継続できない病に要注意
はぁ…SNSを投稿したのに「いいね」が3しかつかない…もうやめちゃおうかな…。
あれ、どうしたの?
あ、先生聞いてくださいよ。3か月前から週に2回Twitterでつぶやいてるのに全然フォロワーもつかないし、「いいね」もつかない。心が折れそうなんです。
それはまさに、「継続できない病」にかかっているかもしれないね。
「TwitterとInstagram、それぞれのネタを考えていると時間だけが過ぎてしまい、結局投稿できなかった…」
「頑張って投稿しても反応がもらえず、モチベーションが下がって結局3日坊主…」
そうやって投稿を続けられなくなり、いつの間にか評価が低いアカウントになることが実は多いんですよ。
え、そうなんですか? 先生、SNSを続けるための「コツ」を教えてください!
わかりました。
SNSを始めた6割以上の人がフェードアウトしています
いまやSNSはマーケティングに欠かせない重要ツール。「よし! 効果的に使って顧客獲得や売上につなげるぞ!」と始めた、そんなやる気あふれるSNS担当者たちを、容赦なく襲うのが「継続できない病」です。
確かに、毎日目新しいニュースや面白い話題があるわけではないですし、そうなってしまう気持ちはよくわかります。実際、「SNSを始めた6割以上の人が長続きせずフェードアウトしている」例を私の周りで何度となく目にしてきました。SNSをやめてしまうのは、なにもあなたに限ったことではないのです。
逆に言えば、それほどSNSの継続は難しいことなんです。しかし、だからといって途中で投げ出してしまうのは非常にもったいないことです。なぜなら、SNSのように誰でもすぐに使えて潜在顧客に出会えるマーケティングツールは、ほかにないからです。
SNSを効果的に活用できれば、顧客獲得や認知拡大に向けて大きな1歩を踏み出すことも夢ではありません。それにはとにもかくにも「継続」が大事! では、「継続できない病」から抜け出す3つの解決方法をご紹介します。
解決方法1:「超」簡単なことからやる癖をつけよう
普段どんなつぶやきをしているの?
そうですね、お役立ち情報ですかね。
それもいいけど、最初からそんなにハードルをあげなくても大丈夫なんですよ!
継続するコツは「SNS投稿のハードルを限りなく低くすること」です
最初から「有益な投稿をしよう」「何かバズることをつぶやかなくちゃ!」「自社に最適なSNSを使わなくては…!」なんて考えていると、いつまでたっても投稿できませんし、継続のハードルはあがるばかり。継続するコツは、「SNS投稿のハードルを限りなく低くすること」にあります。
まずはご自身の使いやすいSNSで、「おはようございます!」「今日は暑いですね〜」「ランチは何を食べましたか?」「お仕事おつかれさまです!」といった、「超」がつくほど簡単な投稿から始める癖をつけましょう。そうすれば、何を投稿するか悩むことはありません。時間帯や天気に合わせてパッと内容を考えられるので、無理なく継続することができます。
普段から宣伝し慣れている主力商品やサービスのこともよいですが、PRや会社のお知らせばかりの「商売っ気たっぷりの投稿」が多いアカウントは、離脱されてしまいがちです。
宣伝はフォロワーに敬遠されてしまう場合があるので5回に1回程度にとどめたり、ときには「今日は疲れたので1杯飲みます!」「土日は何もしないでボーッとするのが好きです」といった、SNS担当者の飾らない等身大のつぶやきも入れ込んでみましょう。自分の言葉なら発信しやすいですし、“中の人”として親近感や好感をもってもらえれば、企業のイメージアップ、フォロワー増大につながります。
解決方法2:質より量! 完璧主義をやめよう
投稿頻度は、週2回以上、投稿内容はあらかじめ考えておいて、そのために普段からネタを用意しておかなくちゃ!
とってもよい心がけですね。だけど、SNSを続けていくのに大切なのは「適当さ」。もっとカジュアルでいいんですよ!
ええ! そうなんですか?
他の投稿に埋もれない頻度で投稿しましょう
普段のお仕事では、量より質を問われるシーンが多くあると思いますが、SNSにおいては断然「質より量」が重要です。なぜならSNS上では毎日、毎分、毎秒、常にさまざまな投稿が発信されているからです。投稿頻度が少ないと、タイムラインに次々と流れる他の投稿に埋もれる可能性が高まってしまうでしょう。
その中で自社の投稿に目を留めてもらうには、とにかく数多く投稿することです。1つめの解決方法でお伝えしたように、「完璧な内容を作ろう」という気持ちはいったん捨てて大丈夫です。内容の精度は、投稿に慣れてきたら、徐々に上げていけばよいのです。
では、1日にどれくらい投稿すればよいのでしょうか。その答えは、SNSによって異なります。私の考えるSNSごとの「推奨投稿頻度」はこちらです。
- Facebook、Instagram、会社のスタッフブログ:1週間に3本程度
- YouTube、TikTok:1日に1本程度
- Twitter:1日に5本程度
特にTwitterは、量が勝負ポイントです。朝、昼、晩に加え、たとえばビジネスパーソンに向けた投稿であれば、休憩などでひと息つく15時〜17時、仕事終わりの19時〜21時など、ターゲット層がSNSをよく見る時間帯に投稿するのを習慣にできるとよいですね。
炎上はちゃんと注意すれば、それほど怖くありません
「投稿量が増えると炎上が心配…」と不安に思う方がいるかもしれませんが、それほど怖がる必要はありません。というのも、農林水産省が公開したデータから分析した山口真一氏の「統計分析が明らかにする炎上実態」の資料によると、過去、炎上した投稿を行ったことがある人の割合は「1.1%」で、発生確率的はかなり低いのです。とはいえ、万一のために予防するに越したことはありません。
炎上を防ぐ注意点として、次の2点があげられます。
- 自社の発信では、政治、時事問題、宗教、セクシュアリティなど、炎上しやすいセンシティブな話題は避ける
- SNS上で自社製品やサービスの不満、クレームを見つけたら、企業自らで謝罪や対応のリプライに動くアクティブサポートを行う
大切なのは「炎上の火種を作らない」「火は小さなうちに消す」こと。これらを日頃から意識しておくとよいでしょう。
解決方法3:積極的な「リプライ」や「いいね!」でつながりを増やそう
先生、見てください! あれから投稿頻度を1日3回にして、あいさつも取り入れるようにしたら、いっきに「いいね」を20くらいもらえるようになりました!
それはよかった。やっぱりリアクションがあると嬉しいですよね。モチベーションを高めていく意味でも、さまざまな方法で「リアクションをもらっていく」のがとても大切なんですよ。
積極的にSNS上で仲良くなりましょう
フォロワーの増加や投稿に対するリアクションは、SNSを継続する大きなモチベーションになります。ですが、ただ自社の発信を一方的にしているだけでフォロワーやリアクションを増やすのは至難の業と言えるでしょう。
そこでおすすめしたいのが、自社の投稿にリプライやコメントをくれた方に返事をしたり、他のアカウントの投稿に「リプライ」や「いいね!」をしたりして、積極的にSNS上のつながりをつくることです。
ネットでもリアルでも、人はまったく知らない人に絡んだり、反応したりしづらいものです。しかし、一度でもやり取りをして知り合いになった人に対しては、そのハードルがグッと下がります。仲良くなれば、リツイートやリポストなどで、自社の投稿を拡散してくれる場合もあるでしょう。
ですから、時間の許す限りでよいので、ぜひ“つながり”づくりに注力してみてください。小さな積み重ねが、売上アップや顧客獲得の鍵となり、継続の原動力にもなっていくはずです。
「箸休め」で長続き! 顧客接点も拡大! SNSは全網羅を目指そう
先生、Twitterの投稿にも少し慣れてきたので、ほかのSNSもやってみたいのですが。
それはとても良いですね。自分が使い慣れているものからやってみるのが一番ですよ。普段、よく使っているのは何ですか?
私はInstagramをよく見るので、こちらからやっていきたいと思っています。
運用するSNSを1つに絞らないことが大切です
3つの解決方法に加えてやっていただきたいのが、「運用するSNSを1つに絞らないこと」です。いくらトンカツが大好きな人でも、毎日トンカツを食べ続ければ、さすがに飽き飽きするでしょう。SNSも同じで、毎日「Twitterだけ」「Instagramだけ」ではどうしても飽きてしまいます。
メインで運用するSNSの投稿頻度は保ちながら、合間に他のSNS媒体への投稿もしてみる。そんな“箸休め”を入れると気分転換になって飽きないですし、メインのSNSも新鮮な気持ちで取り組めてモチベーションが持続しますよ。
しかも、複数のSNSを運用するとアプローチできる顧客が広がるため、さらなる集客効果も期待できます。ですから、できるだけすべてのSNSを網羅しておくのがおすすめです。ぜひ以下のような各SNSの特徴を把握して、より自社のターゲットに効果的な投稿を目指してみてください。
Facebook:30〜50代の利用者が多く、実名登録のためターゲティング広告の精度が高い。月間アクティブユーザー数29億3千万人の世界最大規模のSNS(2022年6月時点・Meta社発表)。
Twitter:10代後半〜20代の利用者が多いが、30~50代の利用者も多い。リツイート機能で情報拡散がされやすいが、匿名ユーザーが多いため炎上しやすい一面もある。
Instagram:10〜40代の女性の利用者が多く、コスメやアパレルなどビジュアル訴求の女性向け商品に効果的。シェア機能がなく拡散性は低いため、ハッシュタグの活用が重要な鍵になる。
YouTube:老若男女幅広い世代が利用している。動画コンテンツ制作の負担は大きいが、60秒以下のショート動画機能を活用すれば負担軽減をはかれる。
TikTok:10〜20代の若年層が中心。広告以外での商用利用は不可だが、ブランディングやイメージアップで成功している企業は多数ある。
LinkedIn:ビジネス特化型のSNSで、経営層へのアプローチに効果的。国内ユーザー数は少ないが、海外では8億人のユーザーがいる(2022年1月現在)。
SNS継続のためのさまざまな方法をお伝えしてきましたが、それでも投げ出したくなったり、くじけそうになったりすることもあるでしょう。SNS運用の大変さ、そして重要性は、直接関わらないとわかりづらいため、上席に理解されずもどかしい思いをしている方もいらっしゃると思います。
そんなときは、専門家にサポートしてもらうのも良案です。自分の頑張りをきちんと理解してくれる人がそばにいると、「よし、明日も頑張るぞ!」と励みになります。また「SNS運用の必要性」や「取り組んでいること」を、第三者の立場で上席に伝えてもらうのもひとつの“手”でしょう。そんな頼れる「応援団」のような存在を見つけるのも、SNSを継続しやすくするポイントですよ。
森先生からのアドバイス
SNSでフォロワー数や「いいね」の数を増やしていくには、最低でも半年〜1年の運用期間が必要ですが、「投稿し続けることがつらい」と感じている人、続けられず挫折してしまう人が非常に多くいます。しかし逆にとらえると、もしあなたが1年以上SNSの投稿を継続できたなら、それだけで競合から圧倒的にリードできるということです。
SNS運用における最大の難関は何よりも「継続」。長い道のりに感じますが、コツコツと地道に続けていくことが、結局のところ売上やファンを増やす近道なのです。
人は、一度習慣として身に付けたことは、やらない方が気持ち悪く感じるもの。ぜひご紹介したさまざまな工夫を取り入れながらSNSの投稿を習慣化し、「継続できない病」から「継続しないと気が済まない病」になるまで頑張りましょう!
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オリジナル記事:効果が出ない…と数か月でやめてしまう「SNS継続できない病」から抜け出そう | やってはいけないWeb集客 6つの罠
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