2023年のB2B企業におけるSEO戦略について、前後編の2回に分けてお届けしている。
この記事では、B2B企業が2023年のデジタル環境において、トラフィックを増やし、リードを生み出し、競争力を維持するためのSEO戦略について解説している。
前編では「2023年のB2B SEOを取り巻く状況」と「キーワード調査」について説明した。後編となる今回は「オンページコンテンツの最適化」と「質の高い被リンク構築」について見ていこう。
オンページコンテンツを最適化する
オンページ最適化では、ウェブサイトとそのページを検索エンジンにとって理解しやすいものにする必要がある。オンページコンテンツを最適化するためのベストプラクティスには、次の5つがある:
- title要素
- meta description
- 見出しタグ
- 画像の最適化
- サイト構造
それぞれ詳しく見ていこう。
方法1title要素
説得力があり、簡潔で、キーワードを多く含むtitle要素を作って、検索結果ページに表示されたときにユーザーがクリックしたくなるようにしよう(70文字以内でページの内容を簡潔に説明するといい)。
title要素にビジネス名を含めるべきかどうかについてまだ明確なアドバイスはできないが、文字数に余裕があるなら、最後の方にパイプ記号(|)に続けて追加しておくといいだろう。
方法2meta description
ページの最初の段落は、読者にコンテンツの内容を伝える情報として重要だ。同様にmeta descriptionは、検索エンジンによってSERPの検索スニペットに表示される情報でもあるため、重要だ。meta descriptionには説得力のある簡潔な文を記述することが最善の策となる。
グーグルがよくmeta descriptionを書き換えて検索結果に表示することは知られているが、それでもページについて180文字ほどで説明することにより、検索エンジンや検索エンジンのユーザーに内容を把握してもらえるようにするだけの価値はある。
方法3見出しタグ
見出し要素(h1、h2、h3など)を使ってコンテンツを論理的に構成し、さらに読みやすくしよう。見出しには、各セクションのトピックを示す関連キーワードを含めてほしい。ブログ記事の書式によって可能なら、目次の役割もしてくれるため、長文のコンテンツ(一般に2000語以上)でも読みやすくなる。
見出し要素はSERPにも表示されるため、Q&A形式であれば、「他の人はこちらも質問」などのSERP機能にも使ってもらえる。
方法4画像の最適化
SEOでいう画像の最適化とは、次のようなものをさす:
- 画像のファイルサイズを小さくする(ページの読み込みを速くするために)
- 画像のファイル名を説明的なものにする
- 関連キーワードを含むaltテキストを画像のHTMLに追加する
これは、検索エンジンに視覚的コンテンツを把握してインデックス化してもらうのに役立つ。また、視覚に障害のあるユーザーに画像の内容を知ってもらうのにも役立つ。
方法5サイト構造
検索エンジンとユーザーにウェブサイトで情報を見つけてもらいやすい優れたサイト構造は、SEOの成功に不可欠だ。効果的なサイト構造によってユーザー体験が改善され、検索エンジンによるクロールやインデックス化が効率化でき、ページオーソリティが効果的に分配され、ウェブサイトの速度とパフォーマンスに貢献する。
これらの最適化項目はSEOの基本のように思われるかもしれない。しかし、検索エンジンに素早くインデックス登録してもらい、ユーザーに長時間サイトにとどまってもらえるようコンテンツを最適化するための重要な土台であることに変わりはない。
グーグルは常にユーザーのために最善を尽くすよう繰り返し求めており、速く、見つけやすく、読みやすいコンテンツにすることで、すべての課題をクリアできる。
質の高い被リンクを構築する
被リンクは、ウェブサイトの信頼性やオーソリティを示すものであるため、B2B SEOにおいて今もなお重要な要素だ。ただし、リンクでは量より質を重視することが肝要だ。質の高い被リンクを構築するには、次の戦略を検討しよう:
- リンクする価値のあるコンテンツを作る
- サイトをエリア分けしてコンテンツを分ける(それが理にかなっている場合)
- パートナーシップを結ぶ
戦略1 リンクする価値のあるコンテンツを作る
ターゲットオーディエンスに価値をもたらす、高品質で有益なコンテンツを作成しよう。これにより、他のウェブサイトが君のコンテンツを価値あるリソースとしてリンクしてくれる可能性が高まる。
たとえば他の人が共有したくなるような、次のようなものを作成することを検討してみてほしい:
- 新しい業界データに関する独自の調査研究
- インフォグラフィック
- ホワイトペーパー
- その他のガイド
戦略2サイトをエリア分けしてコンテンツを分ける(それが理にかなっている場合)
この戦略は誰もがうまくいくわけではないが、大きな組織であれば、サイト内にあるコンテンツを種類別に分けてエリアを区切ることは、サイト構造という点で理にかなっているかもしれない。
たとえば、Mozには次の2つのエリアがあり、戦略もコンテンツの種類も異なる:
また、多くの大企業サイトでは、次の2つのエリアを設けていることが多い(企業からの発表やプレスリリースを公開する場として):
- メディアや広報用のブログ
- メディア掲載情報のセクション
これは、報道機関などの組織に任意の種類のコンテンツセクションを分析して確認してもらうのに役立つ。MozのNews and Pressページは、この種のコンテンツエリアの例と捉えることができる
報道機関などの組織にとって企業の発表が見つけやすくなれば、より素早く簡単に見つけてリンクしてくれる可能性がはるかに高まる。重要なのは、ユーザーが必要な情報を素早く提供することだ。
戦略3パートナーシップを結ぶ
パートナーシップは、「ターゲットオーディエンスが同じでありながら競合していない他の組織」と協力する手法であり、君のブランドの露出(とトラフィック)を増やす素晴らしい方法となる。
幹部チームの同意が得られるなら、そうした組織とパートナーシップを結び、次のような施策を打つことで、より多くのリードやエンゲージメントを獲得できる:
- 自社のメーリングリストに相手のブランドに特化したメールを送信する(目的は、相手にも同じことをしてもらって自社の新規顧客を獲得することだ)
- 他のマーケティングチャネルを通じた共同プロモーションを行う(ブログ記事、ホワイトペーパー、動画など)
多くの組織は今も被リンクを購入しているが、私の経験では、被リンク購入はリスクが高くROI(費用対効果)の低い戦略だ。そうしたリンクを販売している企業は質の高い場所からの被リンクを保証できず、保証できたとしても、不正な戦術(他のウェブサイトと共有するコンテンツ内のリンクを完全には開示せずにリンクを得ているなど)を用いている可能性がある。
通常、リンクビルディングはアウトバウンド戦略ではなく、インバウンド戦略だと考えるのが最善だ。パートナーシップは有益だが、信頼性を高めて、取引の双方に効果をもたらすには、綿密に計画を練る必要がある。
結論最適化で成果を出す
オンページ最適化から被リンク戦略への取り組みまで、SEOはまさにいくつもの要素を集約したものであるため、その効果は各要素の効果によって決まる。どこで最大の成果を出しているかを確認するには、上述したすべての取り組みを収益への正確な貢献度によって適切に追跡し、SEOが君のB2B組織のどこに変化をもたらしているかを確認する必要がある。
結果の測定や分析についての詳細はMozのSEOビギナーズガイドで成果の測定に関する章を参照し、オーガニック検索トラフィックの品質を測定する方法はアドリアーナ・ステイン氏の記事を確認してほしい。
SEOがどこで最大のインパクトを与えているかを十分に理解できれば、今後の四半期または長期的な将来の計画で何を優先すべきかを選択できる。SEOのほとんどの要素は相乗効果をもたらすため、優先事項の選択はB2B SEOの取り組みを長期的な視点で構成するのに役立つ。
たとえば、サイト構造やサイト体験を改善することで、君のコンテンツにリンクするユーザーが増える可能性が高い。長期的な成果を得るには、バランスの取れた包括的なプログラムにしよう。
※このコンテンツはWebサイト「Web担当者Forum - 企業Webサイトとマーケティングの実践情報サイト - SEO・アクセス解析・SNS・UX・CMSなど」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:B2B企業のSEOで基本として押さえたい「オンページ最適化」「被リンク構築」(後編) | Moz - SEOとインバウンドマーケティングの実践情報
Copyright (C) IMPRESS CORPORATION, an Impress Group company. All rights reserved.