された。その結果、以下のような現状が報告された。
- 旅客 → 「リョカク」より「リョキャク」が優勢
- 湿気 → 「シッキ」より「シッケ」が優勢(「シッキ」を削除)
- 万人 → 「バンジン」より「バンニン」が優勢
- 味気ない → 「アジキナイ」より「アジケナイ」が優勢(「アジキナイ」を削除)
- 木の実 → 「コノミ」より「キノミ」が優勢
- 燃やす・燃す → 「モス」より「モヤス」が優勢
- 入り口 → 「イリクチ」より「イリグチ」が優勢(「イリクチ」を削除)
- 羽毛布団 → 「ウモーフトン」より「ウモーブトン」が優勢
- 奥深い → 「オクフカイ」より「オクブカイ」が優勢
- お声掛け → 「オコエカケ」より「オコエガケ」が優勢
- 過不足 → 「カフソク」より「カブソク」が優勢(「カブソク」を第2推奨形として追加)
- 決め台詞 → 「キメセリフ」より「キメゼリフ」が優勢
- 頭突き → 「ズヅキ」より「ズツキ」が優勢
- 台布巾 → 「ダイブキン」より「ダイフキン」が優勢(「ダイフキン」を第2推奨形として追加)
- 肌寒い → 「ハダサムイ」より「ハダザムイ」が優勢
- 封切り → 「フーキリ」より「フーギリ」が優勢(「フーギリ」を第2推奨形として追加)
- 悪口 → 「ワルクチ」より「ワルグチ」が優勢
- ありたけ/ありったけ → 「アリッタケ」が優勢
- 没交渉 → 「ボッコーショー」より「ボツコーショー」が優勢
- コンマ/カンマ → 「カンマ」より「コンマ」が優勢
- リポート/レポート → 「リポート」より「レポート」が優勢
これら語形のゆれは、文脈での違い、その時点の社会情勢・年代での差異があるため単純に断定はできないが、現状を表すものと考えられる。
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オリジナル記事:湿気は「しっけ/しっき」? 「リポート/レポート」はどちらが優勢? 全23語の最新動向【NHK文研調べ】
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