GA4はどう活用すべき? ECサイトでGoogle 広告とGA4を連携するメリットとは | 【レポート】デジタルマーケターズサミット2022 Summer

【レポート】デジタルマーケターズサミット2022 Summer
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yu-ta(ゆーた)26歳、会社員 PC.スマホ周辺機器やスマート家電など ガジェットを使って スマートな生活を送っています。 このサイトでは管理人おすすめの 最新の便利ガジェット情報や お得に買えるセール情報を中心に 発信しております。
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Googleは、無償版のユニバーサル・アナリティクス(UA)の計測を、2023年7月1日に停止すると発表している。その後継バージョンであるGoogleアナリティクス4(GA4)の導入が進んでいるものの、導入後どのように活用するかについてはまだ検討中という企業も多い。

デジタルマーケターズサミット 2022 Summer」にプリンシプルの山田良太氏と大出晃輔氏が登壇し、GA4の特徴と広告に焦点を当てたECサイトにおける活用アイデアについて解説した。

左:株式会社プリンシプル チーフテクノロジー・マネージャー 山田良太氏
右:株式会社プリンシプル 広告コンサルタント 大出晃輔氏

GA4の5つの特徴

2020年10月に正式ローンチされたGA4は、実は2019年に「アプリ+ウェブプロパティ」という名前で発表されたものだ。山田氏は、「GA4という名称だがUAとは異なるデータ構造で再設計された新しいプロダクトである」と言う。ここでGA4の特徴を5つ挙げ、それぞれ解説していった。

特徴① プライバシーを考慮

世界的に1stパーティCookieや3rdパーティCookieに対する制限が強化され、プライバシー保護に関する法改定が各国で進んでいる。欧州では「GDPR」、米カリフォルニア州では「CCPA」などの法整備が進んでいるなかで、Cookieに依存せず、プライバシーを考慮したツールが求められており、それを実現するためのツールとしてGA4が誕生した。

特徴② データモデルの変更

UAとは異なる、統一的なデータモデルが採用された。ユーザーの行動内容を表す「イベント名」と、そのイベントごとに追加できる付加情報である「パラメータ名」「パラメータの値」で構成されている。

GA4の5つの特徴 データモデルの変更

特徴③ BigQuery連携

無償版であっても生データをBigQuery(Googleが提供するクラウド型のデータベースサービス)にエクスポートできる。実際に利用するにはBigQueryの費用やSQLの知識が必要だが、できることの幅は大きく広がる。

特徴④ 機械学習

一定の条件を満たすと、データを自動的に機械学習した「おすすめのセグメント」が利用できる。Google 広告のターゲティングや、Google オプティマイズのターゲットリストに利用可能。

GA4の5つの特徴 機械学習

特徴⑤ ユーザー識別

同一ユーザーの特定に、「Cookie」に加えて、サイト側のログインIDを使った「ユーザーID」、Google側が持つ情報を使った「Googleシグナル」、Cookie不許可ユーザーの計測を統合するための「モデル化データ」が利用可能。

GA4の5つの特徴 ユーザー識別

 

カスタムオーディエンスを使った広告配信

ここからは、広告運用におけるGA4の活用法を解説していく。

GA4アカウントをGoogle 広告にリンクすると、GA4で作成したオーディエンスがGoogle 広告で活用できるようになる。オーディエンスを大きく2つに分けて考えてみる。

  • ユーザーの行動をもとに手動で作成する「カスタムオーディエンス」
  • Googleの機械学習を利用した「予測オーディエンス」

セッションでは、プリンシプルの大出氏がカスタムオーディエンス、予測オーディエンスの活用アイデアをそれぞれ紹介していった。ECサイト担当者であれば、自社のサイトでの活用をイメージしながら読み進めてほしい。

カスタムオーディエンス活用例① 休眠ユーザーへのアプローチ

「一度購入したが、90日以上購入のないユーザー」という休眠ユーザーのカスタムオーディエンスを作成することで、セールの案内を送信したり、特別クーポンを配布したりするなどの施策が可能になる。具体的には、全期間の購入ユーザーから「直近90日に購入したユーザー」を除外することで、「一度購入したが、90日以上購入のないユーザー」のカスタムオーディエンスができる。

新規顧客への販売コストは既存顧客にかかるコストの5倍(1:5の法則)と言われており、一度興味を持った顧客へのアプローチは重要な広告施策になるだろう。

カスタムオーディエンス活用例② ユーザーの購買行動を元にしたアプローチ

たとえば、自社の購買データを分析して、次のような購買行動がわかったとする。

  • 初回にポロシャツを購入し、2回目にパンツを購入したユーザーは、秋冬にアウターを購入する傾向がある
  • 会員登録後にキャディバッグを購入したユーザーは、後日、初回購入で付与されたポイントを使ってゴルフウェアを購入する傾向がある

このような場合たとえば、ポロシャツを購入したユーザーに対し、広告を通じて先回りしてパンツ商品の訴求を行うことで、購入促進を促せる可能性が高まるという。

カスタムオーディエンス活用例③ その他の活用例

その他、次のようなこともできる。

  • クーポンを取得したが、まだ使用していないユーザーに、「クーポン使って!」という広告を配信ができる
  • 初回は広告経由で購入したが、2回目移行はメルマガやLINEメッセージなど内部施策経由で購入している(既にファン化している)ユーザーを広告の配信対象から除外する
  • ユーザーによってLTVの差が大きい場合は、高LTVユーザーには高価格帯の商品を訴求するなど、訴求する商品の価格帯を変える
  • オーディエンスを使用した例ではないが、キャンペーンごとにLTVに差がある場合は、キャンペーンごとに目標ROASを設定する

予測オーディエンスを活用した育成と広告施策

次に「予測オーディエンス」の活用例について紹介する。機械学習により、予測指標に基づいて作成されるのが「予測オーディエンス」だ。Googleのアルゴリズムにお任せにはなるが、たとえば「7日以内に購入する可能性が高い既存顧客」など、5種類のオーディエンスが作成できる。

予測オーディエンスの種類

予測オーディエンスは、該当するユーザーのうち任意のパーセンタイルでオーディエンスのリストを作成可能。パーセンタイルとは、「小さい方から数えて任意の%に位置する値」のことで、仮にユーザー1000人のデータであれば、90パーセンタイルとは、購入の可能性が低い方から数えて900人目(購入の可能性が高い方から数えて100人目)に相当する。

予測オーディエンスを広告に活用するアイデアとしては、以下のようなものがある。

予測オーディエンスの活用例① 検討層育成施策への活用

「ブランドを知ってもらう」「商品ラインナップを認知してもらう」のような目的の広告は、その広告によって期待する態度変容につながったのかどうかを計測しにくいのが、従来からの課題だ。予測オーディエンスは、そのような広告の効果を可視化する助けになる。

以下の図では、左端のユーザーがサイト訪問し、回遊しているうちに購入可能性順位70〜90パーセンタイルに到達したら、自動的にオーディエンスに追加される。そのオーディエンスに対して広告を配信し、その広告経由で再訪したユーザーが購入可能性上位90パーセンタイルに到達したことをCVに設定して計測する。これで、広告効果(広告によって購入可能性が上がった)が可視化できる。

検討層育成施策アイデアで広告効果を可視化

予測オーディエンスの活用例② 検索広告での活用

自社サイトに訪問履歴があるユーザーは、自社商品の購入意欲が高まっていると考えられるので、一般キーワードで商品を検索した場合に広告を表示させたい。これまでは、Cookieを使ったリターゲティングで行っていた施策だが、予測オーディエンス「7日以内に初回の購入を行う可能性が高いユーザー」を活用すれば、同様のこと(購入意欲が高まっている人に広告を表示する)が可能。

高確度ユーザーへの入札強化

予測オーディエンスが活用できるサイト規模

予測オーディエンスはGA4の目玉機能だが、利用するには条件がある。公式ヘルプには、以下のように書いてある。

予測モデルを使うための最低要件

ECサイトの場合で考えると、以下のような要件を満たさなければならない。

  • 過去28日間のうち7日間で、1000人以上のユーザーが購入した
  • たとえば「1週間で1000以上のCV」という要件を、たまたま今週だけではなく、過去に遡っても定常的に満たす(「今週セールをやったので1500件以上のCVがあった」というだけではダメ)
  • purchaseイベントを通じて、どのユーザーが商品を購入したか送信する(いくらの商品か、通貨が何かなどのパラメータも同時に収集する必要がある)

実際に、どのくらいの規模のサイトであれば予測オーディエンスが利用できるのか、プリンシプルで確認した実績データが以下の図だ。

サイト規模ごとの予測オーディエンスの利用可否

この表からは、以下のようなことが読み取れる。

  • 予測オーディエンス利用のためには、月に7000件前後のトランザクションデータが必要(4種類の予測オーディエンスをアクティブにするには、月に2万件前後)
  • セッション数よりトランザクション数が重要

サイトDとGを比較すると、セッション数はGの方が多いが、利用可能なオーディエンスの数はトランザクション数で勝るDの方が多い。また、「トランザクション数がぎりぎりでも、GA4の推奨イベントを実装することによって、予測オーディエンスが利用できるようになった例もある」と山田氏は言う。

推奨イベントとは、多くのサイトで共通して発生するユーザー行動について、送信するイベントの仕様をGoogle側が定義しているもの。たとえば、「TwitterやFacebookなどに記事をシェア・共有する」というユーザー行動に対して、推奨イベント「share」が定義されている。

多くのサイトで同じ仕様のデータが集まるため、自社のデータだけでなく、同様のことをしている他のサイトのデータも参考にして予測できる。推奨イベントを実装すると予測オーディエンス利用の可能性が上がるのは、このためだろう。

ECサイトにおける推奨イベントは以下の図のとおり。

eコマースにおける推奨イベントの一覧

推奨イベントについて山田氏は、以下のように言う。

データレイヤー変数の整備さえ行えていれば、簡単に実装が可能。ただし、実装したとしても、予測オーディエンスが利用可能になるのは1カ月以上先になるので、気長に待ちましょう

最後に山田氏は、セッションの内容を以下のようにまとめた。

  • 2023年7月1日にUAの計測が停止するため、それまでにGA4への移行が必須
  • GA4はUAとは異なる部分が多々あるので、特徴を理解して利用する
  • GA4のオーディエンス機能を使いこなし、広告配信に活かそう
  • GA4で新たに定義された推奨イベントをまだ実装していない場合は、積極的な実装を
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