Zホールディングス(ZHD)が8月3日に発表した2023年4~6月期(第1四半期)の連結決算は、売上収益が前年前期比10.2%増の4305億円、重視する調整後EBITDA(利払い・税引き・償却前利益)は同15.6%増の999億円で、ともに過去最高を更新した。増収は22年10月のPayPayの連結子会社化に伴うもの。増益は販促費削減やLINE証券の事業見直しなどで確保した。PayPay連結のEBITDAは17億円で、四半期ベースで初めて黒字転換した。
メディア事業は、売上収益が同2.1%増の1588億円で増収も、人件費等の増加でEBITDAは同2.7%減の620億円と減益だった。ディスプレイ広告が予約型の出稿減で減収だったが、LINE MUSICの連結子会社化と、「LINE公式アカウント」の6月の料金プラン改定で有償アカウント数が増えてアカウント広告の売上収益が同18.8%増えた。検索広告は堅調で同5.2%増加。メディア事業が全売上収益に占める割合は36.9%だった。
コマース事業は、売上収益が同0.6%増の2068億円で、前年同期と同水準にとどまった。アスクルグループやZOZOグループが増収で、トラベル事業は好調を維持している。事業コストの見直しで収益性が改善し、EBITDAは同24.2%増の465億円で増益だった。コマース事業が全売上収益に占める割合は48.0%。ただeコマース取扱高のうち、国内物販系の取扱高は同1.9%減の7177億円と伸び悩んでいる。
戦略事業は、売上収益が同115.9%増の654億円と大きく増加。PayPayの連結子会社化が影響し、PayPayとPayPayカードを含めたPayPay連結取扱高は同31.4%増の3兆円に拡大している。PayPay銀行の貸出金残高は同26.2%増の6132億円。PayPay連結の四半期ベースは黒字化し、戦略事業のEBITDAは前年同期の赤字80億円から赤字27億円へと赤字幅が縮小した。戦略事業が全売上収益に占める割合は15.2%。
ZHDは、同社と中核子会社のLINEとヤフーを中心にしたグループ内再編を10月1日に予定している。グループ内再編を通じた事業の効率化と、25年3月期以降の再成長のための基盤作りの1年と位置づけ、固定費の削減や事業の選択と集中を進める。24年3月期の連結売上収益は同13.6%増の1兆9000億円、EBITDAは同7.0%から10.0%増の3560億円から3660億円を見込んでいる。
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オリジナル記事:Zホールディングスの第1四半期決算、PayPay連結で売上収益は4305億円で過去最高
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