この記事は、SEOやマーケティングにおけるAIの活用について、前後編の2回に分けてお届けしている。
この記事では、マーケターでありSEO担当者でもある筆者が、SEOにAIを活用する方法について解説している。前編では、ChatGPTの登場で状況が一変したことや、AIを活用するのが有効な19のタスクなどを紹介した。
後編となる今回は、AIの創造性について説明し、それがSEO施策にどれほど役立つかを見ていこう。
AI技術と創造性
- リンクベイト
- バイラルマーケティング
上記の2つは、リンク資産とブランド認知度を高めるため(どちらも検索順位を決定するシグナルとして最も強力なものと言えるかもしれない)、あらゆるSEO戦略に不可欠な要素だ。
しかし、両者に共通する問題が1つある。それは、君の想像力に限界があることだ。たしかに、チームや顧客から情報を集めたり、競合他社を真似てみたりすることはできる。しかし、こうした方法はいずれも、かなりの時間と労力を要する。
ChatGPTで試すリンクベイトのブレインストーミング
AIなら、リンクベイトのブレインストーミングも簡単だ。また、リンクしてもらえるコンテンツ資産を作るためのコストを大幅に削減できる。
まずはChatGPTを使って、リンクを獲得できるコンテンツ資産のアイデア出しをしてみよう。プロンプトのアイデアをいくつか挙げる(「○○」の部分は、取り組んでいるトピックに置き換える):
○○に関するバイラルクイズのアイデアを考えて。
サイトで○○を販売している場合、ブロガーやジャーナリストからリンクを獲得するには、どのようなインフォグラフィックを作成するべきか。
○○を販売しているサイトのために、リンクを獲得できるコンテンツのアイデアを考えて。
○○について書いているブロガーだったら、ぜひリンクを張りたいと思うのはどういうところか?
○○に関するトピックのバイラルコンテンツのアイデアには、どのようなものがあるか?
プロンプトは必ず自分で試してみてほしい。AIによるアイデアのすべてが役に立つわけでも、すべてが使えるわけでもない。しかし、着想の糧になるものが数多く見つかるだろう。
チャットAIを利用する際の黄金律として、「結果の質はプロンプトの質に比例する」というものがある。優れたプロンプトを思いつければ、優れた出力が得られる。だからこそ、くり返し試してみよう!
この点で、AIが能力を最大限に発揮できるようにするには、次の2つが必要だ:
- 創造性
- ハードワーク
したがって、AIを利用したSEOは従来のSEOのように、依然として人間の労力と入力に依存している。単に予算を増やせばいいわけではない。それどころか、SEOでは莫大な予算よりも創造性と専門性がはるかに重要であり、AIを利用した場合もそれは変わらない。
ChatGPTで作るアウトリーチのメール文面
同様に、ジャーナリストやブロガーにアウトリーチするためのメール本文も作成してもらえる。
こうした用途にChatGPTは驚くほどの創造性を発揮できる。信じられないという人は、この女性の例を見てほしい。「自分の子どもにサンタは実在しないことを説明する手紙を書いてほしい」と頼んでみたところ、出力された結果は信じられないほど感動的で、機械が作ったものとは思えないほどだ。
ChatGPT以外にもある、ビジュアル素材の生成に役立つAIツール
くり返すが、使えるAIツールはChatGPTだけではない。
ここまで紹介してきたのは主にテキストコンテンツを作る手法だが、コンテンツにはビジュアル素材も重要だ。コンテンツプロモーション戦略に使うビジュアル素材の生成に役立つツールも、たくさんある。
「Photoleap」は、言葉では言い表せないほど優れたAI画像生成ツールを提供している。どんなにばかげた画像の説明を入力しても、数秒以内に画像を作成してくれる。
PhotoleapはモバイルアプリにAIを組み込んでいるため、洗練された画像を低価格で気軽に作成できる。
「Wave.video」も、AIを使ってマルチメディアコンテンツを簡単に作成できるツールだ。URLを指定するだけで、数分で動画を生成してくれる。
できあがる動画はごく簡単なものだが、動画の要約やソーシャルメディア向け動画の生成に利用できる。アップグレードすれば、より高度な編集機能を利用してさらに優れた動画を作成できる。ただし、それにはもっと時間が必要になるだろう。
これ以外にも、AIが独自の画像や動画の作成にどれほど役立つかについては、SEOMozのマスコットであるロジャーが生成系AIによる画像の世界を探索する様子をチェックしてみてほしい。
機械のように考える
最後に、私たちはSEO担当者やコンテンツマーケターとして、AIの思考がどう働くかについて理解を深める必要がある。これに関するコンテンツはたくさんあるが、ツールの力を信じている者として、このゲームをプレイすることを勧めたい。
これは、毎日変わる単語を連想で当てるゲームだ。任意の単語から始めると、回答の単語との関連性に基づいて評価される。人間の脳がさまざまな働きをすることがわかるだろう。ここでは、同義語を検索しても役に立たない。私は次のようにして、最初の単語「earn」(稼ぐ)から「calculator」(計算機)にたどり着いた。
やってみると非常に楽しく、この技術への理解を深めるのに役立つ。AIの開発や新しいプロジェクト、機会を追跡しているすばらしいブログもある。
まとめ
デジタルマーケティング戦略において、AIはこの記事で紹介しきれないほどはるかに多くのことができる。たとえば、次のようなことだ:
これらは、簡単で楽しい選択肢のごく一部にすぎない。ここでは、次のことまでは踏み込まない:
- 高度な分析
- 解析
- ターゲティングの機会
たしかに、これからも状況は変わるだろうし、それも急速に変わるだろう。特に検索エンジンがユーザーのクエリに素早く回答しようと積極的に会話機能を(多くの場合は出典を示さずに)組み込むようになれば、変化は速まる。しかし、AI技術を無視したり、私たちが行うあらゆることへの影響を否定したりすることで、こうした変化を阻止できるわけではない。
SEOのさほど長くない歴史から、私たちは、新しいテクノロジーが登場するときにSEOが発展することを知っている。この業界が窮地に陥ったように思えるたびに私たちは機会を見出してきたし、今後もそれは変わらない。
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オリジナル記事:【AI×SEO後編】人の想像力の限界をAIで超えるChatGPTのテクニックと動画も作れるAIツール | Moz - SEOとインバウンドマーケティングの実践情報
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