プロダクトマネージャーに必要な3つのスキルとは? リクルートのPdMが語る仕事のリアル | 【レポート】デジタルマーケターズサミット2023 Winter
最近、よく聞くようになった「プロダクトマネージャー」という職種。プロダクトマネージャーにはマネジメントスキル、UXやテクノロジーの知識、マーケティング思考など、さまざまなスキルが求められる。なりたいけど何をしたらよいかわからないという方も多いのでは?
株式会社リクルートの加藤舞子氏が「デジタルマーケターズサミット 2023 Winter」に登壇し、リクルートのプロダクトマネージャーの役割や必要なスキルについて講演を行った。後半では、異業種・他職種から転職し、プロダクトマネージャーとして活躍するメンバー2名が参加し、質問に回答しながらプロダクトマネージャーの仕事のリアルを伝えた。
プロダクトマネージャーに必要なスキルとは? リクルートのプロダクトマネージャーに求められるT字型スキル
不動産ポータルサイト「SUUMO」のプロダクトマネージャーである加藤氏は、新卒でリクルートに入社。8年間飲食領域にて「ホットペッパーグルメ」などのプロダクトマネージャーを経て、2022年から「SUUMO」を担当している。
リクルートには、プロダクトデザイン室という「プロダクトを生み出し、成長させる」ためのデザインをするチームが存在する。プロダクトデザイン室には、大きく分けて3つの職種が存在する。「プロダクトマネージャー」「デザインディレクター」「クライアントサクセス」の3つだ。本講演では、プロダクトマネージャーの業務内容と必要なスキルを紹介する。
加藤氏はまずプロダクトマネージャーの具体的な業務について次の図を示した。リクルートではT字型スキルと呼んでいるという。
横軸はプロダクト開発のステップが時系列に並んでおり、その下にそれぞれのステップで求められるプロダクトマネージャーのスキルが整理されている。縦に長いほど重要なスキルだ。業務の流れは、まずマーケットを分析し、課題を特定、プロダクトの提供価値やその価値に対するリターンは何かを議論する。その後、メインとなるユーザーを定義し、関連する業務の要求を洗い出し、ユーザーが使う画面に必要な機能・デザインを固めていく。最後に、要件について開発を進めていき、進行管理をしていくという流れだ。
リクルートの特徴としてサービスの規模が大きく、関連ユーザーが多い点があげられます。クライアント(不動産会社)やカスタマー(顧客)だけでなく、営業、制作、オペーレーターなど、すべての関連ユーザーに対して、いつごろ・どのような提供価値のプロダクトや機能がリリースされるのか伝えていく必要があります。開発の進捗管理にとどまらない、プロジェクト管理をしていく必要があります(加藤氏)
プロダクトマネージャーに必要な3つのスキル
プロダクトマネージャーにはさまざまなスキルが必要となるが、加藤氏は必要なスキルとして次の3つをあげて、それぞれ詳しく解説をしていった。
- さまざまなファクトから仮説を立てること
- 本質的な“あるべき姿”を言語化すること
- 検証を繰り返し、ネクストアクションを定めること
1つ目のスキルは、「さまざまなファクトから仮説を立てること」だ。課題が顕在化している場合は、社内に蓄積されているさまざまなデータをもとに、数字を根拠に仮説を立てているという。その後、調査などを用いて定量アンケートを行い、マーケットのデータとサイトの利用者のログなどを照らし合わせて、打ち手の検討を行う。課題が顕在化していない場合は、取引を行っている企業クライアントに相談し、ヒアリングや常駐をして実際の業務を体験し、課題やマーケットニーズを特定しているという。
昨年秋に、不動産会社に2週間常駐した社員は、『一見すると合理的に思えないことも、ユーザーが変わると合理的で必要であることが理解できた』と話していました。データを見るだけでなく、現場の業務を把握して、課題に対してさまざまな視点から打ち手を検討することはとても大切です。数値の変化によって影響をうける方が多くいるので、1つのアクションの重みを現場で実感することにより、プロダクトづくりのスタンスが変わる面もあるかなと思います(加藤氏)
2つ目のスキルは、「本質的な“あるべき姿”を言語化すること」だ。加藤氏はプロジェクトリーダーが、キックオフミーティングでメンバーに発信したという資料を示した。
キックオフミーティングはエンジニア、デザイナー、データサイエンティストなどさまざまな職種の人が集まって、なぜやるのか、どうしてやっていくのか、どういう風にしたいのかの認識合わせを行う会議体です。ファクトが集まり、仮説を立て、打ち手まで絞れたときに、あるべき姿、目指したい姿を言語化するようにしています。はじめは間違っていてもいいので、言語化したあるべき姿をメンバーに発信します。それをもとに質問を受けたり、議論をしたりして目線合わせをすればよいので、まずは実現したい世界を断言することを大切にしています(加藤氏)
3つ目のスキルは、「検証を繰り返し、ネクストアクションを定めること」だ。
大切なのは、仮説通りなのかどうかを検証し、仮説通りではない場合、どうするか次のアクションを定めることです。A/Bテストの振り返りでも、勝ち負けよりも仮説に対して振り返りを行い、次に何をするのかを確認しています。次のアクションが決められない場合は、ファクトが足りなかったり、見落としていたりするので、もう一度ファクト集めに戻って、精度を高めにいくようにしています(加藤氏)
異業種・他職種から転職した二人が語る、プロダクトマネージャーの仕事のリアル
続いて、異業種、他職種から転職したメンバーが参加し、プロダクトマネージャーの仕事について加藤氏や視聴者からの質問に回答する形で進められた。
参加者の一人目は、大手インターネット企業でキャンペーン企画を担当していた小柳 雄二郎氏。2022年5月にリクルートに入社し、現在は新規事業である美容院デジタルサイネージ「BELLET」などのプロダクトディレクターをしている。二人目は、タイヤメーカーでWeb担当をしていた津野 彰大氏。入社して約1年で、現在は「SUUMO」の注文住宅のWEB予約導入などのプロダクトマネージャーをしている。
Q:前職で経験したことで活かせているスキルは?
前職ではキャンペーンのLP制作で、デザイナー、エンジニアのスケジュール管理などを経験しました。タスクを細かく分けて遅延なく進むように調整した経験は、現在の仕事でも活かせています。また、新卒で入社してからの半年間は新規営業をやったので、新規事業でわからないことを自分で開拓していったり、ファクトを自分で集めにいったりするところで活かされているかなと思います(小柳氏)
小柳氏が担当する「BELLET」は、美容院にデジタルサイネージを置いて広告やコンテンツ配信をするサービスで、「ホットペッパービューティー」との連携はあるものの、基本的には顧客がゼロの状態から新規の顧客を獲得していっているという。
前職では、プロダクトマネージャーという言葉を知りませんでしたが、店舗の集客やWebサービスの収益・効果は見ていたので、プロダクトの戦略を描き、あるべき姿の言語化はしていました(津野氏)
Q:転職して足りてない・最も必要だと思ったスキルは? そのスキルはどうやって習得した?
事業全体の戦略、方針を言語化するスキルは、前職で経験がない分、足りていないと感じました。わからないことだらけでしたが、レベルの低い状態でも自分が考えたことを上長や周りの人に壁打ち(相談)していました。いろいろなフィードバックをもらって、ブラッシュアップしています(小柳氏)
前職はトップダウンの会社でしたが、リクルートはボトムアップの会社。上司と意見が違うと思ったら、『何がどう違うのか』を伝えるカルチャーの会社です。入社して1ヶ月半、上司の意見に従っていたら、『反論してきなよ』と言われました。初めて上司の意見に反論したときは緊張しましたし、その返しが来て負けるというフェーズがありました(笑)。半年過ぎたあたりで、徐々に上司を説得できるようになりました。自分が何をしたいかを考え続けて、いろいろな人に意見を聞いて、自分の中で納得できる意見をつくることが大事だと思います。
『SUUMO』ではプロジェクトをやるべきかどうかも議論します。トップダウンの会社であれば、やらないという選択肢はありえませんが、『SUUMO』ではやらないという判断になることもあります。やる/やらないの判断からするという点は驚きました(津野氏)
小柳氏も「お前はどうしたいんだ? と本当に聞かれるんだ」と感動したという。イエスマンではなく、自分の意見を伝えて、フィードバックを得るという経験を日々しているという。とはいえ、転職したてでは、知らないから反論できないというフェーズがある。そのフェーズはどうやって乗り越えていったのだろうか?
いろいろな人に話を聞いて回ることが大事だと思います。リクルートは聞いたことに対して、みんながオープンに教えてくれるので、ファクトが集まって、自分の意見ができていくという感じでした(津野氏)
Q:異業種からの転職なのに、なぜ採用されたと思う?
加藤氏は自分が面接官だったら、どうして二人を採用したかという観点で以下のように答えた。
共通するのは、適切な好奇心があることです。好奇心を実現するために、いろいろな人に話を聞いて、開拓して、楽しんでいることが話していて伝わってくる。リクルートは、賢い人がサービスを作っているというよりも、アイデアを言う人、こういう風に実現できるよという人、こうすれば拡張しやすいのではという人たちが集まって、プロダクト価値を生み出している会社。好奇心があることは重要な素質です(加藤氏)
かっこいいサービスの裏には地道な努力があって、その泥臭い部分をポジティブに推進していけると思ってもらえたのかなと思います(小柳氏)
メーカーで働いていた時に、店舗に行って現場の担当者の声を聞いて本社に伝えるということをやっていました。聞いてもすぐ教えてもらえないこともありましたが、情報を自分で取りに行ってアクションにつなげた経験が評価されたのかなと思います(津野氏)
Q:ファクト収集での、対人ヒアリングのコツは?
2つあります。1つは、ヒアリングの時間は短く、回数を増やすこと。本音を引き出すには信頼関係を作ることが大事。『あいつ、また来たな』と思われるくらいに。行けないときは電話をしています。もう1つは、ヒアリングの目的を伝えることです。みんなのためにやっていることが伝われば、協力してくれます(津野氏)
Q:プロダクトマネージャーに必要な3つのスキルはどうすれば磨ける?
私は一つ一つの仕事を機会として捉えることなのかなと思います。『これはプロダクト価値づくりにつながるのだろうか』という仕事もあると思います。たとえば、打ち合わせをするときは、誰の心をつかむのかターゲットを決めています。この人の、この心を動かしたいので、こういう仕事をしようと目的設計をして取り組むと振り返りがしやすいです。つまりは、目の前の仕事を頑張るということなのですが(笑)、捉え方を変えてみるのも大事なのかなと思いました(加藤氏)
やろうとしていることは、誰のためにやっているのか立ち返るようにしています。誰にどんな価値提供をするのか、解像度が高くなると、なぜこのプロジェクトをやっているかに気づけると思います(小柳氏)
できている人のやり方・考え方を真似することです。結論が出たことに対して、どういう思考のプロセスで考えたのかを聞き、それをそっくりそのまま自分でやってみています(津野氏)
プロダクトマネージャーは、関わるフェーズが広く、コミュニケーションする相手も多い。先端的な仕事というよりも、地道にコミュニケーションをとりながら業務を円滑に進めていく役割ということが伝わったのではないだろうか。最後に「リクルートでは共に挑戦する仲間を募集しているので興味のある人は応募してほしい」と加藤氏は講演を締めくくった。
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GA4で解像度の高いデータ取得を可能にする! Googleタグマネージャー活用事例を紹介 | 【レポート】デジタルマーケターズサミット2023 Winter
Googleタグマネージャー(GTM)を活用すると、Googleアナリティクス4(GA4)単体では取得できない、より解像度の高いデータ取得が可能になる。『現場で使える Googleタグマネージャー実践入門』著者のマーチコンサルティング代表の神谷英男氏が「デジタルマーケターズサミット 2023 Winter」に登壇し、GTMによる「施策に基づいた計測事例」を紹介した。
『現場で使える Googleタグマネージャー実践入門』(著者:著者:神谷 英男/石本 憲貴/礒崎 将一 監修:小川卓 出版:マイナビ出版)
Webサイトの「タグ」を管理するGTM
神谷氏は、まずGTMとは何かといった基礎知識から解説していった。
GTMは、Webページに記述する計測用のタグを管理するためのツールで、Googleが無料で提供している。タグとは、アクセス解析や広告の効果測定のために使われる文字列のこと。ソースコードに記すことで計測が可能になるが、リマーケティング用や広告のコンバージョン(CV)用など、測定したい項目が多くなるとタグの記述も煩雑になってしまう。そこで、このタグを一元管理するためのツールがGTMだ。あらゆるタグの管理をGTMの管理画面からまとめて行えるようになる。
タグをまとめて管理できることのほかに、GTM導入には次のようなメリットがある。
- マーケターが直接ソースコードを触る必要がない
- テスト環境(プレビューモード)がついている
- バージョン管理機能があるため、複数人での管理が簡単になる
- GA4単体ではとれないデータが取れる
ソースコードにタグを入力する際、コピー&ペーストのミスで消してはいけないものを消してしまうリスクがありますが、マーケターが直接ソースコードを触る必要がなくなるのでリスクを低減できます。
また、プレビューモードがあるので、タグの動きが意図したとおりに動いているかを確認できますし、バージョン管理機能もあるので、間違えた場合は前のバージョンに戻すこともできます。
そして、GTMを使うとGA4単体では取得できないデータが取得できるようになります(神谷氏)
神谷氏は以降、「GA4単体では取得できないデータの取得方法」を中心に解説していった。
GTMの設定の基本と設定例
GTMの設定には、次の3つの要素が必要だ。
タグ:GTMで実行するタグ(処理・タスク・仕事)
例)GA4に計測データを送信する、Google広告にCVを送信する、etcトリガー:タグを実行するための条件
例)サンクスページを閲覧した時、指定のURLをクリックした時、etc変数:タグやトリガーで利用する値(数値・文字など)
例)ページURL、クリックしたURL、etc
GA4の基本計測の場合
では実際に、ある企業の本社サイトでの設定例を見てみよう。次図はGTMでGA4の基本計測をする場合の設定例だ。
まず、「変数」を設定する。ここでは、変数のタイプとして「定数」を選択し、値にGA4の測定IDである「G-ABCDE12345」を入れ、計測ID欄には「本社サイト測定ID」などと名付ける。
次に、「タグ」を設定する。タグの種類は、あらかじめGTMに用意されている「Googleアナリティクス:GA4設定」を選択する。測定IDはリストから選択できるので、先ほど設定した変数「本社サイト測定ID」を選択する。
もちろん、測定ID欄には「G-ABCDE12345」という値を直接入力してもよい。しかし、1つのGTMの中で、1つのGA4の設定しかしないのであれば「G-ABCDE12345」を直接入力してもよいが、複数のGA4設定が必要になった時に、どのサイトのものだかわかりにくくなってしまうため、管理者側が認識しやすい名前を付ける方がよいという。
続いて「トリガー」を設定する。GA4は基本的に全ページを計測するので、「All Pages」を選択している。これをプレビューして問題がなければ公開する、という流れになる。
Google広告のCV計測の場合
次図は、Google広告のCV計測の設定例だ。ここでは、お問い合わせなどのサンクスページの閲覧をCVとしている。
まずは「トリガー」として「PV - サンクスページ」と名づけ、トリガータイプは「ページビュー」、このトリガーの発生場所はサンクスページのページパスを設定する。
「タグ」の設定では、タグの種類としてあらかじめ用意されている「Google広告のコンバージョントラッキング」を選択し、トリガーに、先ほど設定した「PV - サンクスページ」を選択する。これで、このサンクスページが閲覧されると、Google広告にCVしたことを通知するようになる。
覚えておきたい、よく使われるタグ、トリガー、変数一覧
続いて神谷氏は、GTMでよく使われるタグ、トリガー、変数を紹介した。
GTMでよく使われるタグとその機能
Googleアナリティクス:GA4設定…GTM内でGA4を設置する基本的な計測タグ。
Googleアナリティクス:GA4イベント…GA4の標準イベントにパラメーターを追加・上書きする場合や、カスタムイベントを送信するタグ。
カスタムHTML…Googleアナリティクス(GA)以外の解析ツールやCRM(Customer Relationship Management)ツール、広告タグなど、ツールが発行する埋め込みコードをGTM内で設置する場合によく使われる。
Google広告の●●タグ、コンバージョンリンカー…GTM内でGoogle広告のCVやリマーケティングのタグを利用する場合に使う。コンバージョンリンカーは広告CVの計測精度を高めるためのもの。
他の広告媒体系タグ…Yahoo!広告やTwitter広告、LinkedIn広告などの広告タグ。
GTMでよく使われるトリガーとその機能
ページビュー…Webブラウザでページの読み込みが開始されたタイミングで、指定の条件と合致した場合。
リンクのみ(クリック)…リンク(<a>タグ)がクリックされたタイミングで、指定の条件と合致する場合。
すべての要素(クリック)…ページ内のすべての要素(リンク、画像、ボタンなど)がクリックされたタイミングで、指定の条件と合致した場合。
トリガーグループ…指定した複数のトリガーの条件が、すべて合致した場合。
他にも、スクロールやタイマー、要素の表示など、さまざまなトリガーがある。
GTMでよく使われる変数とその機能
- Page URL、Page Path…ユーザーが閲覧している現在のURLが格納される。
Page URL の場合の例は https://www.sample.co.jp/thanks.html Page Path の場合の例は /thanks.html
Click URL…ユーザーがクリックしたリンクURL(<a>タグのhref)が格納される。
Click ID、Click Class、Click Text…ユーザーがクリックした要素(リンク、画像、ボタン等)のHTML上でのID、Classやテキスト(<a>●●●</a>)が格納される。
上記にあるClick URL、Click ID、Click Class、Click Textを、HTMLでのリンク例で示すと次のようになる。ただし、GTMの初期状態では利用できない。設定を行う必要があるので注意が必要だ。
GA4のイベントとパラメーター
次に神谷氏は、GA4のイベントとパラメーターについて解説した。GTMでGA4の設定をしていく場合、これらの基本的な理解がある程度必要になるからだ。
GA4のイベントとパラメーターは、次の図のように例えることができる。
イベントは「できごと」で、上図であれば「ドアを開けること」がイベントにあたる。イベントパラメーターは「付随情報」で、開けた人物が誰かなどイベントをより詳しく説明するためのものだ。
なおイベントには、次図のように標準で用意されているものと、新たに作るカスタムイベントがある。
page_viewには、標準のイベントパラメーターとしてpage_location、page_title があるが、そこにカスタムのイベントパラメーターも追加できる。たとえばブログであれば誰が書いたものか(例:post_author)、カテゴリは何か(例:post_category)を後から設定できるわけだ。
上の図のtel_tapは神谷氏が新たに作成したもので、電話番号がクリックされたときに電話をかけるイベントだ。イベントパラメーターlink_urlによって、クリックされたときにかける電話番号を設定できる。
たとえばスマートフォンで電話番号がタップされたときをCV計測する場合、GTMの設定は次のようになる。
まず、「トリガー」の発生場所として、変数「Click URL」の先頭が「tel:」から始まるものを設定する。
そして、「タグ」の設定では、「Googleアナリティクス:GA4イベント」を選択する。イベント名は半角英数字記号で任意に設定するが、ここでは「tel_tap」。イベントパラメーターは「link_url」、変数は「Click URL」を設定する。これで、tel:から始まるリンクをタップすると、link_urlがイベントとしてGA4に送られて計測できるようになる。
このカスタムイベントをCVとして設定したい場合は、GA4でコンバージョンイベントとして、作成したカスタムイベントを設定する。これでCVとして計測できるようになる。
バリエーション豊かなカスタムイベント
GTMで設定できるカスタムイベントのバリエーションは豊富だ。たとえば、次のようなものがカスタムイベントとして、GA4に送信できるので、さまざまなデータを計測できるようになる。
- ●●をクリックしたら…
- ●●のページを見たら…
- 画面が●●%以上スクロールされたら…
- 指定した画像やメインコンテンツが●●%画面上で表示されたら…
- ●●秒経過したら…
- 1.と2.の両方の条件を満たしたら…
- 1. 2.と5.のどちらか一方でも条件を満たしたら…
こうしたトリガーを組み合わせてどういうカスタムイベントを送信するかを考えてみよう。
応用例:GTMを利用した施策に基づく計測
ここからは、GTMを利用した「施策に基づく計測」について紹介していく。
GAだけで、CVまでの遷移を計測すると、次のようなものになる。
GAのデータ計測では、遷移の経路やページの直帰率、離脱数、ユーザー数などがわかるので、どのページに問題がありそうかまでは判断できるが、そのページの具体的に何が問題なのかまではわかりにくい。
そこで問題箇所を絞り込むために、ページの役割を考えてみる。たとえば、次図のように、ブログを例に考えてみよう。
上記のブログ記事の目的は「集客=閲覧開始数」で、ユーザーにしてほしい行動は、「次のページへの遷移」「記事内の外部リンクへの遷移」「記事をよく読んでもらうこと」だ。
次ページに遷移してもらうためには、メニューやバナーなどをクリックしてもらうことになるため、「クリック系のカスタムイベント」などを作成するとよい。ページの役割を考えて、このような細かな設定をすることで、より解像度の高い分析ができるようになる。
BeforeとAfterを比べると、どこがクリックされてページ遷移したのかが詳しくわかり、解析の解像度が上がったことがわかります(神谷氏)
製品ページなどでも同様に、次のようなステップでカスタムイベントを定義して、計測できる。
- ページの目標を考える
- 次点の目標を考える
- GTMで1.や2.が定義できるか検討する
- 定義できればGTMで設定する
- 施策を実行して、計測する
ページの役割を意識して、1.や2.のようなマイクロコンバージョンを定義できるか検討し、定義できればGTMで設定します。マイクロコンバージョンを計測できるようになると、より一層の気づきが得られるようになるでしょう。
GTMは、標準で用意されているイベントだけでも、ある程度のデータの取得設定ができますし、自分で定義した基準を設定することで、より詳しく分析できるのでぜひ試してみてください(神谷氏)
「ウェブ解析士協会公式サイト」のGTM、GA4の管理をしている神谷氏は、さまざまな高度な分析を試しているという。たとえば、著者別の精読率の比較、ウェブ解析士の資格別によるユーザーの行動の違い、ペルソナとカスタマージャーニーの分析などだ。
神谷氏は「今回の講演だけではわからないこともあるかもしれませんが、まずはGTMでどんなことができるのか、概念だけでもわかってもらえればと思います。あとは、実際に自分で使ってみながら理解を深めてほしいです」と述べて講演を締めくくった。
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5月第2週【5/8~5/12】 マーケティング、SNS、ECなど各社Webセミナー情報まとめ 64件 | マーケティング・Web系セミナー情報まとめ
「SNS運用って本当に役に立ってるの?」とは言わせない! ビジネスで成果を示すSNS分析とは | 【レポート】デジタルマーケターズサミット2023 Winter
「フォロワー数が倍増した!」「インプレッション数が300万を超えた!」ついつい数字だけに目がいってしまいがちなSNSの効果測定。アナリティクスの数値は伸びているけれど、「それが自社のビジネスにどう貢献しているのか」を正しく理解できていないSNS運用担当者は多いのではないだろうか。
「デジタルマーケターズサミット 2023 Winter」では、株式会社ウェブタイガー代表取締役であり、SNSマネージャー養成講座代表の田村憲孝氏が登壇。ビジネスで成果を示すSNS分析の方法と手順を解説した。
フォロワー数の増加は仕事にどう役立つの? と聞かれたら
田村氏は2010年よりSNSコンサルタントとして活動し、数多くの企業や地方自治体のソーシャルメディア運用・IT活用をサポートしてきた。そんな中、「フォロワーやインプレッションが多いのはわかったけど、それがどう自社のメリットになっているの?」が問題になるケースは多かったという。
かつて、Twitter運用の見本とされていたような影響力の強い企業アカウントですら、『事業の役に立っていない』と言われて運用を停止してしまったという事例があります。『役に立たない』と思われてしまうと、その意見を押し戻すのは難しい。そうならないためにも、正しく分析画面を見て、目的にあった運用をすることが大切です(田村氏)
このセッションでは、次の3つのテーマについて解説された。
- 何のために分析するのか?
- 運用目的と目標値の連動
- 関係者への情報共有
1. 何のために分析するのか?
まず、そもそも何のためにSNS分析を行うのか。田村氏は「運用しているSNSアカウントが、いかに自社のビジネスに貢献しているかを計測するため」だと語る。
当たり前の答えだと思うかもしれませんが、現場では数字の増減だけ見て、“上手に運用しているかどうか”を判断しているケースが少なくありません。SNS運用が上手いかどうかではなく、会社にどういうメリットがあるかという軸で分析する必要があります(田村氏)
では、どういう状態であれば「ビジネスに貢献できている」と言えるのだろうか。例として、田村氏はいくつかのパターンを紹介した。
「SNSから販売サイトに誘導し、売り上げにつながっている」「実店舗に誘導できている」という状態。一番わかりやすいが達成も難しく、これを目的とする場合は、広告出稿を推奨することが多いという。
「オンラインでのコミュニケーションを活性化し、顧客との日常的な接触ポイントを確保できている」という状態。直販を行わないメーカーの場合でも、SNSによって顧客と直接やり取りすることで、親密度の向上や商品の想起を促すことができる。
「ユーザーが自社の商品やサービスについて言及してくれるようになり、認知度が向上している」という状態。ユーザーの自発的な発信によって知名度が上がっているような場合を指す。
上記以外にも、企業が置かれている状況によって、理想とする形はさまざまだ。「ただ単にSNSをやっている」ではなく、「ビジネスにSNSを活用している」ことを示すために、まずは事業に合った目的を設定する必要がある。
その上で行うのが、「目的と連動した指標の設定」だ。フォロワー数が多ければいいのか? エンゲージメント率が高ければいいのか? 目的の達成のために、分析画面のどの項目を見ればいいのか? を明らかにする。
大切なのは、まず運用の目的を設定すること、そしてどの指標に重点を置くのかを決めることです。その指標が改善するほど、目的が達成されている=自社のビジネスに貢献していると示すことができます(田村氏)
2. 運用目的と目標値の連動
ここからは、目的に応じた指標の設定について紹介する。「運用の目的」によって、分析画面で見るべき項目は違うという。田村氏は、目的を大きく3つに分けた。
目的①「認知拡大」の場合
まず、目的を「認知拡大=とにかく多くの人に知ってもらうこと」に設定した場合。見るべき指標は次の2つだ。
閲覧数(リーチ・インプレッション)
どれだけ多くのユーザーが自社の情報を閲覧したか。言及数
どれだけ多くのユーザーが自社商品について話題にしているか。クチコミ投稿の数はどうか。
たとえば、Instagramの分析データ画面では、「過去90日間」「それ以前の90日間」のリーチ数を比較できる。また、「メディアタイプごとの投稿のリーチ中央値」「コンテンツフォーマットごとのリーチ中央値」からは、どのような投稿がリーチを獲得しやすいのかがわかる。このように、投稿ごとに分析データを確認し、リーチが伸びやすい動画やリールなどに内容を寄せていくことが可能だ。
また、言及数については「Yahoo! リアルタイム検索」で調べるとよい。「SNSマネージャー」などのキーワードを指定して検索すると、その単語を含むツイートが表示される。重要なのが右側の「ツイート数の推移」だ。言及数が多い時に何が起こったのか(新製品リリース、メディアの露出など)に注目し、今後の運用方針に活かすことができる。
目的②「ユーザーとの接点確保」の場合
次に、「ユーザーとの接点確保(コミュニケーション)」を目的にした場合。見るべき指標は「エンゲージメント数」となる。これはSNS上で発生している交流の数のことで、コメントやいいね、引用リツイートなどが含まれる。数だけでなく、発言内容についても必ずチェックするべきだという。
店舗のアカウントに、お客さんからのポジティブなコメントが入った場合、ただ“コメント数1”とカウントするのではなく、コメントをキャプチャして現場の皆さんに共有してください。現場のモチベーションが上がるので、よいスパイラルを生みます(田村氏)
なお、オフラインでの「リアルな施策」も重要だと田村氏は指摘する。飲食店であれば、店内に店名がわかるものを置いておくと効果的だ。SNSアカウントのQRコードやハッシュタグを卓上ポップで示すだけで、顧客は店名をSNSに投稿しやすくなる。直接話す機会があれば、「ぜひフォローしてください」と言葉で伝えるのもよいだろう。
目的③「販売・集客」の場合
最後に、「販売・集客」が目的の場合。見るべき指標は「リンクのクリック数」だ。ECサイトの商品ページやお店に誘導するリンクがどれだけクリックされているかを評価する。
最近はFacebookやInstagramのショップ機能も充実しており、SNS内で販売ができます。販売コンテンツがどれくらい見られているかも、販売・集客の指標になるでしょう(田村氏)
上記を整理すると、目的に合わせた指標は次のようになる。
目的 | 指標 |
---|---|
①認知拡大 | 閲覧数・言及数 |
②ユーザーとの接点確保 | エンゲージメント数 |
③販売・集客 | リンククリック数 |
ただし、「目的に合わせたメイン指標以外の数値を無視していいわけではない」と田村氏は語る。認知拡大のために閲覧数を上げるには、もちろんフォロワー数が関係する。また、リンクのクリック数を増やすには、普段からエンゲージメントを高めておく必要がある。
今はどのSNSも、普段からいいねやコメントをしているアカウントが表示されやすくなるというアルゴリズムになっています。そこで、目的とした指標を上げるために関連する指標を分析して、サブKPIを設定するようにしてください。見るべきポイントは多いですが、一番大切なことは、本来の目的とメインの指標・数値を見失わないことです(田村氏)
3. 関係者への情報共有
SNS分析においてもう一つ重要なのが、「関係者への情報共有」だ。SNS運用チーム内だけではなく、関係者にも成果を共有する必要がある。田村氏は、運用開始時の運用企画書や毎月のレポートにおいて、必ず目的と目標値を確認するようにしているという。
上図は「SNSマネージャー養成講座」のSNSアカウント運用にあたって、田村氏が作成した運用企画書だ。この場合は「認知度向上」を目的として、現状の数値とKPI(目標値)を明確に記載している。
なお、運用企画書では上の10項目を整理して記載するという。ターゲットとなるユーザー層や炎上等の緊急時の対応など、細かく設定できるとなおよい。田村氏は、「各項目の詳細まで詰めることができなくても、運用目的とKPIだけは必ず明確にしておいてほしい」と強調した。
SNSの効果測定は、数字の増減を眺めているだけでは始まらない。田村氏は講演のまとめとして、「まずは、SNS運用は自社のビジネスにどう役に立っているの? という視点をしっかりと持ってください。その上で、運用目的と目標値が連動している仕組みを作ることが大切です。また、設定した目的と指標については、ぜひ全社に共有するようにしてください」と語り、セッションを締めくくった。
※このコンテンツはWebサイト「Web担当者Forum - 企業Webサイトとマーケティングの実践情報サイト - SEO・アクセス解析・SNS・UX・CMSなど」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:「SNS運用って本当に役に立ってるの?」とは言わせない! ビジネスで成果を示すSNS分析とは | 【レポート】デジタルマーケターズサミット2023 Winter
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ユーザー愛にあふれたUGCをフル活用する「ファンマーケティング」実践の3TIPS | 【レポート】デジタルマーケターズサミット2023 Winter
「モノが売れない時代」。マーケティング担当者の間からついつい漏れ出てしまう言葉だ。コロナ禍、景気、消費スタイルの変化。さまざまな要因はあれども、消費者が買い物をしないわけではない。そして何より、お気に入りの商品やサービスへの愛を語る消費者、つまり「ファン」の存在がSNSで可視化され、購買へとつながっている状況に着目すべきではないか。
企業がファンとコミュニケーションすることで、新しいなにかが生まれる。「ファンマーケティング」を熟知するvisumo(ビジュモ)の千林氏が「デジタルマーケターズサミット 2023 Winter」に登壇し、新時代のマーケティング像を解説した。
SNSあっての「ファンマーケティング」
ファンマーケティングとは、そもそも何なのだろうか? なぜファンマーケティングが求められているのか? それを理解する鍵になるのはSNSの普及だと千林氏は語る。
ユーザーがTwitter、Instagram、TikTokなどを通じて、その商品やサービスの“ファン”であることを簡単に発信できるようになった。結果として、UGC(User Generated Contents:ユーザー自身が生成するコンテンツ)がかつてなく増えたこと。これがまず前提になる(千林氏)
UGCが増え、それが参考になると思った別のユーザーは、付随するタグを中心に情報収集・検索する。この一連の行動は「タグる」と呼ばれ(Googleで検索する“ググる”とは異なる)、消費者行動として定着しつつある。
ファンの声は、企業発信のマーケティングメッセージとは意味合いが異なる。テレビや新聞などマスコミはかつてのような存在感をもたなくなっており、ファンの声をユーザーが参照しやすい環境が整っているならば、SNS上のUGCが購買の参考とされるのは、自然な流れといえるだろう。
そこで、自社製品・サービスを愛好してくれるファンを増やし、満足させ、結果としてポジティブなUGCをSNS上に増やそうというのが、ファンマーケティングの発想である。
ビジュアルマーケティング支援するプラットフォーム「visumo」
visumo(ビジュモ)は、ITシステムの受託開発などを広く手がけるソフトクリエイトホールディングスのグループ企業である。SNSや動画に特化したマーケティング支援のため、グループ内でECサイト構築サービスを手がけるecbeingのいち事業部門が独立するかたちで2019年に設立された。
visumoは「ビジュアルマーケティングプラットフォーム」を標榜したSaaS型サービスとして誕生し、現在は以下のサービスを提供している。
- visumo social:Instagramの公式および、インフルエンサーや店舗のアカウント、UGC(User Generated Contents:ユーザー生成コンテンツ)などの写真や動画を管理画面でピックアップし、公式サイトやオウンドメディアに活用・分析ができる
- visumo vidio:YouTube、リール、TikTokなどの動画アセットを管理し、ECサイトやオウンドメディアなど会社全体で活用・分析ができる
- visumo snap / visumo comment:店舗や宣伝広報部門などスタッフのスマートフォンからアップされた写真や動画、コメントを、ECサイトやオウンドメディアなどに活用できる(snap)/専門知識は不要、ノーコードでWebサイトを制作可能(comment)
いずれもが、自社ECサイトやオウンドメディアなどに掲載するコンテンツを充実させ、ファンマーケティングを構築するためのツールとして有効だと千林氏はアピールする。
ファンマーケティングの具体例3Tips
ファンマーケティングの手法には類型的なパターンがある。その中から以下の3つを具体的に見ていこう。
- ファンコミュニケーション
- SNSキャンペーン
- アンバサダープログラム
ファンマーケティングの具体例①
ファンコミュニケーション
近年「ファンミーティング」「ファンイベント」という表現を耳にする機会が増えているが、これがまさにファンコミュニケーションである。参加するファンの満足度は高いが、企画や準備のハードルは高くなりがちだ。
事例① ニトリ
そこで参考になるのが、visumoが家具・生活雑貨チェーンのニトリとタッグを組んで展開した事例。「みんなのニトリ」と題した特設ページには、さまざまな“映え画像”が掲載されているが、これはすべてUGCであるという。ただし、ニトリが投稿ユーザーに連絡し、許諾を受けた画像に限られている。
具体的には以下の流れで運用される。
- Instagram上に「♯ニトリ」「♯mynitori」のタグ付きで投稿された画像をvisumo socialが収集する
- 指定した投稿に対し掲載の許諾願いのコメントを付ける
- ユーザーがそれを許諾する場合、コメントに「♯yes」のタグを付けて再コメントする
この一連の工程をシステム的に管理・処理するのが、visumo socialの基本機能である。
千林氏によれば、許諾をとるためのコミュニケーションの中では「今度、別の買い物をするので、その投稿もよければ見てください」といった返信を受けることが非常に多いという。また、そのユーザーがもっと「みんなのニトリ」で紹介されようとするためか、画像のクオリティがより高くなる傾向もあるそうだ。
ユーザーが自発的に投稿し、企業がユーザーに声をかける。企業は重要なマーケティング資産を獲得し、ユーザーは自身のコンテンツ作りに磨きをかける。この好循環現象をvisumoでは「UGCループ」と称し、注目している。
なお画像だけでなく、コメントでもこの仕組みは応用可能だ。
ニトリご担当者様からいただいたコメントによれば、visumo socialを採用していただいたのは『ニトリとお客様の距離を近づけたい』から。これは、かなり深い言葉だと思う。店頭での接客を重要視していても規模の限界がある。それを補うのがオンラインでの声がけであり、企業とお客様の距離を実際に縮められることが証明できたのではないか(千林氏)
ちなみに家具の場合、ユーザーの実用環境を考えると「あるメーカーの家具だけで完全統一した部屋」は想像しにくく、複数社の製品が混在する環境が一般的だろう。しかしメーカー側としては、競合他社製品を交えたルームコーディネート案を、自社Webサイトで提案するのは難しい。
その点UGCは、当然ながらユーザーの実環境を踏まえたものになる。企業の論理を超え、あくまでユーザー視点に立ったコンテンツを提供できることもまた、UGCの強みだと千林氏は訴える。
事例② パナソニック
一方、パナソニックでは住宅設備の施工例を充実させるため、最終消費者はもちろん、ショールーム、工務店などに対してもInstagram画像の利用許諾申請を行っている。
これによって、パナソニックのウェブサイトには常に新しい画像が用意されることになる。サイトの更新・コンテンツ不足に悩む担当者にとっても、サイト訪問者にとっても、効果的な運用だと言えよう。ただし、その前段階として、UGCを集めていることを各所で明示しておくことも重要。そのためパナソニックでは、Webサイトでの告知以外に、当該製品購入者向けのチラシも用意している。
ファンマーケティングの具体例②
SNSキャンペーン
抽選プレゼントなどを用意して、ハッシュタグ付き投稿を呼びかける手法がSNSキャンペーンだ。これもまた、ファンマーケティングの一形態である。
事例③ 吉野家
牛丼チェーンの吉野家では、自社ECサイトにおけるキャンペーンとして、Instagramへの投稿を呼びかけた。その時期は夏休みシーズン。牛丼店といえば男性客のイメージが強いが、子供が喜んで食べる・安心して食べられるという面を訴求するのが狙いだった。
同様に、ECサイトで販売している牛丼の具(冷凍)の拡販にあたっては、一般ユーザーがInstagramに投稿していたレシピについて、許諾を得て活用。さらにはvisumo socialの機能を利用し、レシピ投稿からECサイトへの導線を作った。こうすることで、単に「いいね」をもらうだけでなく、購買にもつなげることができる。
事例④ リンナイ
コンロ・給湯機器メーカーのリンナイは、「#meライフ」という画像投稿キャンペーンを定期開催している。SNS投稿キャンペーンは短期のスポットで開催される例が多いが、投稿数があまり集まらず、途中で諦めてしまうケースが少なくない。
リンナイでは、投稿キャンペーンを月締めにし、翌月以降の告知ページに優秀作を掲載するなど、徹底した活用を実施。また、リンナイ自身のオウンドメディアでも転用する旨を募集規定に含めている。
ファンマーケティングの具体例③
アンバサダープログラム
特定の製品・サービスなどに対して愛着や関心のあるユーザーを選定し、プロモーションなどで協力していくのがアンバサダー(大使)プログラムである。
どういったユーザーをアンバサダーとするかで「ハッシュタグ投稿型」「選定型」「公募型」の3パターンに分類されるが、中でも「ハッシュタグ投稿型」は、特に緩やかな運用方法。特に厳密な認定をすることなく、単純にハッシュタグを付けて投稿してくれたユーザーすべてをアンバサダーとみなす。「ファン皆様がアンバサダー」という立て付けだ。
事例⑤ 東京ミッドタウン
商業施設の東京ミッドタウンでは、隠れた魅力をアンバサダーに発見してもらうためにプログラムを活用。寄せられた投稿は多面展開させ、Webサイトだけでなく、現地のデジタルサイネージにも掲出した。
菓子・製パン材料の富澤商店、作業着・アパレルのワークマンの2社は「選定型」を採用。ただし両社とも、選定フローを外部ベンダーなどに委託せず、自社運用しているという。
事例⑥ フラコラ
「公募型」は、アンバサダー募集を明示して、広くコンペティションを行う形式である。化粧品ブランドのフラコラ(fracora)では、規定回数以上のSNS投稿などを条件にして募集。さらにアンバサダーの中でもステージ区分を設け、参加者のやる気を引き出す仕組みも作った。
ファンとのコミュニケーションをvisumo socialで簡単・効率的に
visumo socialはInstagramとTwitterに対応。両SNSに投稿されたコンテンツの中から目的のものを発見・収集し、該当投稿者への連絡、許諾後のサイト転載までを一連の流れとして実行できる。
そのうえで千林氏は、ファンマーケティングが“盛り上げ”の醸成だけに留まらないと主張する。自社サイトにUGC、いわゆる“映え写真”を取り込み、人気コンテンツとなれば、外部からのトラフィック増、ひいてはSEOにも好影響を与える。結果として、PV数アップ、売り上げアップなど、業績指標にも貢献できる。
「事業者からの一方的な発信は過去のものとなりつつあり、現在はファンと一緒に“オウンドコンテンツ”を作る時代に変化している。UGCは企業やブランドにとってのビジュアルアセット(資産)であり、その有効活用のためにもvisumoを役立ててほしい」と千林氏は述べ、講演を締めくくった。
※このコンテンツはWebサイト「Web担当者Forum - 企業Webサイトとマーケティングの実践情報サイト - SEO・アクセス解析・SNS・UX・CMSなど」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:ユーザー愛にあふれたUGCをフル活用する「ファンマーケティング」実践の3TIPS | 【レポート】デジタルマーケターズサミット2023 Winter
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老舗デジタル広告会社が自らBtoBマーケティングに挑戦! KPI 180%を達成 | 【レポート】デジタルマーケターズサミット2023 Winter
自社のマーケティング課題をデジタルの力でなんとか解決したい。それは何も一般企業に限った話ではない。デジタル領域を専業とする企業、デジタルマーケティングに強みを持つ広告会社であってもそうだ。
アイレップは1997年の創業初期からインターネットビジネスを手がけ、デジタルマーケティング市場での広告会社としては老舗にあたる。しかし広告以外のビジネスの認知度は高いとはいえず、事業拡大の障害となっていた。そこで着手したのが「インバウンドマーケティング」だ。「デジタルマーケターズサミット 2023 Winter」に同社の平林氏が登壇し、KPI180%を達成するまでの経緯を解説した。
歴史ある広告会社が自らインバウンドマーケティングに取り組む
アイレップは1997年11月設立。日本でインターネットビジネスが勃興しはじめた時期とも重なる。当初はさまざまな事業を展開していたが、次第にインターネット広告へ集中。現在は、博報堂DYホールディングスの傘下企業となっている。
実に4半世紀にわたってインターネット広告を手がけてきたのがアイレップであり、その中でもリスティング広告とSEO施策サービスの知名度は高かった。
だが同社の事業はそれだけではなく、デジタルマーケティング支援を全方位的に実施するだけの体制を整えている。平林氏は「リスティング広告やSEO施策では継続的にお問い合わせをいただいているのだが、デジタル起点のフルファネルマーケティングを展開していることがあまり知られていなかった」と振り返る。
では、どうすればそれを世間に認知してもらえるのか? そこで始めたのが「広告会社が自社サービスの認知拡大のために、『インバウンドマーケティング』に取り組むこと」だった。
インバウンドマーケティングとは、Webサイト記事や動画などの各種コンテンツを配信して、顧客の関心・興味を惹く手法のこと。テレビCMやダイレクトメールなどの「アウトバウンドマーケティング」とは対義的に扱われる。つまり、顧客が“自発的にその会社の製品・サービスに興味が沸いた”と感じてもらうための方策である。
そこで立ち上げたのが、デジタルマーケティング関連の記事・動画・セミナーなどを総合的に提供するWebサイト「DIGIFUL」だ。2019年下期から企画が立ち上がり、コロナ禍を受けて計画が前倒しされ、2020年夏にオープンした。
Webサイトを公開し問い合わせ数が着実に増加、KPI 180%を達成
DIGIFULの公開は、デジタルマーケティング情報を探している企業内担当者とアイレップを結ぶという意味で、BtoBマーケティングの定番的手法でもあったが、リード(見込み客)の獲得に大きな威力を発揮した。下の図は、顧客からの問い合わせ数の変遷を示したグラフである。
2020年5月はコロナ禍もあって問い合わせ数が大幅に落ち込んでいるが、DIGIFUL公開後は徐々に回復。翌年度も順調に伸び、KPI 180%を達成している。
この他、メールマガジンの配信数、問い合わせを促すための資料ダウンロード数についても、各種施策を加速させた結果、軒並み高数値をたたき出している。
これまでアイレップに届く問い合わせは、ほとんどがリスティング広告やSEOに関するものだけだった。しかしDIGIFULでインバウンドマーケティングを本格化させて以降、問い合わせジャンルが多様化した。また既存のお客様からは『DIGIFULの記事で紹介されていた提案を我が社にもしてほしい』といわれることが増え、アイレップ営業担当者へのスキル依存が減る効果もあった(平林氏)
BtoBマーケティングの3ステップ、どの部門が担当すべき?
続いて平林氏は、DIGIFULを通じたインバウンドマーケティングの推進体制について具体的な説明を行った。まず前提となるのは、BtoBマーケティングを構成する3つのステップだ。
- リードジェネレーション:見込み客の獲得。広告、イベント出展、テレマーケティングなど多種多様な方法がある。
- リードナーチャリング:獲得した見込み客に対して、購買意欲を向上させるための施策。セミナー、メールマガジン配信など。
- フィールドセールス:最終成約のため営業担当者が見込み客のもとへ訪問する。
では、この3ステップの業務を遂行するのは社内のどの部門か。リードジェネレーションはマーケティング部門、フィールドセールスは営業部門とハッキリしているが、リードナーチャリングは曖昧になりがちだ。
部門間の連携は、多くの会社にとって課題だろう。そこで当社では、マーケティングとセールス(営業)部門を一体化させた。これで機動的なマーケティング施策ができるようになった(平林氏)
またKPIの設計も綿密に行った。たとえば売り上げ1億円アップというKGIがあった場合、達成するためにどれくらいの顧客数が必要なのか、そのためには新規顧客を何社獲得すればよいのか、というように逆算的にKPIを算出。そこからさらに、実施するマーケティング施策を決めていった。他にもサイト訪問者数、リードナーチャリングにおけるスコアリングの状況などもサブKPIとして重要視したと平林氏は明かす。
続いてマーケティング部門が担当した、①リードジェネレーションと②リードナーチャリングの施策を見てみよう。
①リードジェネレーション最大化の施策
SEO/コンテンツマーケティング/ウェビナー
リードジェネレーションの最大化に向けた施策は、以下の3つだ。
- SEO:検索エンジンからの流入を増やすための基本ともいえる施策。DIGIFULではサイト制作段階からSEO要件を盛り込んだため費用対効果が大きかったという。
- コンテンツマーケティング:各種のデータ分析結果をもとに、発信したい情報に優先順位をつけた上でコンテンツ(おもに記事)を作成。この際、他部門とも連携してコンテンツを拡充させた。
- ウェビナー:DIGIFULはコロナ禍前後に立ち上がったサイトということもあり、オンラインセミナーを積極的に実施した。こちらもコンテンツマーケティング同様、他部門の協力を仰いだ。なお2020年上期にはウェビナーを15回開催し、2,000件以上のリードを獲得した。
コンテンツ不足に陥らないために社内の協力体制を築く
DIGIFULでは企画立ち上げの段階から、「すでに獲得できている顧客」「目標達成のために獲得したい顧客」の数を具体的にカウントし、それを見越してコンテンツも準備・作成するという方針がとられていた。つまり、そのセグメントをしっかり狙える力を持ったコンテンツを用意する必要があるということだ。
とはいえ、コンテンツは自然と生まれてくるものではない。必ず誰かが文章を書いたり、動画を撮ったり、ウェビナー用スライドを作成したりしなければならない。外部の業者を頼るのも1つの手段だが、やはり最終的には社内人材の協力が欠かせない。
最初のうちは、『普段の業務が忙しい』という理由でなかなか記事執筆の協力を社内から得られなかった。ただ、それでも諦めず、全社一丸となってやるんだというメッセージを出し続けた結果、現在は(コンテンツの作成数が)期別の目標に組み入れられるところまできた(平林氏)
②リードナーチャリング最大化の施策
MA/インサイドセールス
見込み客の購買意欲を高めるという、リードナーチャリングの軸となっているのはMAとインサイドセールス(おもに架電)だ。メールマガジンのリンクをクリックした回数などでスコアリングし、一定値に達したらホットリード(今すぐにでもサービスを買う客)とみなし、担当者が電話するという流れである。これ自体はオーソドックスなものといってよい。
リードナーチャリングは課題多し、精度アップの努力を
ただ、スコアリングさえ高ければ万事解決かといえば、そうではない。それまで一切スコアリングに変化のなかった客が突如行動を起こすこともあり、「型どおりのナーチャリングとはならず、難しい面が多かった」と平林氏は漏らす。
DIGIFULでは、MAを活用したメールマガジン施策のほか、Webサイトの閲覧状況や、営業部門全体での商談状況なども勘案することで、より精度の高いターゲティングを心がけているという。
DIGIFULでの実績を、多くの企業へ
アイレップは広告会社であり、そしてデジタルマーケティング支援を広く手がけている。DIGIFULのようなインサイドマーケティング施策を自ら実践しつつ、そのフレームワークをクライアント企業に提供することもまた、大きな事業の柱である。
たとえば不動産会社A社を支援した事例としては、Webサイト老朽化、顧客インサイト(ニーズ)が分析しきれていないといった課題に対し、包括的な解決案を提案した。
この事例では、サイト訪問ユーザーの回遊状況を調査したり、デプスインタビューなどを実施したりして、顧客ペルソナに基づいたユーザーエクスペリエンス定義書を作成。それを元にサイトリニューアル、コンテンツ作成方針の決定までをサポートした。この結果、サイト流入ユーザーの増加は当然として、CVRが1.4%上昇、回遊率(1セッションあたりのPV数)も1.5ポイント増加したという。
平林氏は「インバウンドマーケティングの実践経験をもとに、お客様のBtoBマーケティングを支援できるのがアイレップの強み」と改めて強調。DIGIFUL発信の情報を参照しつつ、ウェビナーなどにも積極的に参加してほしいと呼び掛け、講演を締めくくった。
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オリジナル記事:老舗デジタル広告会社が自らBtoBマーケティングに挑戦! KPI 180%を達成 | 【レポート】デジタルマーケターズサミット2023 Winter
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たった3色で資料の説得力が変わる? センスのいい配色とビジネスに役立つ「トレンドカラー」とは | 【レポート】デジタルマーケターズサミット2023 Winter
ついつい同じような色を選んでしまいがちなビジュアルデザイン。センスのいい色がわからない、まとめられないなど、色の悩みはさまざまだ。しかし、「配色のコツ」を知るだけで、誰でも簡単にトレンド感のある資料や広告を作れるという。
「デジタルマーケターズサミット 2023 Winter」に、累計17万部を突破した『3色だけでセンスのいい色』の著者ingectar-e代表の寺本恵里氏が登壇。センスのいい配色の基本から、ブランディングや商品開発にも役立つトレンドカラーを紹介した。
『見てわかる、迷わず決まる配色アイデア 3色だけでセンスのいい色PART2』(著者:ingectar-e 出版:インプレス)
カラーコーディネートの基本。まずは「3色にまとめる」
寺本氏はまず、さまざまな色を使ったデザインを例に出し、「配色によって見え方がどう変わるか」と視聴者に問いかけた。
デザインは同じでも、「色数」が多いことで内容が伝わりにくくなり、ごちゃっとした印象になる。逆に、全体が3色以内でまとめられていると、訴求したい内容がわかりやすく伝わるという。
何色をどう合わせたら良いかわからない人は、まずは色数を少なくして3色に抑えることを意識してみてください(寺本氏)
この「3色にまとめる」というテクニックは、資料や広告のデザインだけではなく、ファッションやフードでも使うことができる。寺本氏は自身が運営しているカフェのメニュー開発においても、盛りつけは基本3色でまとめている。
また色のトレンドは、季節や時代によって変化するという。例として、2023年と2024年の「ピンク」の違いを紹介する。
2023年はパープルがかったくすみピンクやベージュに近いピンクが人気でしたが、2024年は青みがかった明るいピンクに変化。また2023年の春は、『コッパーカラー』というピンクがかったテラコッタのような色もよく使われています。環境問題への意識の高まりから、自然素材を意識した色合いがトレンドになる傾向です(寺本氏)
そもそも「色」って何? 「色相・明度・彩度」の三本柱
続いて、寺本氏は「色の基礎知識」について解説した。色を言語化する概念には、「色相」「明度」「彩度」の3つがあるという。
- 色相:
色そのもののこと。色相環の対になる色同士を「補色」と言い、クリスマスの赤と緑はもっともコントラストの強い配色となっている。
- 明度:
明るさの度合い。明度が高いと白に近づき、低くなると黒に近づく。 - 彩度:
鮮やかさの度合い。 彩度が高いほど鮮やかに、低いほどくすんだ色となる。
Z世代に人気の「くすみカラー」は、上図のような彩度の低い色味のことだ。寺本氏は「一見地味と思えるような色の組み合わせが、Z世代には新鮮なようです」と語った。また、ビジネスの場においても、色のイメージを伝える際、この「色相・明度・彩度」を用いて言語化するとわかりやすいという。
もしデザイナーさんに色のことを指摘する際は、「もっとピンクの彩度を低く、大人っぽい雰囲気に」「無彩色を合わせて抜け感を出したい」「明度を上げて柔らかく」というように伝えると、よりイメージに近づけると思います(寺本氏)
よく耳にする「トーン」とは? 色を表すさまざまな言葉
「トーン」とは、明度と彩度が同じ色相のグループのことだ。上図では、縦の軸が明度、横の軸が彩度を表しており、それぞれのトーンには「ペールトーン」「ダークトーン」などの呼び名がついている。
また、「くすみカラー」を作り出すためには、「純色、中間色、清色」という概念がかかせないと寺本氏は話す。「純色」とは、白も黒も混ざっていない色のこと。最も鮮やかな彩度の色で、色のトーンにおける「ビビッド」を指す。この「純色」を元に、白を混ぜると「明清色」、白と黒の両方(灰色)を混ぜると「中間色」、黒を混ぜると「暗清色」となる。
流行のくすみカラーを作るには、純色に灰色を混ぜるのが良いのがわかりますね(寺本氏)
色にもTPOがある? 各トーンのイメージとよく使われる場面
では、それぞれの色相グループにはどのような特徴があるのだろうか。寺本氏は、各トーンのイメージや使われやすい場面について解説した。
ペールトーン/ライトグレイッシュトーン
ペールトーンはフェミニンで淡く、柔らかい印象のグループだ。ベビー用品やコスメによく使われている。ライトグレイッシュトーンはトレンドのくすみカラー。オーガニック系サロンやフードにも用いられることも多い。
ライトトーン/ソフトトーン
ライトトーンは明るく、澄んだイメージで、キッズ用品によく用いられる。ソフトトーンはややくすんだ優しい色合いで、Z世代向けのファッションに取り入れられることが多い。
ブライトトーン/ビビットトーン
ブライトトーンは元気で華やかな印象。セールやエンタメ、イベント向き。ビビットトーンは最も彩度が高く、POPで派手なイメージ。目立たせたいポスターやエンタメ関連、またアクセントカラーとしても。
ストロングトーン/ディープトーン
ストロングトーンはその名の通り、力強く情熱的な色味。アクティブなイベントやカジュアルな表現に向いている。ディープトーンは濃く深いイメージ。音楽やアート、和のシーンにも使われている。
ダルトーン/ダークトーン
ダルトーンは落ち着いた大人っぽいイメージ。秋っぽい雰囲気やレトロな表現に用いられる。ダークトーンは暗く、グラマラスな印象。夜のイメージで、BARやクラブなどに向いている。
トーンの特徴を理解しておくと、ライトな感じ、ソフトな感じ、グレイッシュでもっと渋く……など、思い描いている色を伝える時にも役立ちます。ぜひ各トーンのイメージを深めてみてくださいね(寺本氏)
冷たい? 温かい? 色が人間に与える影響を知ろう
また、色は人間にさまざまな影響をもたらすという。寺本氏は、「色の影響力は、大きく分けて3つあります」と語った。
まず、「心理的効果」だ。これは対象を色で認識させやすくする力のことで、大手コーヒーチェーン店は深いグリーン、牛丼屋はオレンジといったように、人々がブランドを認識する「ブランドカラー」もこの心理的効果によるものといえる。
次に、「生理的効果」だ。神経や細胞に働きかけて、心拍数を変化させたり、ホルモンの分泌を促したりすることができる。
最後に、「感情的効果」。これは気分や感情への影響力のことで、色によって「温かさ/冷たさ」「明るい気分/暗い気分」などを呼び起こすことができる。
色の影響力を知れば、見ている人の気持ちを誘導することもできます。プレゼン資料やWebサイトを作る際は、人の心を動かす色を考えてみましょう(寺本氏)
生理的効果の中でも日常的によく使うのが「暖色」と「寒色」だ。色相の赤から黄色までを暖色、紫から青緑までを寒色という。たとえば、背景が青色のコーヒーは冷たく感じ、赤色のコーヒーは温かく感じる。こういった感覚は「知的感情」といい、「好き/嫌い」といった個人の好みとは別に、万人が共通してもっているものだ。
また、色の明度は見た目の重量にも影響する。明度が高ければ軽そうに見え、逆に低ければ重そうに見える。これを色の「軽重感」といい、黒は白の約1.9倍も重く見えるという。
ダークトーンは『伝統的』『高級感』を感じさせる色でもあるので、たとえば高級な和菓子の箱などが重い色だと、中に大切なものが入っているという印象を与えることができます。逆に、見た目の軽快さを重視する新幹線は、白が基調ですね(寺本氏)
オシャレな配色のコツは「カラーバランス」にあり
続いて寺本氏は、「配色」の説明に移った。どうすれば「3色だけでセンスのいい色」を作り出すことができるのか。配色のコツは、「カラーバランス」にあるという。
3色だけの配色を効果的に見せるために、各色の面積比をベースカラー、アクセントカラー、サブカラーに分けます。面積比率はデザインにもよりますが、ベースカラーが7割、サブカラーが2.5割、アクセントカラーが0.5割が美しい配色のバランスとも言われています(寺本氏)
ベースカラーは全体の印象を決める土台の色だ。サブカラーはそこにニュアンスを加え、イメージの表情を豊かにする役割で、ベースを補うような色を選ぶとよい。アクセントカラーは強調色で、コントラストや明度差によって全体を引き締めてくれる。
配色を考えるときに大切なことは、『相手の感情に合わせた色の選択をすること』です。見ている人の気持ちに合わない色を使うと、不快感を与えてしまうことがあります(寺本氏)
センスのいい配色の例として、寺本氏は「ビジネスシーンで使える3色」を紹介した。
「森林浴でリフレッシュ」をテーマにグリーンでまとめた配色。信頼感のある深いグリーンと、ストロングトーンの黄緑アクセントで明度差をつけている。
「地球を感じるクリーンカラー」をテーマにした配色は、流行りのサスティナブルをイメージ。ネオンカラーの水色が効いている。
こちらは「クールなビジネスブルー」がテーマ。彩度の低いダークトーンの紺色に、ストロングトーンのパキッとした青、彩度の高い爽やかな水色をアクセントカラーにおいている。
「情熱的でエネルギッシュ」がテーマの配色。躍動感と勢いを感じさせる赤をベースカラーに、アクセントとして無彩色のグレーを入れることで、よりスタイリッシュな印象になっている。
こちらは「優しいくすみナチュラル」にぴったりな配色。白や黒にしがちなアクセントカラーをあえて「ライトグレー」にすることで、グッとオシャレな雰囲気になる。
今年のトレンドカラーは「VAVA MAGENTA」「ルミナスイエロー」
では、2023年はどんな色が流行るのだろうか。寺本氏は、2つの代表的な機関から発表された「今年のトレンドカラー」について紹介した。
まず、アメリカに本社をおく色見本の企業PANTONEから発表された色は、「VAVA MAGENTA(ビバ マゼンダ)」。パワフルで力強く、自己表現や自己実験の自由を促す色だ。
すごく情熱的で、リッチで大胆なビビッドなカラーですね。活力やエネルギーを感じます(寺本氏)
日本流行色協会(JAFCA)からは、「ルミナスイエロー」が挙げられた。
希望の光を感じさせるような、淡いトーンのイエローがとても綺麗ですね。ファッションでも肌なじみがよく、今年の春服でもトライできそうなカラーです(寺本氏)
2024年に注目するべきカラーとキーワードは?
寺内氏は最後に、2024年に向けて注目するべき4つのカラーとキーワードを挙げた。パリやドイツ、アメリカのトレンドの中から、よくテーマになっているものをピックアップして紹介する。
「持続可能な」という言葉がすっかり定着してきた昨今。今後も「再生できる素材」が多く使われる傾向だという。
持続・変身・再生を3色で表すなら、赤茶色の土に光が当たったような明るいブラウン、しっとりとしたホワイトベージュ、穏やかな時間を感じさせるブルーグレーを提案します(寺本氏)
次に、「原始・自然・異文化の民族」といったキーワード。何千年と残る岩壁の層や異文化に対する敬意といったものに注目が集まっている。
原始的で自然がむき出しでありながら、温もりを感じるような色というのがポイント。日が昇る砂漠の砂に太陽の光と熱が当たるようなイメージで配色しました(寺本氏)
ここ数年続いているレトロ・ヴィンテージブーム。寺本氏は、さらに80年代から70年代へと遡ると考えている。提案された色は、ダークブラウン、モスグリーン、クリームベージュといった落ち着いた色合いだ。
今ではもう作り出せない70年代の記憶や経験に価値を見い出し、再発見していきます。クラシックなものには安心できる温かみもありますね(寺本氏)
メタバースやWebサービス、ゲームの進化に伴い、動的で没入感のあるカラーに注目が集まっている。寺本氏は、オークパープル、バイオレットピンク、ディープマリンを提案した。
テクノロジーと感情的な体験を融合させるようなサービスや商品が今後もどんどん出てきます。インパクトの強いカラーやビジュアルに注目です(寺本氏)
寺本氏は講演のまとめとして、「色を使いこなすために重要なことは、自分自身がどんな色にどんな感情を抱くのかを理解することだ」と話す。「色は言葉や形状と同じくらい強力なコミュニケーションツールです。広告や商品、あらゆるシーンで見る色に対し、自分がどう感じたかを言語化するように意識してみてください」と語り、セッションを締めくくった。
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オリジナル記事:たった3色で資料の説得力が変わる? センスのいい配色とビジネスに役立つ「トレンドカラー」とは | 【レポート】デジタルマーケターズサミット2023 Winter
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ブランディングは伝言ゲーム! 経営を加速させる思考フレームとは? | 【レポート】デジタルマーケターズサミット2023 Winter
「経営者とデザイナーの共創関係がブランディングの現場では非常に重要」と語るのは、株式会社エイトブランディングデザイン 代表の西澤明洋氏だ。
数多くのブランディングプロジェクトを手がけ、国内外100以上の受賞歴を持ち『ブランディングデザインの教科書』を著書に持つ同氏が「デジタルマーケターズサミット 2023 Winter」に登壇。経営とデザインの関係性に焦点を当てながら、強いブランドを作るポイントを解説した。
『ブランディングデザインの教科書』(著者:西澤 明洋 出版:パイインターナショナル)
すべての経営にブランディングは有効
そもそもブランディングとはどのような仕事なのか?
株式会社エイトブランディングデザインは17年にわたり、ブランド開発専門のデザイン会社として100以上のブランディングプロジェクトを手がけてきた。
その一例はクラフトビールのCOEDO。もともとは埼玉川越の小さな会社の地ビールだったが、リブランディングの結果、いまやクラフトビールとして世界進出し、売上を大きく伸ばしている。そのほかにも大手醤油メーカー、老舗の料理道具屋、芸術文化施設、さらには神社にいたるまで、幅広い企業団体のブランディングに貢献してきた。
ブランドというと嗜好品や高級品のイメージがあると思いますが、そんなことはなく、すべての経営にブランディングは効くと考えています(西澤氏)
ブランディングといえばロゴやパッケージのデザインをイメージしがちだが、それだけではない。西澤氏いわく「少し口やかましめのデザイン部長」として、その会社のデザイン以外の悩みも包括的に解決していくのだという。
ブランディングは「伝言ゲーム」
「ブランディング」は文脈や人によってさまざまな意味で使われるが、西澤氏はブランディイングを次のように定義する。
ある商品、サービスもしくは企業の全体としてのイメージに、ある一定の方向性をつくり出すことで、他者と差異化すること。
端的にいうと「ブランディングとは、差異化」「他とはどう違うかを、お客さまに正しく伝えること」だと西澤氏は言う。
一見当然のことにも思えるが、自社との違いを見つけられない、無理して目立とうとしてしまう、競合のマネをしてしまうなど、この差異化を正しく行うことは意外と難しいようだ。
ブランディングと、マーケティング・広告との違い
定義が文脈や人によって揺らぎやすい「ブランディング」「マーケティング」「広告」といった用語。西澤氏は「目的」と「伝達経路」の観点から、それらの言葉を明確に区分している。
まず、目的が異なる。マーケティングは売上を上げることを目的としており、いわば「売るゲーム」である。一方でブランディングは、売上を直接目的としているわけでなく、「伝えること」を目的としている。クチコミを介して良い評判が醸成されることを目指す、いわば「伝言ゲーム」である。
そして伝達経路も異なる。広告は一対多の一方的な伝達だが、ブランディングは人を介してクチコミとして拡散していく(下図の通り)。
西澤氏は上記のように各用語を定義しているが、マーケティングや広告を否定しているわけではない。
まずは伝言されるような情報設計や価値設計をして、そのうえで通常のマーケティング活動を行うと、飛躍的に効果が高まりやすい。順番が大切です(西澤氏)
ブランディング成功の鍵は、経営戦略からデザインまでの一貫性
続いて西澤氏は、ブランドにとって必要なものを3つ挙げた。これらは上から重要な順に並んでいるという。
- トップの熱い思い
- 良いモノ(サービス)
- コミュニケーションチーム
1番重要なのが「トップの熱い思い」だ。いくら商品やサービスが良く、広報が手慣れていたとしても、トップが「熱いメッセージを一貫して発信しつづけ」「プロジェクトメンバーが一丸」とならなければ、伝言ゲームが機能しづらい。多種多様なプロジェクトを経験した西澤氏はそう指摘する。
なお「トップ」は社長に限らず、「伝言ゲームの第一レイヤー層となるプロジェクトメンバー」を指している。デザイナーである西澤氏がコミュニケーションよりも「トップの熱い思い」を重視するのは意外かもしれないが、その背景にはこれから紹介する西澤氏のブランディング論がある。
ブランディングデザインの3階層
こちらが、ブランディング課題の整理に役立つ「ブランディングデザインの3階層®」の図だ。マネジメント、コンテンツ、コミュニケーション(=MCC)の3層から成る。
西澤氏は、この図を使った分析方法を紹介してくれた。
1. 横ぐしが通っているか確認
3階層の同じレイヤーの各要素に一貫性があり、横ぐしが通っているかを確認する。コミュニケーション層だけでなく真ん中のコンテンツ(商品・サービス)層においても、一貫性は重要だ。
ブランディングデザインでは、ビジュアルアイデンティティ(VI)やコーポレートアイデンティティ(CI)の一貫性が保たれた「トータルデザイン」を実現させようとする。
コミュニケーション層でいうと、ロゴ、パッケージ、ウェブサイト、広告などの各デザインにおいて、色彩やフォントなどのVIが保たれているかが重要とされている。
2. 縦ぐしが通っているか確認
しかし西澤氏は、横ぐし以上に、MCCを縦に貫く「縦ぐし」が重要であると主張する。それはMCCの上位レイヤーほど、差異化要因が強くなるからだという。
コミュニケーションのトータルデザインだけができても、差異化要因にはつながりにくい。コミュニケーションよりもコンテンツ、コンテンツよりもマネジメントの方に差異化要因があります(西澤氏)
戦略(マネジメント)によって商品・サービスの基礎設計が変わり、それに伴いコミュニケーションも変わる。たとえば飲食店でいうと、出店場所を高級なエリアとするか繁華街とするかで、料理の内容やコミュニケーションも変わる。
マネジメントも含むMCCの各レイヤーに一貫性を持たせ、縦ぐしを通すことが、強いブランドをつくるうえでは欠かせない。
統合的な働き方
マネジメントからコミュニケーションまで縦ぐしを通すために、エイトブランディングデザインが実践しているのが「統合的な働き方」だという。
「統合的な働き方」とは、経営者もデザインに関与し、逆にデザイナーも経営に関与するという、各レイヤーの境界線を廃した働き方を意味している。
デザイナーの視点から見ると、当然ながらコミュニケーション層の業務はほぼすべてを担当するが、統合的な働き方では、商品サービスの企画や、経営戦略にも関与していく。西澤氏の場合、デザイナーとして経営戦略のアイデア出しやその取りまとめなども担当する。
縦割りで分業せず、戦略からコンテンツの企画、コミュニケーションの実装までをみんなでやり抜くことが大事です(西澤氏)
逆に、経営者も「デザインはデザイン会社にお任せ」とするのではなく、コミュニケーションにも関与することで、企業のアイデンティティが行き渡ったコミュニケーションを実現しやすい。「共創関係、コ・クリエーション(Co-Creation)の関係がブランディングの現場では非常に重要」と西澤氏は強調する。
ブランド開発のプロセスとは? ポイントは一点集中
西澤氏はブランド開発のプロセスについても端的に解説した。
基本的には下図の通り、「リサーチ→プラン→コンセプト→デザイン→リサーチ……」というサイクルでブランドを構築するのだが、最重要ポイントは図の中央に位置する「フォーカス」だという。
フォーカスには2つの意味があり、ひとつ目は「経営資源を一点に集中させる」ことだ。
先述のとおり「ブランディングは差異化」であり、経営資源を他との差がつくれそうな部分に注力することで、差異をより鮮明にしやすい。しかし企業活動の現場では、各部署にそれぞれの意向があり、それぞれの顔を立てると経営資源をフォーカスできず、差異化が進みにくい。
また、競合他社に光る魅力があると、ついつい追随したくなるが、「ブランディングは差異化」という観点から見るとそれもNG行為のひとつだ。
フォーカスのもうひとつの意味が、コミュニケーション面で「言いたいことを絞る」こと。伝言ゲームのようにメッセージを広く伝播させるには、複数のメッセージより、覚えやすいひとつのキーワードの方が有利となる。
特に目先の売上を求める場合、年齢などの属性によってメッセージを出し分けて「みんなに好かれようとする」方向に行きがちだが、ブランディング的にはそうした行為は望ましくない。
講演最後の質問コーナーで西澤氏は、経営者がブランディングへの基本的な理解を持つ重要性を強調。ブランディング担当者に向けて「まずは決裁者・経営者の方々と一緒に、ブランディングとは何か、プロジェクトのゴールはどこにあるのか、といった点を見定めることで、プロジェクトを円滑に進めやすくなる」とアドバイスを送り、講演を締めくくった。
なお今回の講演内容の詳細は、西澤氏の著書『ブランディングデザインの教科書』(パイインターナショナル)に記されている。
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オリジナル記事:ブランディングは伝言ゲーム! 経営を加速させる思考フレームとは? | 【レポート】デジタルマーケターズサミット2023 Winter
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