みなさま、はじめまして。瀬川義人と申します。
私は現在、岐阜にあるデジタルマーケティングの支援会社「アクシス」で、自社のマーケティングなどに携わっています。
「Web担当者Forum」では以前に、「地方の小さなB2B企業がウェブを使って成果を出す鍵とは?」という連載をしていました。そして今回、編集部から依頼があり、リレーコラムの執筆を担当することになりました。
第1回となる今回は、私の自己紹介を踏まえつつ、私がマーケティングの仕事をする上で大切にしている「ある教訓」について紹介します。
ブログ運営で気づいたマーケティングの面白さ
時を遡ること6年前。特にやりたいこともなく大学を卒業した私は、アルバイトを掛け持ちしながら淡々と生きていました。その傍らで唯一続けていたのが、趣味であるバックパッカー旅行について書いたブログ。
最初のうちはなんとなく書いていましたが、次第にもっと多くの人に読んでほしいと思い、SEOを独学で勉強しました。ひたすら記事を書いてはリライトする毎日。ある記事では、100回以上もリライトを重ねました。
その結果、アクセス数も右肩上がりに伸び続け、最終的には月間16万PVのメディアに成長。そこで思い切って、フリーランスとして独立することにしました。
ある時、1通のお問い合わせが来ました。「書かれている記事を読んで、私もバックパッカーとして旅することにしました。素敵な記事をありがとうございます」と。
インターネットを通して、自分の書いた記事が誰かの役に立っていることを知り、とても感動したことを今でも覚えています。
その経験を通して、マーケティングで人の役に立ちたいと思うようになったのです。
どうすれば予算5,000円で採用できるか?
そんな頃、自分自身も関わっていた、とある小さな飲食店(カフェ&バー)のオーナーから相談を受けました。
その飲食店は、スタッフの退職により人手が不足して、運営の継続が困難になっていました。飲食店はどこも人手不足の中、給料も普通くらいなので採用は難しく、メジャーな求人媒体に広告を出すお金もありませんでした。
相談を受けた僕は、さまざまな広告を検討した結果、Facebook(Instagram)広告を提案しました。比較的少額で出稿でき、ターゲティング精度が高いので、うまく使えば低予算でも採用できると考えたからです。
使える予算5,000円を、どうすれば最大限に活用できるか。着目したのは、その飲食店のUSP(=Unique Selling Proposition/独自の強み)です。
この飲食店はゲストハウスを併設しており、日常的に海外からの旅行客が多く来店していました。そこで、「日本にいながら、海外との接点を持てる」ことがUSPになるのではないかと考えたのです。
採用広告のターゲットとしたのは、海外志向の強い20代前半の学生。留学から帰ってきて、英語を使える職場を探している若者を中心に広告を出稿していくことにしました。
USPが伝わる”現実的な”クリエイティブをつくる
次はクリエイティブです。パフォーマンスを最大化させるには、ターゲットに刺さるクリエイティブで、しっかりUSPを伝えないといけません。そこでイメージが漠然としがちな無料写真などは使わず、採用募集する飲食店の店内で撮影することにしました。
たまたま居合わせた外国からのお客様にも協力していただき、店舗スタッフと談笑するカットをいろいろなパターンで撮影していきます。
1時間くらいかけて、ようやく納得いくクリエイティブ用写真を撮影することができました。
LPがない。予算もない。じゃあnoteとGoogleフォームを使おう
いざ広告を出稿するにあたり、大きな問題がありました。広告のLP(=ランディングページ)がなかったのです。LPをつくるには、時間もお金もかかります。
そこで考えたのは、無料で使えるnoteをLP代わりに使う方法でした。
noteのアカウントを取得して、応募用のLPとなる記事をつくります。記事内には、業務内容、試用期間、就業時間・休憩時間・休日・時間外労働、給与などの募集要項に加え、どういったお店なのか、働きがいは何か、といったUSPに関する情報を詳しく記載して、最後にGoogleフォームを埋め込みました。
noteの記事には、広告のタグやGoogleアナリティクスタグは導入できません。Webマーケティングのセオリーからは外れているでしょう。しかし、正解にこだわるより、とにかく結果を出すことを優先したのです。
5,000円で10件の応募。3人の採用に成功
いざ広告を出してみたところ、1週間少しで、なんと10人から応募が来ました。Googleフォームからの通知メールを見て、一人でガッツポーズをしたのを今でも覚えています。
面接の結果、3人を採用。人員不足が解消され、飲食店は無事運営を続けられることになりました。広告費5,000円で3人。1人あたりの採用コストは破格の1,666円でした。
「足りない」を言い訳にしない
マーケティングでは、リソースが足りていないことの方が多い。でもアイデアと戦略次第でなんとかなる
これが、このエピソードを通して僕が学んだことです。
お金がなければ、お金がかからない方法を考える。LPがないなら、LPの代わりになるものを探してみる。真っ向勝負できないなら、勝てる場所を見つけてみる。
自分の思考を枠にはめず、とにかく考え続ければ、きっと打開策は見つかるはずです。そしてその打開策を実行してみて成功すれば、きっと自分の中での大きな糧になるでしょう。
おわりに
今回の記事では、私がマーケティングを実施する中で教訓としている実体験のエピソードを紹介しました。この記事がどなたかの励みになれば嬉しいです。
次回以降は、日々の業務やマーケティングに関わる気づきなどを発信していきたいと思います。今後ともどうぞよろしくお願いいたします!
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オリジナル記事:5,000円の求人広告で10人応募ゲット! 飲食店の採用で学んだマーケティングの秘訣 | [マーケターコラム] Half Empty? Half Full?
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