NTTデータグループのクニエは、「メタバースビジネス」に関する調査結果を発表した。メタバースの事業化ビジネスの検討に携わった経験者500人がアンケートに回答している。
なお「メタバース」は、「インターネット上でユーザー自身がアバターを用いてお互いにコミュニケーションすることが可能な、現実世界とは別の仮想空間」と本調査では定義している。また「事業化の社内審査がおりた」「事業としてすでに運営している」と回答したケースを成功、「事業化に向けた検討が停滞している」「検討自体が中止された」を失敗と定義している。
成功のカギ「顧客の課題・ニーズ起点で検討する」
まずスクリーニング調査の段階で、「事業化の成否が判明した取り組み」(1,803名)のうち91.9%のメタバースビジネスが事業化に失敗していた。
そこで分析対象者を絞り込み、失敗事例と成功事例を比較。「企画内容・ビジネスモデル」「検討プロセス」「組織・体制」の3つの観点から、「事業化に失敗するメタバースビジネス」について13の特徴を導き出している。
【企画内容・ビジネスモデル】
(1)既存ビジネスの延長線上に位置づけてしまう
(2)“粘着性“のある企画になっていない
(3)メタバースである合理性が説明できない
(4)キャッシュポイントが少ないビジネスモデルを設計している
(5)現実離れしたコスト見積りで検討を進めてしまう
【検討プロセス】
(6)ターゲットや課題・ニーズの明確化が不十分
(7)業務プロセスが可視化できていない
(8)事業リスクの分析と撤退条件の設定が曖昧
(9)社内事例やユーザーへの調査を実施していない
【組織・体制】
(10)「新規事業開発」「技術領域」「デジタル領域」の専門性を持つ人材の不足
(11)企画検討に必要なノウハウがなく、初期段階から検討が詰まってしまう
(12)社内外の支援が得られず、孤軍奮闘を余儀なくされる
(13)上層部や既存事業からの要望に振り回され、意思決定も遅い
この結果を受けクニエは「メタバースに取り組む意義を見つめ直し、顧客の課題・ニーズ起点で検討すること」などを提言している。
詳細な調査レポートは、クニエのサイトよりダウンロード可能。
調査概要
- 【調査対象】日本全国一般企業従事者のうち、事業化に向けたメタバースビジネスの検討に携わった経験者
- 【調査方法】インターネット定量調査
- 【調査時期】2023年1月11日~13日
- 【有効回答数】スクリーニング調査70,000名、本調査500名
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オリジナル記事:メタバースは9割以上が事業化に失敗! 失敗したメタバースビジネス「13の特徴」とは?【クニエ調べ】
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