この記事は、「SEO戦略を立てるための10ステップ」について前後編の2回に分けてお届けしている。後編では、10のステップのうち残る6つのステップについて見ていこう。
SEO戦略を改善する10のステップ(続き)
SEO戦略ステップ5 SEOレポートやダッシュボードを作る
最適化の優先順位を付けたリストを検討したら、SEOにおける現在のパフォーマンスの基準値を設定して、進捗を追跡する方法を作ろう。
Mozが提供するSEOツールのキャンペーン機能を使うと、サイトが重視しているキーワードのリストを継続的に追跡できる。Moz Proでは、オーガニック検索における主要なページの表示順位改善を可視化するダッシュボードが自動的に構築される。このダッシュボードにはGoogleアナリティクスも統合できるため、検索順位やサイトのドメインオーソリティと併せてサイトのトラフィックを観察できる。
Moz Proのキャンペーンを設定すると、サイトを週1回のペースで自動的にクロールしてくれるため、サイトに未解決のテクニカルSEOの問題がどれぐらいあるのかを追跡して修正に取り組める。
SEO戦略ステップ6 テクニカルSEOの修正を繰り返す
SEOのプロセスは、家を建てるのに少し似ている。装飾を施したり家具を設置したりする時間は十分にあるが、まずは基礎(土台)から始めるものだ。ウェブサイトの強固な基礎は、テクニカルSEOの枠組みにあたる。
ステップ1で実施したSEOの監査とステップ4で作ったSEO施策の「工数vs影響度」マトリックスを使って、重要なクロールの問題を引き起こした原因の特定にかかろう。
プロセスのこの段階で、
- サイトのページスピード
- サイトのコア ウェブ バイタル(CWV)
の基準値も設定するのが望ましい。Googleの「PageSpeed Insights」ツールでドメイン名を入力すると、サイトで高速化できる余地が残っている部分を一覧で表示してくれる。こうした要素の中には、画像のキャッシュやJavaScriptの削除といったタスクが含まれることもある。
「PageSpeed Insights」は、以下の理由から活用すべき重要なツールだ:
無料で使える
サイトの健全性とテクニカルSEOの基盤に推奨される改善策を、Googleが自ら教えてくれる
SEO戦略ステップ7 既存のコンテンツを検索エンジン向けに最適化する
進捗状況を追跡するインフラを整備して、狙うべきSEOの機会をリストアップしたら、いよいよコンテンツの最適化を始めよう。まず、SEO施策の「工数vs影響度」マトリックスを参考にして、小さな労力でも効果の高い項目から優先的に進めよう(たとえばtitle要素の最適化など)。
次に、サイトの重要なページすべてを詳しく見てみることを勧める。Mozの「On-Page Grader」などのツールを使うと、特定のキーワードに対してページをどの程度最適化できているか、さらに詳しい情報が得られる。
たとえば、次に示すのはAT&TのサイトをMozのOn-Page Graderで調査した結果だ。AT&Tは、このページを「cell phone(携帯電話)」というキーワードに最適化する取り組みで平均以上の評価を得ているが、まだ最適化できる余地は残っている。
SEO戦略ステップ8 トピックの調査で新しいコンテンツの機会を明らかにする
キーワードギャップを埋める最善の方法は、ターゲットを絞り込んだSEO重視のコンテンツをサイトで公開することだ。Moz Proの「Keyword Gap」といったツールから得られるキーワードのリストは、トピックのアイデア出しに役立つ。ここではハブアンドスポーク・コンテンツのモデルについて説明する。
ハブアンドスポーク・コンテンツモデル
優れたSEO戦略は、ハブアンドスポーク・コンテンツモデルを採用することが多い。この方法は、次のようにするものだ:
「ハブ」ページ(製品やサービスに関する最重要ページ)を作って大量のキーワードに対し上位に表示されるようにする。Google検索から来た見込み顧客は、ハブページにあるCTAからコンバージョンしてもらう流れ。
関連コンテンツを含む「スポーク」ページを作り、それらのページからハブページにリンクすることで、ハブページを強化する。スポークページは、一般にサイトのブログやリソースセクションに置くことが多い。
たとえば、AT&Tの例で考えてみよう、上位に表示させたいキーワードの1つが「cell phone」だとする。最初のステップとして、サイト上に「cell phone」というキーワードをターゲットにしたURLを作る。このページを作り、SEOに取り組み、コンバージョンしやすく最適化する。次に、そのページにリンクする一連の周辺コンテンツを作る。
スポークページではどんなコンテンツを作るのがいいのだろうか。そうした調査には、Moz ProのKeyword Suggestions機能といったキーワード調査ツールを使うといい。主要なキーワードに関連するトピックを素早く特定できる。
一般的なキーワードツールではなく、SEOのコンテンツ施策に特化したツールでは、人々が興味を持っていそうなトピックを推測するのではなく、データを使用してあらゆる意思決定ができる。たとえば、Google検索で「cell phone」に関連して入力された質問にはどんなものがあるのだろうか。Mozのツールでは、次のように表示してくれ、キーワードとの関連性や月間検索ボリュームなども確認できる。
SEO戦略ステップ9 ソーシャルメディアでコンテンツを拡散し、被リンクの機会を調査する
2023年においても、高品質の被リンクはSEOの重要な要素だ。オーソリティの高いページからサイトが獲得している被リンクの数は、MozのDomain Authorityスコアを構成する主要な要素となっている。同スコアは、検索順位の観点からドメインの総合力を測る業界標準のKPIだ。
ドメインオーソリティを高める最善の方法は、人々が共有したくなるような質の高いコンテンツを作ることだ。コンテンツを作成してサイトで公開するだけでなく、
- TikTok、Twitter、Instagramなどのソーシャルチャネル
- 顧客(および潜在顧客)がデジタルコンテンツに触れるウェブサイト以外のプラットフォーム
で独創性を発揮して宣伝すれば、ブランドの認知度を高め、ブランドの検索ボリュームを増やす助けになる。
また、質の高いサイトパブリッシャーからリンクを獲得することを目的に、手作業でリンクビルディングに取り組む方法もある。これは、ドメインオーソリティのスコアが低い新しいサイトにとって特に重要な作業だ。
SEO戦略ステップ10 測定して、最適化し、テストする
競争環境は進化し、君の会社も進化する。わずか1年という期間でも変化はある。2023年のSEO戦略には、春の時点で考慮していなかった予想外の優先事項が年末になって発生する可能性もある。
しかし、デジタルの世界は常に変化しているとはいえ、次の2点は引き続き重要だ:
- Moz ProなどのSEOツールを使って価値の高いキーワードを継続的に追跡する
- Googleアナリティクスなどのプラットフォームでコンテンツのトラフィックの増加を観察する
時間が経つにつれて、サイトのトピック別に強い領域と弱い領域がわかるようになるだろう。測定・最適化・テストを継続することで、引き続きサイトの強みを生かし、特に強みを発揮できるトピックに関連するコンテンツを公開する一方で、キーワードギャップの機会を明らかにして、弱い領域を改善していける。
今すぐSEO戦略に取りかかろう
検索エンジンの最適化戦略に着手するうえで役立つ無料のSEOツールも複数提供されている。Mozでは、独自のツール「Keyword Explorer」や「Competitive Analysis Tool」の無料版も提供しており、検索エンジンでサイトのビジビリティを高める機会を見出したり、SEOの目標を設定したりするのに役立つ。
新しいクライアントを担当する経験豊富なSEO担当者であれ、初めてSEOに取り組むウェブサイトのオーナーであれ、重要なのは明確なタスクと実行可能な目標を伴うロードマップの作成だ。アクションプランを策定することで目標に集中する姿勢を保ち、目的のない作業や終わらないプロジェクトになってしまうのを防げる。検索エンジンマーケティングでは、几帳面で体系的なやり方を保ちながら適応力も重要なのだ。
※このコンテンツはWebサイト「Web担当者Forum - 企業Webサイトとマーケティングの実践情報サイト - SEO・アクセス解析・SNS・UX・CMSなど」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:SEO戦略を立てるための10ステップ ~測定も最適化もテストも継続が大事~(後編) | Moz - SEOとインバウンドマーケティングの実践情報
Copyright (C) IMPRESS CORPORATION, an Impress Group company. All rights reserved.