E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼)を評価されるコンテンツを作るには、何に気をつければいいのだろうか。できれば、膨大なチェックリストではなく、シンプルに近道を行きたい。
君のウェブサイトがユーザーやグーグルにとってより信頼性の高いものに見えるようにするために活用できるE-E-A-T成功への近道を、イタマール・ブラウアー氏が紹介する。
ホワイトボード・フライデーへようこそ。僕はイタマール・ブラウアー。今回は、君のウェブサイトがユーザーやグーグルにとってより信頼性の高いものに見えるようにするために活用できるE-E-A-T成功への近道について紹介する。
最初に、なぜこれがそれほど重要なのか、その背景を少し説明しよう。
ヘルプフルコンテンツアップデート
グーグルのヘルプフルコンテンツアップデート(HCU)は、過去1年半の間に3回実施された。これはかなりの頻度だ:
- 2022年8月
- 2022年12月
- 2023年9月
これほど頻繁に実施されれば、何かが起きているのは確かだが、グーグルはなぜこれをユーザーに強くアピールしようとしているのかと疑問に思うのも当然だろう。
グーグルが現在格闘しているものは、次のようなものだ:
- 人工知能(AI)で生成されたコンテンツ
- 大規模言語モデル(LLM)で作ったコンテンツを混ぜ込んだもの
グーグルはインデックスする対象に関して、次のことを見分けなければいけない:
- ウェブサイトが本当に信頼できるものなのか
- 実際にはユーザーにとって何の役にも立たないものなのか
しかし、AIがコンテンツを作れるようになったことで、難しくなってきている側面がある。だからこそ、ヘルプフルコンテンツアップデートなのだ。
E-E-A-Tとは何か(具体例つき)
では、E-E-A-Tとは何か。具体的に考えてみよう。ここでは医療業界のニッチ分野であるYMYL(Your Money or Your Life: 資産や人生)の例を使って、E-E-A-Tの各文字が具体的に何を意味するのかを説明する。
まず、Experience(経験)から始めよう。これは導入された要素のなかで最も新しいものだ。その本質は直接的な関与にあり、君がウェブサイト上で書いている内容について経験があることをいかに証明できているかを問題にしている。
医療業界のニッチ分野での例: 君がクライアントを診察している写真などをウェブサイトに掲載することで、実際にこの業界で働いた経験があることを証明できる。
2つ目はExpertise(専門性)で、特にYMYLのニッチについて言えば高いレベルのスキルを示すことであるため、非常に重要だ。
医療業界のニッチ分野での例: ウェブサイトに資格認定証や学位記が掲載されていれば、ユーザーは君がよくわかったうえで書いていること、つまり関連する試験を受けてきたこと、その分野で本当にそのレベルのスキルを持っていることを確認できる。
3つ目はAuthoritativeness(権威性)で、これは君が特定の出版物や、基本的には、そのニッチ分野で本当に権威のあるウェブサイトで引用されているかどうかということだ。
医療業界のニッチ分野での例: 権威性は、君の業界の信頼できるソースから関連する被リンクを獲得するという形で得られる。
最後はTrust(信頼)で、これは信頼性や信用のことだ。
医療業界のニッチ分野での例: ユーザーが君を信頼するべき理由を正確に示し、404ページなどの信頼を得られない問題を回避する必要がある。404ページが頻繁に表示されれば、ユーザーはそのウェブサイトを心から信頼できない。
医療業界のニッチ分野での例: ウェブサイトにストックフォトを使っている場合、ユーザーには一目瞭然であり、「なんとなく疑わしい・信頼できない」と思われるおそれがある。
以上が、E-E-A-Tを構成するすべての文字の意味だ。
E-E-A-T成功への近道: 8つのポイント
では、E-E-A-T成功への近道を詳しく見ていこう。
実在の執筆者を使う
成功への近道の1つ目は、実在する執筆者を使うことだ。E-E-A-Tやヘルプフルコンテンツについて言えば、これは基本となる。
ユーザーとしては、よくわかっている執筆者がコンテンツを書いているとの確信がほしい。実在の執筆者を使っていなければ、その手前の段階で問題が生じる。なぜなら、これもユーザーにはばれてしまうことであり、そうなれば信頼してもらえない可能性があるからだ。そのため、できるだけ実在する執筆者を使おう。
執筆者の経歴
2つ目は執筆者の経歴だ。執筆者の名前を記載するだけでなく、経歴も記す。
ただ経歴を書けばいいというわけではない。その目的は、ユーザーに目を通してもらい、そのコンテンツを執筆した人物を信用するべき理由を正確に理解してもらえるようにすることだ。
なぜなら、これも執筆者がどのような経験と信頼性を備えているかを示すものであり、そのすべてがE-E-A-Tの要素であるからだ。
執筆者ページ
3つ目は、執筆者ページだ。執筆者を確保し、経歴を用意したら、その情報をまとめる「執筆者ページ」を作る(1人に1ページ)。
各ページでは、その執筆者の経験や信頼性に関するあらゆる情報を参照できるようにしよう。その執筆者が書いた他のコンテンツやソーシャルメディアのプロフィールにリンクしてもいい。これもE-E-A-Tを高めるのに役立つ方法であり、ユーザーやグーグルが求めているものだ。
構造化データ マークアップ
次に構造化データ マークアップだ。構造化データは情報を機械が理解できるようにするためのコードなので、これを実装することは、ユーザー向けというよりは検索エンジンのためのものだ。
コンテンツ全体、執筆者ページ全体で構造化データ マークアップを使用し、その執筆者がどういう人物なのかを明記することで、グーグルはコンテンツの背後にどのような人物がいるのか、その人物の信頼性は根本的にどのようなものかについて理解を深められる。
編集日時を含める
次に、コンテンツの中に編集日時(更新情報)を含める必要がある。たとえば、医療関連のコンテンツを公開するとしよう。ニッチな分野では状況が大きく変わる可能性があるし、コンテンツが正しいか精査するために多くの人手が必要になるかもしれない。
そのためコンテンツ内に、次のような情報を記載する:
- そのコンテンツを書いたのは誰か
- 最後に編集したのはいつか
- いま表示しているバージョンを編集して修正したのは誰か
そのコンテンツの時系列を把握するという点で、これもユーザーに情報を非常に明確に示すためにできることであり、そのコンテンツ自体に対するユーザーやグーグルからの信頼を大幅に高める助けになる。
オリジナルの画像を使う
次に、オリジナルの画像を使い、ストックフォト(借りポジ)は使わないということだ。
別にストックフォトが悪いというわけではない。そうではなく、実際に現場に行って、コンテンツに掲載できるオリジナルの画像を入手するほうがいいということだ。そうすることによって、君が名乗っている通りの人物であり、コンテンツで扱っているテーマに実際に触れていることを示せるのだ。ユーザーがページ上でそうしたことを実際に確認できるようになれば、信頼度が大幅に高まるというわけだ。
ChatGPTの助けを借りる
次に、ChatGPTの助けを借りよう。僕たちが生きるAIの世界では、ChatGPTに触れなければ話は完結しない。
君がコンテンツを完成させたとしよう。すぐに公開するのではなく、それをChatGPTに入力し、次のように指示するといい:
- そのコンテンツを批評してもらう
- E-E-A-Tの各シグナルやその意味をChatGPTに示したうえで、そのシグナルに基づいて批評してもらう
ChatGPTにさらなる分析を依頼し、そのコンテンツを改善する方法を示してもらえる。これは本当に役立つヒントになる。
専門家がいなければ雇う
最後に、自分のニッチ分野に関する専門家がいなければ、見つけてきて採用しよう。
人脈をたどり、関連サイトを巡って、コンテンツ作りを手伝ってくれる人を見つけ、そして雇うのだ。フルタイムで勤務するわけではなくても、専門家である人物から少し手伝ってもらうだけで大きな助けになる(場合によっては「雇う」ではなく「依頼する」も候補に含まれる)。
サイトに掲載するコンテンツが「その分野の専門家と一緒に執筆したもの」であると明示できれば、信頼性を向上させられる。しかしそうするためには、当然のことながら実際に専門家に協力してもらう必要がある。
E-E-A-T 2つの注意点
しかし、覚えておいてほしい大事な注意点がある。
「成功への近道」と「手抜き」はイコールではない
第1に、成功への近道は楽をして成果が得られる方法ではないということだ。ここに挙げたヒントはすべて、実際には多少の検討が必要であり、「いきなりやってみて、適当にやればいい」というわけではない。実際には、うまくいかなかったこともあるからだ。
その一例が米大手スポーツ関連メディアのSports Illustratedで、同誌は割と最近、「実在する記者を装ってAIで生成したコンテンツ」を使っていたのだが、こうしたコンテンツは実態としてあまり人による調査を経ず、人の手も加えていなかった。
「近道をする」「必要なことに絞り込んで行動する」と、「手を抜く」「必要なことを省いて進める」は、まったく別のことだ。このことを念頭に置いておくことは、非常に重要だ。
グーグルではE-E-A-Tが必須
最後に、グーグルでは今やE-E-A-Tが根本的に必須となっていることを理解してほしい。
特に最近追加された「経験」は、とても重要だ。そのコンテンツで扱っているトピックに関して知識がある背景として、
- 実際に経験がある
- 実際そこに行ったことがある
- やってみたことがある
ということをユーザーに明示するのは非常に大切なことだ。言い換えると、こうした経験を実際に自らもっており、それをユーザーに明示できれば、そのコンテンツを信頼できるとユーザーが信じる証拠になる。
今回はE-E-A-Tの成功への近道について簡単に短くまとめてみたが、楽しんでもらえただろうか。ここまで、イタマール・ブラウアーがお届けした。どうもありがとう。ネット上で僕を見つけて質問したいという人は、遠慮なくLinkedInで連絡してほしい。
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オリジナル記事:E-E-A-T成功への近道: 8つのポイントと2つの注意点 | Moz - SEOとインバウンドマーケティングの実践情報
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