「基本的なコンテンツ戦略から、より高度なコンテンツ戦略にステップアップするための方法」を、アジーム・アーマッド氏がホワイトボード・フライデーで解説する。
オーディエンスにとって「適切なコンテンツ」を「適切なタイミング」で作ることで、コンテンツ戦略を多様化しよう。
マーケターが測定を間違っている3つの例
まず、とても大胆な私見を述べたい。それは、僕たちがマーケターとして測定を間違えているということだ。ここで3つの例を挙げよう:
ブランド認知度を測定する場合 ―― ダウンロード、トラフィック、参照、メンションなど、測定できる要素がたくさんある
エンゲージメントを重要なKPI(重要業績評価指標)とする場合 ―― リンク、「いいね!」、コメント、シェア、リポストなどの指標を見る
リード生成の場合 ―― 主にMQL、SQL、サブスクリプション、コールバックなどの指標を見る
ごく簡単に挙げてみたが、いずれも、測定を間違えていると思う例だ。
高度なコンテンツ戦略を立てる
ただ作っただけのコンテンツではもう無理
コンテンツの読者(オーディエンス)について言えば、彼らが「何を求めているか」はわかっているつもりでも、彼らがそれを「どのように求めているか」がわかっていない。さらに現在のインターネットの世界では、「Hit & Hope」(ただ「作った」だけのコンテンツを公開して「読んでもらえといいな」と待つだけ)では、うまくいかなくなっている。
インターネットはもう、その先に進んだと心から実感している。そこで、「基本的なコンテンツ戦略」から、「さらに優れたコンテンツ戦略」へと、できれば高度なものへと進化させる方法を、ごく簡単に紹介する。最初は基本からだ。
基本的なコンテンツ戦略
多くのマーケターは基本の段階にいると思う。基本的な段階のコンテンツ戦略は、次のようなものだ:
特定のトピックに焦点をあて、それを基本としてコンテンツを作る。
たとえば、樹木を話題にしている場合は、樹木がトピックになるかもしれない。それが枠組みとなって、そこから枝わかれし、樹木に関するさらに多くのトピックが生まれ、次に進む。
これ自体は戦略として問題ない。多くのマーケターはこの段階にいると思う。
続いて、より良い段階の戦略を紹介する。
より良いコンテンツ戦略
より良いコンテンツ戦略とは、次のようなものだ:
Googleアナリティクスのマルチチャネルファネル(MCF)を見て、パフォーマンスの高いコンテンツとはどのようなものかを理解し、オーディエンスが購買ジャーニーのどこにいるかに基づいて、高パフォーマンスのコンテンツを拡充する。
高度なコンテンツ戦略
さらに高度なコンテンツ戦略は、次のようなものだ:
Googleアナリティクスなどで分析して顧客(オーディエンス)を5セグメントほどに分類し、データドリブンなアトリビューションモデルでそのパフォーマンスを把握し、オーディエンスに適したコンテンツを適切なタイミングで作成する。
これが、ここで達成しようとしていることだ。
オーディエンスの行動と改善方法の4つの例
さて、実際にコンテンツ戦略を改善するには、ここまでの情報をどのように使い、どのように処理すればいいのだろうか。
オーディエンスの行動と改善方法の例を挙げる。
ここから示す例では、GA4でスクロールトラッキングとYouTubeのビュー測定を設定している状況を想定している。この2つを組み合わせると、ユーザー行動をいくつかに分類できる。
たとえば、あるセグメントのオーディエンスがページをどこまで下にスクロールし、ページ内の動画をどれだけ見ているかという点で、コンテンツへどうエンゲージしているかがわかる。
その行動でセグメント化し、それぞれに適したコンテンツを検討していくという流れだ(ここでは顧客を4セグメントに分類している)。
例1: スクロールはあまりしないが動画はかなり見るオーディエンスの場合
例1は、「スクロールはあまりしないが動画はかなり見る」オーディエンスだ。こうしたオーディエンスが中心の場合、僕ならページの冒頭で長い動画を紹介する。
オーディエンスが何を求めているかがわかったら、オーディエンスに手間をかけさせてはいけない。ページを下にスクロールさせてはいけない。オーディエンスにとって可能な限りシンプルなものにしよう。
例2: かなりスクロールするが動画はあまり見ないオーディエンスの場合
例2は例1の逆で、かなり下までスクロールするが、ページに掲載された動画はあまり見ないオーディエンスだ。
こうしたオーディエンスが中心の場合は、極めて詳細なコンテンツを作り、リマーケティングを活用して自分のウェブサイトに呼び戻せばいい。
例3: スクロールも動画の視聴時間も平均的だが、ASDが高いオーディエンスの場合
例3は、スクロールも動画の視聴時間も平均的だが、ASDが高いオーディエンスだ(ASDは「Average Settle Duration」、つまり「平均滞在時間」を示す指標として僕が提唱しているもの)。僕はこうした人を、ページホッパー(ページ間を渡り歩く人)と呼んでいる。
このような人たちは、購買ジャーニーのリサーチ段階にいる可能性が非常に高い。そのため、こうしたオーディエンスが中心の場合、コンテンツでは、君のブランドや、君が競合他社より際立っている理由に焦点を当てるといい。
例4: スクロールもせず動画も見ないオーディエンスの場合
例4は、スクロールもせず、動画も見ないオーディエンスだ。こうしたオーディエンスが中心の状況では、明らかにつながりが絶たれている可能性が高い。しかし、購買ジャーニーの早い段階で短い動画を取り入れるチャンスはまだある。
ここで示した例ではスクロール状況と動画の閲覧状況を使った。あなたのサイトでも、さまざまな情報を活用し、4つの例のように自分のサイトのオーディエンスをセグメント化して見極めよう。
そして、音声やスニペット、さまざまな形式の紹介動画を取り入れるなど、より多様な方法で、オーディエンスに合ったコンテンツ戦略を立てよう。そうすれば、きっとうまくいくし、コンテンツ戦略で今後さらに大きな成功を収められるはずだ。
このごく短い動画で、何か得られるものがあったと思ってもらえたら嬉しい。僕のソーシャルメディアアカウントは@AzeemDigitalだ。僕のSEOがうまくいっているなら、「How can I contact Azeem」(アジームに連絡するには)と入力してもらえば、僕のウェブサイトにたどり着くはずだ。今日はとても楽しかった。どうもありがとう。それではまた。
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オリジナル記事:コンテンツ戦略は1つではない。考え方を進化させる方法論と4つの改善例 | Moz - SEOとインバウンドマーケティングの実践情報
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